エンジニア&社長対談#7 GPSデータを使うデータサイエンティストはどんなことしてるの? | プロダクト開発部 データエンジニア 柏原
代表の松下がオプティマインドのエンジニアの実態を明らかにする連載です。七回目はデータエンジニアの柏原さんが登場です。オプティマインドでの業務内容やプライベートのお話をしました。
(写真は対談日が柏原さんの誕生日だったためです。)
連載はこちら
#2 量子コンピュータの研究者がオプティマインドで目指す世界
#5 Watercooler chat with a Front End Engineer
#7 GPSデータを使うデータサイエンティストはどんなことしてるの?
普段の業務
松下:まずはじめに、データサイエンティストとしてどんなことをしているか教えていただけますか。
柏原:GPSデータを解析して、ロジックを立てられる場合はAPI化を行ったり、データのパイプラインを作るといったことをしています。手元の簡易な解析にはpython、大規模なGPSデータの処理を行う場合にはscalaを書いたりします。
松下:最近、業務において難しいと感じたことはありますか。
柏原:それぞれのお客様の要望に答えながら、どうスケールしていくか、ということを課題に感じる場面が非常に多いですね。極論、膨大な時間をかけてデータ処理を全て手作業で行って特定のお客様にフィットしたデータを作れば、そのお客様に限っては一時的に価値を提供することはできますが、それだとスケールしていきません。どういうロジックであればスケールできるかということを踏まえてシステムを設計していく部分が課題です。
松下:なるほど、、、!仮にスケーラブルなシステム構築がすごく上手く進んで、日本中の全ての車両データが手に入るようになったらどんなことができそうか展望はあったりしますか?
柏原:日本中の全てのデータが手に入るようになったら、車種ごとの細かい分析ができて面白いですよね。例えば地図には乗っていない道幅のデータが全てとれれば、車種ごとに通れるかどうかの判定ができて、地図を自分たちが解析した情報でよりリッチに拡張することができます。そういった情報を使っていけば、更に配車ルートを最適化できそうですよね。
松下:面白いですね。次に、柏原さん個人としてやってみたいことはありますか。例えば、世の中の時間が1年間止まって、なんでもインプットできる時間が生まれたらしてみたいことを教えてください。(笑)
柏原:フロントエンドの部分を勉強したいですね。今年のお正月にやってみようと思って、ちょっとしたアプリを作りました。その延長で、reactを使ってデータにアノテーション(ラベル付け)をするためのツールを自分用として作ったんですよね。やはりフロントエンドができると幅が広がるなと感じました。
松下:へ〜!。フロントエンドの知識は今後どのように使っていきたいですか。
柏原:基本的には、社内向けのアノテーションツールなどの効率化用途で活用していきたいです。今は少なからず非効率なやり方をしている部分があるので、対費用効果等考えつつもっと効率よく、簡単にできるようにしたいですね。
プライベートでは
松下:柏原さんのプライベートについても聞きたいです!笑。
趣味は何かあったりしますか。
柏原:たまに暇があれば本を読んだりします。好きな本で言うと、マークトウェインというアメリカの小説家の「人間とは何か」という本が好きです。マークトウェインは有名な本だとトム・ソーヤなどの児童文学を書いていた方ですね。先ほどあげた「人間とは何か」ではそういった、児童文学的な内容ではなく、哲学的な部分に触れる内容を書いています。例えば、人間の行動原理は、個人の性質に応じて各人が最も心地よいと感じる行動に従うといった考え方が書かれていたりします。人間の自由意志なんてものは存在しなくて、人間はただその原理に従う機械に過ぎないとクリアに書いているのが面白いですね。
松下:人間は結局、欲求の塊だと。(笑)
柏原:そうですね。(笑)私自身、あまり哲学書などは読みませんが、自己承認欲求を自己認知することは大切だと考えています。
松下:柏原さんは、他者との付き合い方はどう考えていますか。
柏原:わりと、ドライな方かもしれません。全然一人でも平気ですし、基本的には自分がしたことに対して見返りは求めないタイプです。ただ、人から何か良いフィードバックなどをもらえれば、それはそれで単純に嬉しいですね。(笑)
松下:面白いですね。将来こんな風になりたいな、という姿はありますか。
柏原:年齢を言い訳にしない人になりたいですね。ベテランだから威張ることや、もう歳だからできないと言うことはなるべくしたくないなと思ってます。そういう部分に対しては、自分の健康状態や家庭の余裕などの環境の影響も大きいと思うので、嫁と仲良くしていきたいです。(笑)
松下:仲良くしてください。(笑)他に好きなことはありますか。
柏原:パクチーがすごく好きで、この前岩田さん(オプティマインド社員)たちと、インド料理屋へビリヤニを食べにいきました。ビリヤニはカレーのようなピラフのようななんとも形容しにくい食べ物なんですが、パクチーが上に乗っていてすごく美味しかったですね。あと、パクチーは家でも育てていますね。友達が3年分くらいの種を送ってくれて。
松下:パクチーって家で育てられるんですね!
柏原:育て方を知らないと育てるのは難しいかもしれません。種を水につけてふやかして種を割って、など結構大変です。
理想の組織像
松下:前回の記事は入社してすぐでした。あれから1年ほど経ちますが、改めてオプティマインドはどんな会社だと感じてますか。
柏原:そうですね、オプティマインドはスタートアップなので前職の日本的な大企業とは色々な面でだいぶ違いますが(笑)、しっかり議論した上で方針を決めていく文化など、地に足がついた会社だなと感じる場面が多いです。ただ、これまで小規模でやっていた影響で各メンバーの裁量が大きい反面、依存性も高く、新規メンバーには把握が困難な事情が多く残存することは現状の課題だと思ってます。そういう面では、自分はこの一年で社内の事情をかなり把握でき、例えば社内で保有しているデータの流れなども把握できるようになりましたが、今後入社するエンジニアの情報把握が簡単になるような態勢も整えていきたいですね。
松下:そうですね。もう少し具体的に教えていただけますか。
柏原:はい。例えば、現状はデータが複数の異なる場所に置かれており、アクセスの仕方もバラバラで各管理者に聞く必要があります。それによって、新しく入社してくださる方のオンボーディングコストも上がり、問題だと感じています。実際、自分も入社当時は結構大変だったような気がします。(笑)今後それを解決するためには、統一的なインターフェースを整備し、データのアクセシビリティを高めていくことが一つ重要なポイントだと思っています。
松下:ありがとうございます。柏原さんから見て、今のオプティマインドはどんなイメージですか。
柏原:知識があって専門性が高い人が多いので、松下さんのYesマンになることなく、各自が自身の意見を発信して議論できるのは良いところだと思っています。その分、決断を足踏みをしてしまうこともありますけどね。(笑)
松下:よくも悪くも、議論が好きな組織ですよね。柏原さんにとっては、理想の組織はどんなものですか。
柏原:自分にとって理想の組織は、ありきたりですが、大前提としてまず全てのメンバーがフラットに意見を出せる雰囲気があること。その上で、完全な平等主義というよりは、ある程度根拠を持って指針を示してくれるリーダーがいて、その意見をベースに皆が意見を出し合ってより良いものにしていけるような組織で働いていたいと思っています。
松下:今後はどんな人とオプティマインドで働きたいですか。
柏原:与えられた材料や、自分自身の経験から、ロジックを組んで判断をしていける推進力のある人ですね。普通の企業でもそうですが、スタートアップでは更に不明瞭な状況で決断しなければならない場面がたくさんあり、そうした場面で論理立てて決断できることはすごく重要だと思っています。私自身もそうありたいですし、そういう人が多くなっていけば、組織として成熟していける思います。
松下:そうした組織を作るために何が必要だと思いますか。
柏原:全員が自律していることですね。各自が自分の役割で自律的に動けることで、推進力にもつながっていくと思います。
松下:なるほど。よりアクティブな会社になると良いですよね。おとなしい人が多い中で、柏原さんはすごくコミュニケーションが上手なイメージです。
柏原:そんなこともないですよ。(笑)今は社内で競技プログラミング部などもあり、部署の垣根なども比較的低いのでいろんな人と雑談ベースで関われる環境なのは面白いですね。
最後に
松下:では最後に、今後の目標について聞かせてください。
柏原:これまでは機械学習を用いたアプリケーション開発を中心にやってきましたが、今後1年くらいは直近の業務で要求される場面が多い、かつ自分の趣向も踏まえて、統計的データ分析におけるスキルを中心に深めたいと思っています。また、フロントエンドやセキュリティなど、自分の専門外の領域についても長期スパンで伸ばしていきたいと思ってます。
松下:個人的には、柏原さんに東海エリアのデータ解析のドンになっていてほしいですね。色んな人が会社で困ったら、「あのオプティマインドの柏原さんに聞こう」、みたいな形になると嬉しいです。笑
柏原:そうなれるよう頑張ります。今後そういった方面でも、名古屋を中心にコネクションを広げていきたいなと思ってます。