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ユーザーの文脈理解が何より大事。「nana」のマーケティング担当者が考えるやりがいとは?

nana musicには様々なキャリアを歩んできた仲間が集まっています。「『nana』な人々」では、多彩なnana musicで働く人たちの素顔に迫っています。

今回は、マーケティングユニット長であり、「nanaるday」プロデューサーの小泉の登場です。10年間働いた会社を辞めてnana musicに入社を決めた理由や「nana」のマーケティングの難しさ、これから成し遂げたい目標など、詳しく聞いていきます!

前職で出会った「nana」ユーザーのキラキラした笑顔

ーー小泉さんはどのようなきっかけで「nana」を知ったんですか?

私が前職の音響機器メーカーでマーケターとして働いていた頃、発売からかなり年数が経って落ち着いていた録音機器が、急に売れ始めたんです。「これはなんだ?」と調べたら、どうやら「nana」というアプリのユーザーに人気になっているらしいとわかったんです。

せっかくなので、その製品に「nana」のステッカーを貼って、お墨付きもらってる感を演出しようと考え、nana musicに連絡を取りました。お墨付きをもらうことに成功した後も関係は続き、「うまく録音できず困っているユーザーのためにセミナーをやってくれないか」と相談がきて、僕が講師をすることになったんです。

ーーなぜマーケターの小泉さんが講師をすることになったんですか?

僕がやりたい仕事だったんで、お願いされた瞬間に自分で決めました(笑)

もともと録音セミナーや音響機器のデモンストレーターをたくさんやっていまして。前職の前は、ライブハウスのブッキングマネージャーやレーベルプロデューサーとして働いていました。今もレコーディングエンジニアの端くれですし、ずっと音楽関係の仕事をしてきたんですよ。

音響機器メーカーに入ったのもデモンストレーターからの流れで、音を録音する楽しさを、より多くの人に伝えたかったからです。入社してからも何度かセミナーの講師を務めていたので、たぶん誰も異を唱えることはないだろうと(笑)

ーーそうだったんですね!講師をしたときのことって今でも覚えていますか?

もちろんです!セミナーでは、録音のテクニックについて、本当に基礎的な話をしたのですが、みなさんものすごく喜んでくれました。音楽畑、録音畑の人間からしたら、決して高度な話をしているわけじゃありません。でも、新しい世界に出会ったような、キラキラした笑顔を見せてくれました。その光景は、今でも鮮明に思い出せますよ。

ポテンシャルに惹かれ、10年勤めた会社を去った

ーーなるほど!そこからnana musicに入社しようと思ったのはどうしてだったんですか?

メーカーがプロモーションせずに売れてしまうだけの規模、録音を心から楽しんでいるユーザーを目の当たりにして、「nana」に惹かれたんです。たった一つのアプリが、これだけ音楽に触れるきっかけをつくっていることに、高いポテンシャルを感じました。

「nana」では、プロとかアマチュアとか気にせず、ユーザーが音楽を楽しんでいる。僕が音楽に対して抱えていた悩み、「音楽ってもっと自由じゃなかったかな」という想いを吹っ飛ばす自由な世界があったんです。「自分もその世界を広げる担い手になれたらいいな...」と思うようになりました。

あともう一つ「nana」の謎を解き明かしたかった。アプリ系のビジネスに詳しくなかった僕でも、「広告入ってないのにどうやって儲かってるの?」って不思議で仕方なかったので(笑)

ーーCOOの細野も入社前に同じ疑問を持ったと話してましたね(笑)とはいえ、10年も働いた会社を離れるのは勇気がいりませんでしたか?

僕はこれまでの仕事でも何かを残してから転職するようにしていて。前職の会社は世界に販売ネットワークを持つ創業65年の老舗録音機器メーカーで、骨を埋めるというプランもあったんですが(笑)、ちょうど10年が経ち、一定の成果は上げられた実感があったんです。どうしようかなと真剣に検討し始めたとき、ちょうど飛び込んできたのが、nana musicの買収についてのニュースでした。

タイミングがあまりにもピッタリだったので、思わずnana musicの方に連絡を取ったんです。「人足りてます?」って聞いたら「人が足りない」と。「転職するって言ったらどうします?」と直球で伝えました。

“プロフェッショナル”と呼べる仕事をしているかどうか

ーー今はマーケティングユニット長として、セールスやマーケティングなど、複数の領域を統括されていますよね?

そうですね。セールスに加え、ユーザーとのコミュニケーションを担うユーザーリレーションチームのマネジメントも担当しています。

数値目標に対する責任を取る、スムーズに進捗しているか確認する、必要なルールやフォーマットを整えるなど、チームが目標に向けて走るための“箱”をつくるのが私の役割です。

ーー“箱”をつくるということは、あまり細かくマネジメントはしない方針なんですか?

1から10まで決まったプロセスでやってくださいという指示はしません。ただ、それぞれが「プロとしての意識を持って仕事をしているか」は細かくみるようにしています。

個人的なプロの定義は、誰かに何かを与えて喜ばれること、その使命を負うことだと考えているので、仕事には必ず自分以外の第3者が介在します。相手のためはもちろんですが、誰もが認めるクオリティを出すためには、相手は気づかない細部へのこだわりや、技術と思考の積み重ねが重要だと思っています。

常に完璧な仕事をするという意味ではなく、細かい部分まで、自分だけでなく相手の目線に立って、考え抜こうとする姿勢を持っていてほしい。それさえあれば、お互いプロとして信頼して仕事ができると思っています。

また、この規模の組織だと、マネジメントだけやるのは難しいし、何より僕も面白くない(笑)自分で思いついた企画を形にするのも大好きなので、“プレイングマネージャー”でいたいですね。

ーー入社前に「どうやって儲かってるのか謎だった」と言っていましたが、実際入社してみてどうでしたか?

謎はすべて解けましたが企業秘密ですね(笑)ひとつ言うならば、事業としての形をつくっている真っ最中だった。入社した時から中の人たちも、日々「どうやってマネタイズするか」を必死で試行錯誤してました。

マーケターとしても想像以上にチャレンジングな環境です。こんなに読めないサービスもなかなか少ないのではないかと。「nana」は独特な世界観が出来上がっているサービスなので、その文脈を理解していないと、既存ユーザーのインサイトやニーズは掴めないし、新たなユーザーへの訴求もできません。

「歌って聞いてもらうのが楽しいんでしょ」みたいな薄い理解で仕立てたストーリーを提供しても、全然届かない。今でもまだまだ理解が甘いなと思うことがよくあります。人と人のコミュニケーションや、一緒にコラボをしていくワクワク感など、ユーザーさんが生み出してきた世界観をしっかり理解した上で、施策につなげるようにしています。

転職しても仕事を通して成し遂げたい目標は同じ

ーーなるほど...!謎は解けなかったけれど、挑戦できる場が沢山あったんですね。これからnana musicで成し遂げたいことはありますか?

音で人と人がつながる「nana」の世界観を、もっと多くの人に知ってもらいたいですね。今の世界観の良いところは残しながらも、スケールを広げていくために、新しい世界、つまりは人や企業といった社会との“コラボ”を起こしていくのが僕の役割だと思っています。

より個人的な目標としては、nanaを通じて録音や音楽制作を楽しむ人を増やしていくこと。これは前職も含めて同じです。

ーー活躍するステージが変わっても、小泉さんのやりたいことは変わらないんですね。

そうですね。専門学校を中退して就職の道を進んだときから、仕事選びの基準は、自分のスキルが一番役に立つかどうか。「nana」をスケールさせて楽しむ人を増やしていくことは、前職や音楽の世界にも良い影響を与えると思うんです。

だから、あまり前職を辞めたという意識はないんですよ(笑)nana musicで働いていても、自分が関わってきた人たちを思い出して、「何か新しいことが生まれそうだな」ってインスピレーションが生まれることもありますから。これまでのつながりも大事にしつつ、新しい世界を切り拓いていきたいですね。

ーーこれからどんな“コラボ”が生まれるのか期待しています!

「大好きな音楽で人の役に立ちたい」という自分なりのビジョンを持って、“謎だらけ”だったnana musicに飛び込んだ小泉。

「『nana』のマーケティングは本当に大変ですよ」と心底嬉しそうに話す笑顔からは、彼のユーザーへの想い、何より忙しくも充実した日々を過ごしていることが伝わってきました。

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