追うべきKPIを変えれば組織の活動も大きく変わる。ビジネスプランニンググループが目指す「攻めのKPI設計」へのチャレンジ
シンクタンクでのコンサル業務を経て、パーソルキャリアのキャリアアドバイザーとなり、現在は組織目標(KGI/KPI)の策定・管理をメインミッションとするビジネスプランニンググループのマネージャーを務めている前田響子さん。同部署の業務は管理・運用タイプのタスクもある一方で、「ビジネスプランニング」の名の通り、会社・事業・組織を動かすようなダイナミックな仕事にもチャレンジされているそうです。今回は前田さんが考えるビジネスプランニンググループで働く魅力、組織として目指したい姿などについて詳しくお聞きしました。
――最初に前田さんのこれまでのキャリアについて教えていただけますか?
学生時代は都市計画を専攻し、住民参加型のまちづくりに関する研究に取り組んでいました。修士課程修了後、シンクタンクに就職して自治体の計画策定コンサルを担当していましたが、入社から3年が経った頃にプライベートの事情で転職をすることになりました。そのときに初めて個人の方々の転職活動を支援するキャリアアドバイザーという仕事があることを知ったのです。
私は右も左もわからなかった自分の転職活動を丁寧にサポートしてくれたキャリアドバイザーたちの仕事に感銘を受けました。また、前職に勤めていた頃からエンドユーザーに寄り添える仕事に興味を持っていたため、「キャリアアドバイザーは自分の理想に近い仕事かもしれない」と考え、2007年にインテリジェンス(現・パーソルキャリア)へ転職し、キャリアアドバイザーの仕事をスタートしました。
インテリジェンス入社後は、キャリアアドバイザーとして製造業領域の求職者支援を1年半ほど担当し、マーケティング部門に異動してからは6年ほどユーザーリサーチ業務を担当しました。2回目の産休・育休明けの2016年以降は組織のKPI設計・管理担当に役割を変更し、2019年に現在のデータビジネス部 ビジネスプランニンググループのマネージャーに着任しています。
P&M本部における経営企画的役割を担うビジネスプランニンググループ
――前田さんがマネージャーとして統括しているデータビジネス部 ビジネスプランニンググループについて教えてください。
データビジネス部 ビジネスプランニンググループは、P&M(プロダクト&マーケティング)本部に属しています。私たちのメインミッションは、P&M本部に所属する各組織の目標(KGI/KPI)および達成計画の策定・管理となります。
具体的なKGI/KPIは、doda各サービスの登録数や応募数などとなりますが、それらを直近の市場動向やユーザー動向、競合動向などを踏まえた上で経営サイド・事業部サイドと調整しながら決めていき、P&M本部に所属する各部・各グループに伝えていきます。ものすごく簡単に言えばP&M本部内の経営企画的な役割を担っているグループということになります。
――目標達成に向けた各部・各グループの総合的なKPIウォッチや統括を行いながら、経営側、事業部側への説明やレポートをメインに担当されている部署というイメージでしょうか?
そうですね。設定された目標数値に対しては各部・各グループの中でPDCAを回してもらっているので、私たちの業務は各部・各グループの組織KPIの全体把握や、それらを踏まえた経営サイド・事業部サイドへの報告や説明がメインとなります。また、経営・事業側の状況をP&A本部内に戻して方針変更をしていくような動きも取るので、両者のハブのような機能を持っています。
もちろん、経営サイド・事業部サイドばかりを見て仕事をしているわけではなく、各部・各グループの現状レポートや計画値などを吸い上げた上で、ビジネスプランニンググループから経営サイド・事業部サイドに提言していくようなボトムアップの動きを取ることもあります。
――組織目標の策定・管理以外の業務内容についても教えていただけますか?
私たちのグループにはデータに詳しい社員が集まっており、データアナリストと呼ばれるような専門家も在籍しているため、関係各部署に対するデータの知見を活かしたさまざまなサポート業務も行っています。
たとえば「こんなことを調べたい」「こんなデータが欲しい」という要望をいただいた際に有益なデータを提供したり、データを取得するための仕組み作りや計測手法についてアドバイスをしたり、場合によってはデータ分析そのものをサポートするようなケースもあります。
単なる実況中継ではなく、攻めのKPI設計ができるグループを目指す
――ビジネスプランニンググループの業務を通して得られる仕事のやりがい・面白さは、どんなポイントにあると考えられていますか?
組織目標の策定・管理に関しては、単なる数値変化の実況中継ではなく、現状を踏まえた「未来」の予測を行い、それに基づいた方針を提言するような攻めのKPI管理を目指しています。
また、目標の策定においても、既存の枠組みに沿って計画の精度を高める活動だけを推進しているわけではありません。たとえばP&M本部だけでなく、dodaという事業全体を俯瞰して「何を追うべきか」を考え直していくような取り組みを進めていくつもりです。追うべきKPIを変えるだけで組織の活動は大きく変わりますからね。そのような意味では、組織そのものを変えるようなダイナミックな仕事に挑戦できる環境であると言えるかもしれません。
――実際にはどのようなKPIを変えていこうとされているのでしょうか?
dodaは様々なサービスの集合体であるため、各事業が個々に活動を行うことで、全体最適観点からは顧客体験やビジネス成長を損なうような事象が発生しやすい環境です。ある事業のKPI達成に向けた動きが、別の事業のKPIを損なう、というような事象ですね。そのためビジネスプランニンググループとしては、事業部を跨いだ協議や調整を行いながら「本当にユーザーのためになることは何か」ということを考え方の基点として、各組織が追うべきKPIの再構築を進めています。
また、一度自分たちで策定した計画についても、見直しの提案を行うこともあります。
たとえば、外的な要素の変化により計画の実現確度が下がった時に、「現在の目標は本当に実現できるのか? 適正な水準なのか?」を検証するための施策提案を経営サイドに対して行い、追加投資を承認してもらったことがありました。
かなり抽象的な例ですが、このように日々のモニタリング活動を通してリアルタイムで検知した変化を元に将来の投資判断について積極的な提言・提案ができる立場にあることも、ビジネスプランニンググループで働く醍醐味の一つであると考えています。
--事業や組織を俯瞰してKPIを変えていこうとされているのですね。それらに加えてデータ活用の側面から得られる面白さもありそうですね。
ビジネスプランニンググループでは集客から決定に至るまでの全体像をカスタマー起点で俯瞰できますし、それらに関係する様々なデータに触れることができます。とくにパーソルキャリアのような人材サービスを手掛ける会社の場合、一人ひとりのユーザーに関して広さも深さもある多種多様なデータを扱っているという特徴があります。それらの膨大かつ貴重なデータを自分たちの手で探索・解析することで、次のビジネスにつながるような示唆を発見したり、お客様に提供できる新しい価値を発見できたりもするので、好奇心のある方やデータを扱う仕事が好きな方にとっては面白い仕事だと思います。
パーソルキャリアは一人ひとりのWillを大切にしてくれる会社
――マネージャーとして感じられている現在のビジネスプランニンググループの課題感について教えてください。
先ほどお話ししたように、集客から決定までを一気通貫で見渡せる組織でありながらも、それらの全体像を理解しているメンバーはまだまだ少ないと考えています。dodaの各事業、各業務を俯瞰することが必要になる組織なので、グループ全体で知識量や理解度の向上に取り組んでいく必要があると考えています。
――そのような課題を克服するために取り組まれていることはありますか?
まずは「知識の広さ」にアプローチするために、dodaの事業全体を横断的に可視化するような取り組みを進めています。また、「知識の広さ」をクリアした後は「知識の深さ」を追求していく必要があるので、各事業に精通したメンバーの経験や知識を共有し、ナレッジ化できるような仕組みを整えていくつもりです。
――ビジネスプランニンググループの仕事に向いている人は、どんな人だと思いますか?
大きな枠組みを変えていくことで組織・社員・サービス・ユーザーに対して様々な影響を与えられる仕事に楽しさを感じられる人が向いていると思います。ただし、結果が出るまでには長い時間が掛かる業務も多いため、素早く結果が出るタイプの仕事がしたい人にとっては少々しんどいかもしれません(笑)。
また、パーソルキャリア全社に共通する話になりますが、好奇心を持って自分がやりたいことを発信できる方、主体的に自走できる方であれば、やりがいを持って働けると思います。運用型、支援型の業務もあるものの、待ちの姿勢だけで進められる仕事ではありませんからね。さらに付け加えるとするなら、様々な組織と組織の間でハブとなるような役割を担うことが多いので、人に興味がある方がいいですね。「相手が何を考えているのか」「この人たちはどう動きたいのか」という部分に興味があればあるほど働きやすくなると思います。
――前田さんはインテリジェンス時代も含め、15年以上パーソルキャリアで働かれています。パーソルキャリアという会社の好きなところについても教えていただけますか?
パーソルキャリアは、Will(意思・意欲)を大切にしてくれる会社です。意思を持って成長したいと望む人を応援してくれるカルチャーが好きですね。会社の方向性として「事業やサービスを通して社会に貢献しよう」という強い熱意が感じられることも私にとっては重要でした。実際のところパーソルキャリアには、“はたらく”ということに金銭的な報酬以外の価値を見出しているメンバーも多いと感じます。
また、私はパーソルキャリアで2回の産休・育休を取得していますが、子どもが小さい時期は仕事をセーブするような働き方ができ、ハードに働きたい時期にはたくさんの仕事を任せてもらうことができました。社員一人ひとりの事情や状況を検討し、配慮してくれる環境があるので、ライフステージに合わせた柔軟な働き方ができると思います。
――最後になりますが、パーソルキャリアに興味を持っていただいた方へのメッセージをお願いします。
少子高齢化や労働人口の減少、テレワークやパラレルワークの浸透などもあり、人材業界は大きな変革期を迎えようとしています。このような変化を楽しみながら、仲間たちと一緒に様々な社会課題を解決していきたいと考えている方に期待したいですね。