PALETTE, Inc.に入る前
大学1年からフィリピンの貧困地域を支援するNGOに所属して、夏休みと春休みのたびに約一ヶ月ずつフィリピンのスラムに通っていました。そうした活動で、自分たちではどうすることもできない大きな問題に直面したり、助けを求められても力不足で何もしてあげられないことを現地で何度も経験しました。 そんな中で大学三年になり就活も視野に入ってきたころに、一度集中してフィリピンの社会問題に正面から取り組んで、それから将来の進路を決めたいと考えるようになりました。そんな時にPALETTEの共同代表の倉辻と出会いました。話を聞く中で、PALETTEの理念と代表の人柄が直感的に自分にぴったりだと思い、一年間のインターンを決めました。
その後帰国してNPO向けのコンサルティング会社で1年間のインターンをして専門性を身に着け、2018年4月からPALETTEで就職するために現在もフィリピン現地インターンとして活動しています。
現在
現在は、英語教師になったフィリピンの若者の「生きる力」を育てるライフスキルトレーニングの開発と実践に取り組んでいます。PALETTEで働く若者の将来の夢は必ずしも外国人向け英語教師になることとは限りません。シェフになりたい人、日本で働きたい人、公立学校で働きたい人など様々な目標を持った人たちがいます。理不尽な環境で育った若者たちがPALETTEを巣立ち自分の夢を諦めず実現するために必要な問題解決能力や自己肯定感などを育むためのトレーニングの開発と実践をフィリピン人のトレーナーと連携して行っています。
このトレーニングの開発において最初にやらなければならないことは、「トレーナーと生徒」という関係性を崩し、対等な関係を築くことでした。彼らのことを最もよく知っているのは彼ら自身で、本音で遠慮なくフィードバックをもらえなければトレーニングをより良いものにすることはできないからです。若者たち一人ひとりと対話を繰り返し、ようやく今、トレーニングを実施改善するスタートラインに立っている状態です。「ショウタのトレーニングは自分の夢を実現するために絶対に必要だ!」と言ってくれる若者もいて、責任を感じると同時にとてもワクワクしています。
PALETTE, Inc.について
PALETTEは何よりもその人の「やりたいこと」を大切にする組織です。フィリピンの若者の「やりたいこと」を一緒に考えて、その実現のお手伝いをすることがPALETTEのミッションです。組織のメンバー自身がそれをできていなければ絶対に若者の「やりたいこと」を実現することはできないと思っています。だから、すべてのメンバーが強く「やりたいこと」を問われるし、逆にそれがあればみんなが応援してくれる環境です。
一方でそうした自由な環境の中で難しさを感じることも非常に多くあります。「やりたくないこと」をやらせないPALETTEの中には基本的に命令や指示はありません。フィリピン人のスタッフと一緒に働いたり何かをお願いするときには、なぜそれをやるのか、なぜあなたにお願いしているのかをしっかり伝えてモチベーションを持ってもらったうえで取り組んでもらわなければいけません。日本人に日本語で伝えることすら難しい内容を、異なる国の人に英語で伝えることは非常に難しく、時には断られてしまうこともあります。でも、そうして心を通わせたメンバーと何かを成し遂げたときの喜びは何にも代えられません。
今後どういうことをしていきたいか
とにかく、今行っているライフスキルトレーニング開発を当事者である若者たちと作り上げていきたいです。それが、自分が彼らのためにできる最大のサポートだと信じているからです。また、ライフスキルはフィリピンだけではなく、日本を含む先進国でも必要とされている能力です。科学的なエビデンスのあるトレーニングを完成させることができればそれはフィリピンだけでなく世界中の人々に価値のあるものだと考えています。そしてライフスキルトレーニングに取り組んでいるのはPALETTEだけではありません。世界中の多くのNGO、研究機関、企業がその開発に向けて挑戦しています。そうした多くの組織と連携しながらより良いトレーニングを作っていこうと思っています。その未来に向けて、今はとにかく目の前の人たちに向けて本当に価値のあるトレーニングをともに作っていきます。