僕は机に向かっていて、そのときMacBookAir を広げていた。そのアルミのラップトップは熱を帯びていて、その熱が僕に空調の効き過ぎた部屋の寒さを一層深く感じさせた。やれやれ、また下痢か、と僕は思った。
チームリーダーのタシンが、顔色が悪いけど大丈夫か、と英語で訊いた。大丈夫、少し寝不足なだけだと僕は答えた。僕は腹がはりさけてしまわないように身をかがめて両手で顔を覆い、そのままじっとしていた。
「本当に大丈夫かい?」
「そうたいしたことじゃないよ、ただちょっと寒いのと頭が痛い。」
「そう、君がいいというのなら僕は構わないけれど、君がいま部屋に戻っても僕たちがやるのは報告のミーティングだけだし、それには君がいなくても問題ない。」
とタシンはいった。
「体調が悪いなら元気になった時に働けばいい。」
言われてみれば確かにそうだ、それに誰かにうつしてしまわないとも限らない。僕は荷物をまとめて部屋に戻り休むことにした。
こんにちは、Oceanizeインターンの木内陽翔です。
菊池良さんの「村上春樹がカップ焼きそばの作り方を書いたら」がめっちゃバズってるらしいということでちょっとやってみました村上春樹風。本当だったらもっとおしゃれな比喩とか入ってくるんでしょうね、あと一人ではベッドに入らない。タシンは男なのでちょっと厳しいですが。
先日、風邪をひきました。
先日とか言いつつGWの話なのでもう一ヶ月も前の話です…
日本が祝日ということで、現地のメンバーの仕事が滞りなく行えるかどうかは自分次第!季節の変わり目で体調崩すメンバーも多く、ここが踏ん張りどころと気張ってやってたら連休の飛び地の金曜日に日本サイドのチームが帰ってきたと共に気が抜けたのか急に体調崩しました。
気だるくて頭痛がひどく、悪寒がする。熱っぽいので早退させてもらって薬飲んで寝る。異国の地で薬もなくビビってたのですが風邪に効くから、とグリーンマンゴージュースをもらい新しく来たインターンのたかひろに薬をもらい、なんだかんだとしてもらっているうちに一晩で治りました笑
次の日が土曜日で買い物に行こうと思っていたのですが大事をとって家で休め、と言われ完全に回復していた僕はしぶしぶ自宅待機をしていました。この日は家のネット回線の調子が悪くどうしたものかと建物の中をフラフラしていると階段の先に光が。
その階段のてっぺん、通じる先は…屋上!!
はしごを上がった太陽光パネルの下がお気に入りです。
屋上にはロマンがあります。
耳すまで聖司くんがイタリア行きと図書館での数々のストーカー行為を告白するのも屋上ですし、ガッシュが初めてザケルを使うのも屋上です。ましろがいちごパンツの女の子を目撃するのも屋上なら「未成年の主張」は屋上というロケーションあってこそ成り立つものです。
物語は屋上から始まるのです。
僕が住んでいる建物は6階建てです。周りのビルも同じような高さなので遠くまで見渡せる、というわけではないけれど、屋上というだけで何だかめちゃくちゃ惹かれてしまいます。屋上ってどうしてこんなに魅力的なんでしょうか。笑
周りに何もない、という開放感からなのか少し空気が澄んだ感じがするからかいつもは上がれないという非日常感かとにかく屋上って最高です。しかもちょうどよく椅子とテーブルのセットまで。ここの住人なら誰でも使えるらしく椅子に座ってのんびり読書もできます。
こんないい場所があるならネットサーフィンしなくていいや!ってな感じで午後の日差しの中、のんびり読書を楽しみました。それからしばらく、夕食後30分ほど屋上でぼーっとするのが日課になりました。笑
何もせずただ空を見てぼーっとするのがなかなかいいリフレッシュになったりします。空港が近いので飛行機が定期的に降りてくるのをただただぼーっと眺めています。最近雨が多くなってきたのでやってないのですが…
風邪のくだりでさらっと紹介したのですが、実は一ヶ月前からインターン仲間が増えました!
左から2番目です。念のため
たかひろです!
僕よりも何かと準備万端で熱冷ましの薬をもらえたのは助かりました。笑 そのたかひろ、日本からのお土産に緑茶を持ってきてくれました!
日本から海外へのお土産を持って行こうと思ったら、頼れる味方・JapaneseTea。ドンキでも外人向けお土産コーナーに山のように積まれてる抹茶味。僕もここに来た時には抹茶味のチョコを持参しました。抹茶味最強です。
バングラデシュの人々はインドのアッサム、ダージリンにほど近く国内にはシレットという有名な紅茶の産地があることから紅茶をこよなく愛しています。ちょっとした軽食スタンドみたいなところが街じゅうにあって、コップ一杯5タカで飲むことができます。
紅茶とたっぷりの練乳で作るミルクティを片手におっちゃんたちがたむろしている姿はもはやありふれた日常の風景の一つです。オフィスでもみんな紅茶を片手に仕事をしています。そこに現れた緑茶。オフィスに新たな風を吹き込むかと思われました。
ただ、このJapaneseTea、バングラデシュ人の反応は…
「苦い。」
「うーん、あんまり好きじゃない。」
「草味って感じだね」散々な言われよう。
僕の時も割としっかり苦味のきいてる抹茶チョコだったのですがあまり思ったほど人気がなく、その真相が二ヶ月の時を経て明らかになりました。
バングラデシュ人は油と香辛料で味付けしたかっらい料理と砂糖をそのまま固めたようなあんまいお菓子が好きで辛い食事の後に甘い紅茶で口直しをする人たちです。そんな両極端なバングラデシュの人々には日本の緑茶は口に合わなかったようです(ちなみにスーパーでもGreenTeaを見ることができますが、苦味0です。むしろ紅茶っぽい)。
バングラデシュに緑茶並びに抹茶味のお土産はオススメしません。
じゃあどんなものが喜ばれるのか。実は今週、ビザの関係で一度日本に帰るのですが、そこで思い切って聞いてみました。
「何か欲しいものある?」
すると意外な答えが帰ってきました。
「iPhoneSE」
なんでも、ここバングラデシュでもiPhoneSEは買えるけどインドから輸入しなければならないために元値の1.3〜5倍ほどの値段になるのだとか。アメリカの販売価格に近い値段で買える日本で買ってきて欲しい、とのこと。
洋服や食品、物価の安いこの国にあって、日本のが安いから買ってきて、と言われるようなことがあるとは思いませんでした。iPhoneの他にもMac、canonのカメラ、車は?と言い出す人まで笑
ちなみに僕が使ってるフリクションのボールペンもばかウケ。
「これ超欲しい」「なにこれやばい!」(ベンガル語なので脳内変換)ときゃっきゃきゃっきゃの大騒ぎになりました。あとはお米と箸。お米はパラッパラがスタンダードなので同じ米を主食としながら箸で食事をする日本人が信じられないとのこと。挑戦するのも兼ねて箸が欲しい、と。
そして日本にもお土産を持って行こう、と思った僕は街に繰り出しました。
ローカルマーケットは夜もにぎやか
バングラデシュは今まさにたくさんの果物が旬を迎えています。
50個で1束150タカ。枝ごともらいます。
まずはライチ。びっくりするのはその値段。そんなに安くていいの⁉︎買ったら普通に美味しくてこれもまたびっくりです。ライチが初だったたかひろの「なんかライチってエロくね」がハイライトです。
このマンゴー中身はもうオレンジ。
ライチが終わるとマンゴーの季節がやってくるらしいのですが早いものはもう出回っています。グリーンマンゴーなのか、もう甘いやつなのか、ぼくには見分けがつきません。
まさかの「バナナ屋さん」
そして一番の衝撃はこちら。バナナのみでお店が成り立つってすごくないですか?大小さまざまなバナナは種類によって硬くて調理に適したものや柔らかくとびきり甘いものなどいろいろなんだそう。
ちなみにここまで果物を見てきましたがこれら全て、検疫に引っかかってしまう制限がある食品なので持ち込めません。残念。現地で美味しくいただくとします。ライチとか本当に美味しいです。安いし。
ちなみにローカルマーケットではいたるところに鍋や鉄板一つで調理をする軽食スタンドがあります。各種スナックは5タカ〜20タカほどで買えます。オフィスで食べる朝の軽食にちょくちょく出てくるのですが総じてうまいです。
ホクホクのじゃがいも入りのシンガラ、豆入り三角形のサモサなどなど
そうこうしているとなかなかファンキーなおじさんに会いました。
なるほど。
巷で人気の SuperDryTシャツはバングラデシュでもよく見られます。そしてこちら。東京都。これはどこなのだろうと。そんなおじさんに案内されて着いたのは布屋が集まる一角。色とりどりのきれいな布がもうそこらじゅうにあります。
女性用の民族衣装。柄も色使いも様々です。
布屋のおじさん。
そして飛び込んできたのはミシンで一心に作業に没頭する布屋のおじさん。この作業姿のかっこよさもさることながら、さすが布屋のおじさん。ルンギ、めちゃめちゃかっこよくないですか。それどこで買えるんですか。一人静かに興奮していました。
一通り楽しんでいたらお土産を選ぶのも忘れていました。なんとかなるでしょう。なんとかします。
時差のために今年の誕生日は2時間短縮版でお送りすることになります。ビザを取ったらすぐ、ラマダーンのバングラデシュへ舞い戻ります。お時間合えばお付き合いお願いします!
それでは!
বিদায়!