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創業CTOから次のCTOへ、オープンロジの軌跡とこれからについて


はじめに

オープンロジの五十嵐です。

先日のリリースにもあるとおり、このたび私は CTO から VPoE へと役割を変え、よりエンジニアリング組織づくりの方にフォーカスすることとなりました。

この1年で優秀な人間が集まってきており、先月にはシリーズCの資金調達も実施し、会社も一層強化され次のフェーズに来たと思っております。

リリース内では私から以下のコメントを残していますが、今回の記事では背景や想いなどもう少し詳しくお伝えできればと思います。

「次のフェーズの主テーマとなる倉庫ネットワークを活用した物流改革の実現には、技術・組織の両面でのレベルアップが必要不可欠だと感じています。 これまで積み上げてきたプロダクトはまだまだ改善余地も多く、事業成長に伴うリアルなデータも加速的に増えてきており、エンジニアの活躍機会はますます拡大しています。 これから私は組織の方にフォーカスし、データとテクノロジーで事業をリードする組織づくりに取り組みます。オープンロジの魅力をより多くの人に知ってもらい、これからのチャレンジを一緒に楽しめる仲間とさらに事業を加速させていきたいと思っています。」

これまでの道のり

私がジョインしてから丸6年経ちますが、これまでビジネス面ではおかげさまで順調な伸びを実現してきました。さらに昨今のコロナ禍では、EC市場を後押しする状況でもあり、当社ビジネスにも追い風になっています。

しかし、ここまでの道のりは決して平坦なものではなく、それはとても険しいものでした。
ただ、その険しさは最初のメンバーとしてジョインする時から覚悟はしていたものでした。

まさにロングトレイルレースに挑むような気持ちだったことを覚えていますし、実際人生はじめてロングトレイルレース(第22回日本山岳耐久レース)に挑んだのもちょうど入社直前の週末のことでした。

オープンロジという名のレースの方は、まだ道半ばではありますがチェックポイントを迎えたということで、まずはこれまでを振り返ってみたいと思います。

  • 渋谷コワーキングスペース時代(2014年)
  • 池袋北口時代(2015年、2016年)
  • 東池袋初期(2017年、2018年)
  • 組織立て直し(2019年、2020年)

渋谷コワーキングスペース時代(2014年)

PoRTAL Shibuya というおしゃれなコワーキングスペースでお世話になりました。
現在サービス提供している荷主向け管理画面を社内では Portal というコードネームで呼んでいるのですが、これは創業の地であるこのコワーキングスペースから頂いたものになります。

ピッチ登壇を機にめでたくシード出資を受け、倉庫に頻繁に通う必要があることから事務所拠点は池袋で探すことになりました。

池袋北口時代(2015年、2016年)

  • 組織
    • オフィス:30坪
    • メンバー:5名~40名
    • 提携倉庫:1~5社
  • 主な開発
    • 倉庫運用管理システムの開発(既存システムのリプレイス)
    • ユーザーポータルの再構築(Laravel + React.js)
    • ネクストエンジン連携
  • 出来事

池袋北口という街はとても健全といえる環境ではなかったのですが、提携倉庫に繋がる東上線も近くプロダクト開発に勤しむにはとても便利な場所でした。

たくさんの荷主様にご登録いただき、さまざまなタイプの商品が続々と倉庫に届き、まるでドン・キホーテのような様相をした倉庫現場に足繁く通い、日々オペレーションをどうするべきか試行錯誤していた時代でした。

東池袋初期(2017年、2018年)

  • 組織
    • オフィス:150坪
    • メンバー:40名~90名
    • 提携倉庫:5~10数社
  • 主な開発
    • パートナー連携強化
    • USオレゴン州倉庫立ち上げ
    • インドネシアでの実証実験
    • スマートフォン向け在庫管理アプリの開発
  • 出来事

穴だらけだったプロダクトも少しずつ形になってきて、事業も堅調に伸び、メンバーも100人近くまで増えていきました。

海外拠点の立ち上げやスマートフォンアプリの開発など、新たなチャレンジもどんどん増えていきました。

ただ、人が増えたからといって、即ちできることが増えるわけではありません。
みんながスタートアップのメンバーらしく主体性を発揮し、もろもろカバーしてくれていたのですが、少しづつ現場に負担と不安を積み上げてしまう形になってしまいました。

振り返ると、会社としての軸や方向性や戦略などをしっかり考え伝えられてなかったこと、またマネジメント体制が未熟であったことにより、みんなの課題をしっかり解決して方向性を示してあげることできなかったことが要因として大きかったのではないかと反省しています。

残念ながらこのタイミングでたくさんのメンバーが去ってしまいましたが、彼ら・彼女らが残した功績はとても大きく、あの爆発的な創造力があったからこそ、このオープンロジという素晴らしいプロダクトの礎を築くことができたのだと思っています。

組織立て直し(2019年、2020年)

  • 組織
    • ビジョンの策定
    • バリューのリニューアル
    • マネージメント体制強化(3名→8名)
    • プロダクトマネジメントチーム、インフラチームの組成
  • 主な開発
    • 倉庫生産性の可視化(作業時間の記録や事故などのレポート)
  • 出来事

そんな反省を踏まえ組織体制の立て直しを進めましたが、その過程もかなり険しいものでした。
しかし、世間的にはコロナ禍へ突入し混乱に陥ったここ数ヶ月、需要の伸びと並行して新しくジョインしてくれたメンバーの活躍も目立ち始め、創業当初のフレッシュさを思い起こさせるような景色もみえるようになってきました。

このポジティブな変化は、会社として大切にするバリューが見直され、組織内部のアクションへ浸透する働きもあって、どう行動するべきかの判断軸ができたことは非常に有効だったと感じています。

また今年に入ってCPO弘島がジョインし、プロダクトの方向性も徐々に整理されてきており、いよいよビジョンの達成に向けて一丸となって前に進める状態となってきました。

私は、全社一丸となるために必要な軸がバリューであると確信しています。

バリューへの想い(PATH)

オープンロジには、大切にしている4つのバリューがあります。

  • Positive Reflection
  • Active Dialogue
  • Triple Win
  • Have Fun, Make Joy

それぞれの頭文字をとって「PATH(道しるべ)」として、私たちのバリューを定義しています。

ここでは私なりの解釈でそれぞれのバリューをどう捉えているかをお伝えしたいと思います。

Positive Reflection

トップを飾るこちらが社内で一番活用されているバリューです。
実際とても使いやすいんですよね、これ。
失敗してもしっかり振り返りを行い、次の成長につなげることの大切さを日々感じてます。

どんな失敗でもポジティブに捉えられるカルチャーがあるからこそチャレンジできる。
また、単に楽観思考なわけではなく、しっかり振り返りを行い失敗を次の成長の糧とすることが大切な価値基準となっています。

私たちは正解がないものを作っていく必要があります。
積極的にチャレンジし失敗しても次につなげて着実に一歩ずつ前に進めていくことが大切だと思っています。

Active Dialogue

このバリューは Positive Reflection に続き、使用頻度的にも2番目によく使われているバリューです。

あらゆるトラブルは思い込み・妄想などからくる認識や期待値のズレから発生します。
過去の組織的な問題もここの要因が大きかったかと思います。
積極的に対話することで互いの「思い込み」をなくしていくことが大切です。

ただ、このバリューを浸透させるには心理的安全性が担保されていることが大前提となります。
つまり「無知・無能・邪魔・ネガティブと思われない環境」である必要があり、そのためには以下の3つが備わっている状態でなければならないと考えています。

  • 風通しの良さ・情報格差の解消(オープン)
  • 発言機会の平等性・権威勾配の最小化(フラット)
  • 謙虚・尊敬・信頼(HRT)

現状、そのような理想的な状態にはなっているとはまだ言えない部分もあるかと思いますが、みんながこのバリューをより発揮できるように引き続き環境を整えていきたいと思っています。

Triple Win

「三方良し」は、一見理想論のようにも捉えられますが、物流という社会インフラの一端を担うプラットフォームを作っていく上で必要な精神だと思っています。
どこかに負が偏ってしまえばプラットフォームとして必要な均衡性が維持できなくなってしまいます。
難しくてもプラットフォーム上の参加者みんなが Win となるように努力し続けなければいけません。

そして、これは会社組織にも同様のことが言えます。
どの部署・どの役割・どの社員にも負が偏ってはいけません。

バリューには定義されてませんが、私が「オープンロジらしさ」としてまず思いつくのは「助け合い」の精神です。
難しいビジネスだからこそ、いろんなところでいろんな人が大変な事態になってしまうのですが、そんなときは部署・立場関係なく支え合う光景を創業当初から本日に至るまで幾度も見てきました。
この「助け合い」の精神はこれからも大切にしながら「三方良し」のビジネスを作っていきたいと思っています。

Have Fun, Make Joy

最後はわかりやすいバリューですね。

クリエイティブな創造性は楽しさからしか生まれないと思っています。
「好きこそものの上手なれ」「努力は夢中に勝てない」などの格言も連想できますが、得意なところは活かして成果に繋げ、できなかったことができるようになることで成長を実感するなど、なんでもポジティブに変えて「コトに向かう」ことが大切だと思っています。

また、楽しそうに仕事してる人と一緒に働くほうが単純に楽しいですよね。
そんなプラスの輪を少しずつ広げていくことで、ビジネスの成長にも自然と繋がっていくものだと信じています。

ビジョンの達成に向けて

私たちは「物流の未来を、動かす」というミッションを掲げています。

物流というと「人手不足」「高齢化」「作業負荷の増加」といった課題が顕在化して、「宅配クライシス」といった問題も2年前に騒がれました。もちろん現状でもそれら問題は未解決であって、今後のEC化率およびECの成長を見据えると、今までのやり方で物流そのものを支え続けることが難しく、テクノロジーを使った抜本的な仕組み解決が必要になると考えています。

そこで、私たちは、「テクノロジーを使い、サイロ化された物流をネットワーク化しデータを起点にモノの流れを革新する」というビジョンを掲げています。

一見地味に見える「倉庫」という物流における起点に、物流に関わるプレイヤーをネットワーク化することで、入庫・在庫・出荷という出荷拠点となる倉庫に集まるデータを活用し、テクノロジーを使って「悩まない物流」「ムダのない物流」「物流から商流へ」という世界を実現させていきたいと思っています。

これまで創業CTOとして何でも屋さんをしてきましたが、これからはテクノロジープロダクトエンジニアリングの三軸で協調しつつそれぞれ高いレベルに引き上げていく体制にする必要があると考えており、私は VPoE としてまずこの体制づくりの方にコミットしていきます。

テクノロジーにおいては「データ」を軸にした技術戦略の上に経営戦略を描き、成長するこれからのフェーズを見据えよりその領域において経験や強みを持ち、アナログな物流業界をデータによって変革することでワクワクするような方に次のCTOを担っていただきたいと思っています。(現在、新CTOを探しています)

また、私たちは、これからのチャレンジを一緒に楽しめる仲間を募集しています。
物流業界でとくに不足しているソフトウェアの力による新しい物流の革新に少しでも興味のある方はぜひ気軽にご応募ください。カジュアル面談もOKです。

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