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なにをやっているのか

2022年の実証実験でフードバンクに寄付された神奈川県三浦半島産の青首大根
同実証実験で青首大根を運ぶ代表の木戸
わたしたちは、こどもの機会格差を解消することを目的に、フードバンク*事業とネットスーパー事業の立ち上げに取り組んでいるスタートアップ企業です。2022年6月に創業し、実証実験を経て、2023年度中に両事業を本格稼働させるほか、地域の企業・団体と連携し、こどもたちがさまざまな体験をすることができる場を立ち上げ、食や体験の格差に苦しむこどもがいない、やさしい社会の実現を目指します。 *こども食堂、フードパントリー、こども宅食など、困難を抱えたこども・子育て世帯を支援する活動に、寄贈食品をつなぐ事業

なぜやるのか

寄贈された大根を調理するため、こども食堂で書かれたメモ
完成した料理の一部
【こどもの貧困】 こどもの機会格差の主な要因として、所得の貧困があります。 2018年の国民生活基礎調査によると、相対的貧困(所得中央値の半分以下)の環境下で育つこどもの割合は13.5%であり、約7人に1人のこどもが貧困状態にあります。また、ひとり親家庭の場合は、その割合は48.1%まで増加し、約2人に1人のこどもが貧困状態に相当します。 貧困状態にあるこどもの中には、満足に食事ができないこどももおり、特に給食のなくなる長期休暇には、こども支援団体への食支援のSOSが急増します。 【日本の食品ロス】 一方で、日本では毎年多くの食べられる食品が廃棄されており、その量は2021年度には523万トン*と推計されます。これは、国民1人が毎日おにぎりを1つ捨てているほどの量です。 *農林水産省及び環境省「令和3年度推計」 満足に食べられないこどもがいる一方で、大量の食べ物が廃棄されている現状を変え、廃棄ではなく寄贈による支援がスタンダードになれば、多くのこどもの機会格差をなくすことができるのではないか、そう考えてネッスーは活動を開始しました。 【フードバンク活動の課題】 SDGs達成への貢献意識の高まりにより、食品ロスの削減に積極的に取り組む企業も増えてきています。その削減方法の1つとして、フードバンクへの寄贈が広がってきました。 2022年9月の物価・賃金・生活総合対策本部で、岸田総理が賞味期限内食品のフードバンク等への寄附促進を指示するなど、政府もその動きを後押ししています。 しかし、企業が廃棄している食品の中に、まだまだ多くの寄贈可能な食品があると言われており、企業のサステナビリティ担当の方にヒアリングすると、さまざまな課題から寄贈に踏み切れない現状がわかってきました。 ネッスーとしては、その課題を以下の4つに整理しています。​ 1. 寄贈の際にかかる物流費が高く、多くの量が寄贈できない 2. 寄贈先とのマッチングに、多くの人手がかかり、業務負担が大きい 3. 受け入れ側の設備や人員体制の問題で、多くを受け入れてもらえない 4. 安心・安全な寄贈を実現するために必要な要件がわからない 【物流とマッチングの仕組みづくり】 そこで、ネッスーでは、上記課題1~3に注目し、物流費とマッチングのコストを削減する仕組みづくりに取り組んできました。 仕組みのポイントは、以下の2つです。 ・既存の食品流通網を活用した、寄贈食品の流通 ・寄贈プラットフォームでの、デジタルなマッチング 2022年度に、さまざまな企業、団体と連携してこの仕組みの実証実験を重ね、本格稼働の体制が整いました。今後、この仕組みを全国に展開させることで、食支援を通じて食の貧困を緩和し、機会格差の解消に取り組んでいきます。

どうやっているのか

実証実験を経て、今後全国的な展開を企図しています
社会課題を解決する新しい事業を構築するためには、数多くのステークホルダーが存在する既存の仕組みとの調整が欠かせません。 ネッスーでは、以下の3つのバリューを大切にしています。 ・誠実さ(Integrity) ・公平さ(Fairness) ・覚悟(Determination) 事業を進めるうえでいかなる壁にぶつかったとしても、問題に誠実かつ真摯に向かい合い、公平さを持って判断し、覚悟を決めて最後まで解決策を考え抜き行動する。そのようにして、あらゆるステークホルダーの信頼を得ながら、「こどもの機会格差の解消」というビジョンの実現に向けて、着実に事業を進めています。