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アジアの新興国・バングラデシュでインターン修行 vol.9

こんにちは、oceanizeインターンの木内陽翔です。

バングラデシュでの滞在にはビザが必要です。先月このビザの有効期限が切れるということで、息抜きも兼ねて一度日本に帰国しました。

今回はその時のお話をできればなと思います。


梅雨、そして雨季

6月というと日本では梅雨のシーズンにいよいよ入っていく時期ですが、バングラデシュでも同じように雨季のシーズンになります。 6月7日、この日僕は22回目の誕生日を迎えていました。

 前日にまとめた荷物は、お土産と1日分の着替えが入った簡単なもの。 フライトの時間は11時55分だったので朝一でオフィスにチラッと顔を出し、すぐに空港へと向かいました。
この日からバングラデシュではラマダーンが始まり、9時から18時の勤務時間が8時半から16時に変更になっていました。断食のために勤務時間が変わるのです。

そのためわりと早い時間に行ったのにもうみんなオフィスに揃っていました。 寂しくなるなぁだの元気で戻ってこいだのなんだかすごく大げさなお見送りを受けました。たった1週間いなくなるだけなのに。 笑

がっちり握手を交わし、ハグをしていたらなかなかいい時間になってきたので少し焦りました。

空港に着くと朝ということもあってかかなりスムーズに出国手続きを終えることができ、ロビーでのんびり。 ただ、チケットの搭乗ゲートは空欄でそこだけが気がかり。後から思えばこの時から、僕の長い戦いはこの時すでに始まっていたのです。

たたかいの始まり

  ダッカの空港はゲートが6箇所ほどしかない小さな空港です。手前から1~5そして端っこのゲートはなぜか飛んで16。 すべてのゲートを見て回るにしてもそんなに時間がかかるものではないのですが、搭乗予定時間が来ても空港内の電光掲示板には僕の乗る便の搭乗ゲートの案内は待てど暮らせど表示されず…


搭乗ゲートの間をふらふらしていると、俄然あたりが暗くなりました。雨です。

日本でもゲリラ豪雨がありますが、バングラデシュのそれはまた迫力が違うように思います。日差しが強く40度近い猛暑の中、急に空が暗くなり、冷凍倉庫の扉を置けた時のような冷たい風がものすごい勢いで吹きます。あたりはほこりが舞い上がり真っ白に、と思った次の瞬間、滝のような雨が降ってくるのです。 滑走路が見えなくなり、いよいよ「これ、飛行機飛ぶのか?」という不安は確信に変わっていきました。


ついに搭乗ゲートが

出発予定時間を30分過ぎた12時半、ついに搭乗ゲートの表示が!16番。端っこの搭乗口へ急ぎます。中国東方航空、昆明行き。離陸時間を30分過ぎていましたがともかく搭乗ゲートにたどり着きました。

搭乗ゲートに表示されるdelayの文字。 その一角だけ中国語が行き交いなかなか異様な雰囲気でした。 搭乗手続きが始まらない中事件が起こります。

一向に始まらない搭乗手続き。苛立つ乗客たち(含木内)。そして搭乗ゲートの文字は僕たちをあざ笑うかのように中国東方航空昆明行きからエアアジアジャカルタ行きに変わったのです。あたりは騒然となり係りの人が出てきます。

どうやら機体がダッカに到着できず、3時間ほど遅れるとのこと。 機内食の代わりに食事を出すから案内があるまで待ってくれ、と言われロビーに戻ります。 特にやることもなかった僕は免税店を見ることに。

基本的に品揃えは香水と酒。一通りテスターで匂いを嗅いだりして待っていたのですが待てど暮らせど食事の案内が来ない… しかし中国人のお客さんは昆明の便の人だけなので自分が取り残されている、というわけでないことはすぐにわかります。これが昆明じゃなくてよかった。ダッカの空港で中国人は目立ちます。(当然日本人の僕も)

どの店にどんなものがどの棚にあるかも把握しかけてきた午後4時。やっと食事の準備ができたということで3階にあるラウンジに通されました。

空港のラウンジに入れることなんて庶民の僕にはそうそうないので、きょろきょろとあたりを見回し椅子の座り心地を確かめ、堪能させてもらいました笑

間違いなく機内食よりおいしい。バングラ名物ビリヤニ。


悪夢は終わらねぇ

しかし悪夢はここで終わらなかったのです。

食事も終わりさぁあとはいつ飛行機が飛ぶのか待つだけだと思っていた僕たちに恐ろしい現実が突きつけられます。

ロビーに降りた僕たちの目に飛び込んできたのは電光掲示板に浮かんだ恐ろしい文字列。


“canceled”


欠航…? 騒ぎ出す中国人たち。いったい何がどうなっているのか。混乱した僕はもう笑うしかありませんでした。

特に放送があるわけでもなく、空港の職員さんに聞いてもわからない。 方法はただ一つ。

中国人の一団にしれっと混ざって彼らが得た情報をいただくこと。

しばらくすると中国東方航空らしき中国人の職員さんが彼らの案内を始めました。 振替え便が明日飛ぶから一度再入国の手続きをしなければいけない、 どうやらそんなような案内をしているようでした。

 飛行機がつく時間ではないので入国審査のスタッフはまばら。 かれこれ1時間かかって全員が入国手続きを終えた頃にはあたりは真っ暗でした。 雨はとっくに止んでいました。欠航になったのは…僕たちの便だけ。笑

中国人に混ざって同じ便に日本人の方もいました。吉村さんというご夫妻と竹内さんという方。 吉村さんご夫妻はダッカ市内でキリスト教関連のボランティアをされていて、竹内さんは田舎で唐辛子の栽培をされているとか。

 竹内さんはバングラデシュが長く、ベンガル語がペラペラで現地の方と話されていたのでパスポートを見るまで日本人だと気が付きませんでした。後から聞くとバングラ人もびっくり!超簡単ベンガル語学習という本を出されている方でした。


終わりよければ

 車に乗せられ近くのホテルへ。明日はどうなるのだろう、預けた荷物はどうなっているのだろうなどと考えていると すごく立派な建物に到着。

 しかしフロントと思われる正面の入り口ではなく裏口のようなところに通されます。 そしてエレベーターで8階へ。エレベーターを出るとそこにもしっかりとフロントとロビーが。 そしてロビーではヨーロッパ系の顔立ちのCAさんたちと黒人のパイロットの一団が談笑しているじゃないですか。

 このホテルどうやら、7階までが一般客、そして8階から上はそのような空港関係者むけのホテルになっているようです。 部屋に入るとふかふかのベッドが!そして夕飯はビュッフェです。




もちろんタダ。

朝からひたすら待ちぼうけをくらい続けた1日でしたが、おいしいご飯を食べてるうちになんだかまいっか!という気になっていました。笑

そして___

 さあ翌日。朝食は食べなくていいやぁとふかふかのベッドでまったりしていると電話が。

 「あと30分で空港に行かなければいけないのでチェックアウトの準備を。」

  時刻は8時。

朝の様子。青い服を着ているのが竹内さん。


なかなか急な話にびっくりしながらも急いで着替えて向かいます。見覚えのある中国人集団に混ざってチェックアウト、空港に着くと電光掲示板を見ます。

 時刻は9時30分。

 目的の便を見つけます。中国東方航空11時55分昆明

 11時55分…⁉︎

 もっと寝かせてくれても良かったのに! もう免税店は見つくしてるのに! そしてまた搭乗ゲートは空欄。

 ただ天気は快晴。

 昆明から上海、成田へと乗り継がなければいけない僕は今までベッドとビュッフェで忘れていた現実に引き戻されました。そういえばチケットって買い直すのかな。



 空港のロビーには他にタジキスタンフットボールチーム、と書かれたシャツを着た一団が疲れ切った様子で座っているのに出くわしました。

 なんだかんだ言って、前日丸一日待たされ続けた僕たちにとって2時間半はあっという間。無事飛行機は昆明に着くのでした。


つづく。

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