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留学生インターン体験記「だっぴで感じたこと」

岡山大学の授業として、NPOだっぴに11月~1月の期間でインターンしていた岡山大学大学院の留学生・ハンユーさんとチンさん。岡山大学の吉川先生との振り返りの様子をまとめました。

日本の中学生や大人との出会い

吉川先生:今回のインターンで一番印象的な活動は何でしたか?

ハンユー:私が一番良い印象に残ったのは中学生だっぴの活動です。中学生は子どもっぽいイメージを持っていましたが、社会人と中学生と一緒に話し合ってみて、自分の将来のことをちゃんと考えていて。実際の中学生は私より大人っぽいと感じました。

吉川先生:中学生の方が大人っぽくて、大人の方が童心に帰るって言いますけど、チンさんはどう?そんな場面は中学生だっぴで感じた?

チン:感じました。倉敷市の中学校でアートdeだっぴの活動をして、中学生が「私の将来の夢は世界平和です」と言っていて、とてもびっくりしました。あとは、最後に「これから何をやりたい?」という質問があって、私が入ったグループの中学生が「家族を大切にして、幸せに生きたい」と答えていて、それもちょっとびっくりしました。

アートを活用した中学生と大人の対話型鑑賞のようなワークショップ|NPOだっぴ
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吉川先生:他にも印象に残ったことってありますか?

ハンユー:私は浅野クリニックの浅野院長にインタビューをしました。西日本豪雨災害の時、浅野さんは病気にかかった人やご高齢の方に対して無料で看病したり、町の人たちをいろいろ助けていて、感動しました。

町の人の生活をみんなで支えるかかりつけ医・浅野直さん - 生き方百科 岡山の様々な人の生き方・働き方に出会えるメディア
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吉川先生:コミュニケーションの中でうまくいったこと・いかなかったことはありますか?

ハンユー:友達ができました。たまたま同じ研修日とだっぴ本番に参加していた人で、終わった後に一緒にごはんも行きました。「もし機会があれば、また一緒にだっぴの活動に参加しましょう!」となりました。

大人へのインタビューは緊張した

吉川先生:逆に何かうまくいかなかったことは?

チン:分からない専門的な用語が出たとき、あとから調べればいいと思っていましたが、記事を読む中高生のことを考えると、インタビューの中で分からないことを聞いた方がよかったと思いました。インタビューをするのは私ですけど文章を書くのは他のライターの方です。私が詳しく聞いておかないと、書く人が大変だと思うので。

ハンユー:中高生が記事を見て、仕事に対して興味が湧いたり、将来はこんな仕事をやりたいと思えるように、取り組みました。インタビューでは、質問に対して色々と話をしてくださったので、その内容をまとめつつ、さらに深く質問したらいいなと思っています。

チン:緊張しててうまく言葉にまとまらない感じもありました。相手にとっても無駄な時間にはしたくないので、うまく質問できるように進歩したいです。事前に用意した質問でも、進行具合によってはタイミングを見計らう必要があり、そこが難しかったです。

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「叶うかどうかわからないけど」と言う中学生

吉川先生:日本社会についての見方が変わった場面がもしあったら教えてください。

チン:中学生が何か夢を答える前に、「絶対できないけど」「叶うかどうか分からないけど」と言うのです。まだ中学生ですし、そんなに決めつけなくてもいい感じがしますけど、夢を話すのが恥ずかしいかなと思います。周りの人から「できるよ!」と励ましの言葉をかけてもらいたいですね。

志学:「叶うかどうかわからないけど」を枕詞的に使ってるっていうのはあるかもしれないですね、今の自分に自信はなくて、やりたいけどできるとは思ってないという矛盾した感情を説明しようとしたときに。

チン:他に参加した中学校のだっぴでは、男の子より女の子の方が自己評価が高いというのが面白かったです。「今の自分に対して何点をつけますか?」というテーマで、女の子は大体90点か100点をつけていましたが、男の子は50点や60点でした。ちなみに、同じグループの大人たちはほぼ100点でした。

母国と日本の違いとは

志学:中国や台湾でのお二人それぞれのご経験と比較して、お二人が見た日本の中学生の悩み具合って母国のそれと違いますか?

ハンユー:全然違います。中国だと、中学生たちは試験の点数を気にすることが多いので。

チン:日本の中学生は専門学校に行くことも選択の一つだと思いますけど、台湾では専科の高校の合格ラインは普通の高校よりも低いので、専科の学校は頭が悪いとか、成績が悪い子がたくさんいるという印象が持っている人もいます。でも、日本人の学生は物を作ることが好きで将来は工業科に行くと答えた中学生もいて、その点はとてもいいと思いました。

吉川先生:手に職をつけることを積極的に推進してきた歴史的背景もあり、岡山県には専門科の高校が多いんです。日本の教育全体を構造的に見たとき、専門科の方が普通科に対して劣るという意識があることも否定はできませんが、専門特化して学びたいと考える優秀な生徒が集まっている要素もあります。

吉川先生:中国や台湾では、いつ頃から大学に進学しようかを考え始めるのですか?

チン:ほとんどの場合、大学に進学します。将来何をするかを決めるのは、共通テストが終わって点数が出て、私がどの大学の何科に行けるかを決めてからから考え始める人が多いです。だから大学に入ってから自分の将来を考え始めた人もたくさんいると思います。

吉川先生:中国や台湾の中学校・高校では、キャリア教育みたいな機会はあまりない?

ハンユー:全然ないです。小さな頃なら、親や親戚から「将来の夢は何」と聞かれるかもしれないんですけど、将来は何の仕事をやりたいかは全然分からないものです。今の私もそうです。

チン:ありますけど、少ないです。私は1回だけ、グループで大人にインタビューする授業がありました。グループの中の誰かの両親にインタビューするというもので、私の場合は私の母にインタビューしました。

さいごに

吉川先生:最後に改めて、だっぴで活動してどうでしたか?

ハンユー:中学生だっぴで実際に社会人の方と話し合って、色んな職種を知って、自分にも役に立ちそうです。中学生にとっては絶対意義があると思っています。もし、機会があれば、北京でも(笑)

チン:今の中学生がどんなことを考え、どんな夢を見ているのかを理解する機会があって、とても嬉しいと思います。より多様な生き方が許される時代に変化した今、中学生たちにとっても、私にとっても、このような機会を通して、この世の中には異なる生き方がたくさんあるから、自分のなりたい姿になってもいいことが伝わればいいと思います。

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