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メーカーにも大手技術者派遣にもない「仕事のやりがい」を生み出していくマイスターエンジニアリングのこだわり

東証2部上場で、ファシリティメンテナンスやメカトロニクス関連の技術サービスを手がけてきた当社、マイスターエンジニアリング。

2019年11月に代表の平野が主導したMBOにより株式を非公開化し、第二創業期として新たな一歩を踏み出しました。

株式を非公開化した狙いは、短期的な収益にとらわれず、中長期的な視点で積極的な投資をすることです。その中でも特に重要なのは人への投資です。

第4次産業革命と言われ、グローバル競争が激しくなる中、メーカーの水平分業はますます加速し、日本のものづくり業界はここ数年で大きく変化してきました。

大手の技術派遣会社は二桁成長を続けています。

そのような中、従来の延長線上の経営では大きな成長はできません。メーカーにも大手技術派遣にもない独自の強みを磨き上げ、大きな改革を実現したいのです。

この思いが非上場化の狙いです。

常務として事業部門長を務める古谷敏之は、これまで30年以上ものづくり業界でキャリアを積み、業界の変革を内側から見てきた一人。自分が見てきたこと、経験してきたことを、これからものづくり業界に飛び込む学生たちに伝えています。

今回は古谷に、普段学生たちに説いている業界の変化や、技術者派遣業界における当社のポジショニングについて話を聞きました。

大手メーカーは水平分業、ファブレス化が加速、

技術アウトソーシングビジネスが今後益々伸長

「ものづくりの業界には今、第四次産業革命が起きています。」

日本の大手メーカーに35年勤め、国内・海外拠点の工場長・社長を歴任してきた古谷は、メーカーの未来に強い危機感を抱いています。かつては技術者にとって憧れだった大手メーカーも、グローバル競争の中、事業の撤退、構造改革(リストラ)を頻繁に実施してきました。そのような時代に成長してきたのが、アウトソーシングビジネスです。

「今、特にメーカーは10年先が見通せない時代です。日本の大手メーカーは韓国、中国、台湾などの外資メーカーとの競争に苦戦、液晶や半導体など様々な領域で撤退を強いられ、技術者をリストラしてきました。

今ではバリューチェーンの大半をアウトソーシングし、研究開発と販売だけを行う『ファブレスメーカー』へシフトするメーカーも多くなっています。

そのような時代の流れの中で、ニーズが高まってきたのが私達のような技術者派遣ビジネスです。これからの時代に様々な技術を磨きたいなら、メーカーよりも、実際に様々な開発や技術サービスを行う技術者派遣の世界に進むのが賢い選択と言えるかもしれません。」


業界構造だけでなく、ものづくりの現場にも大きな変化が訪れています。これまでの開発は技術と経験が必要だったため、ベテランが重宝されてきましたが、今は若手人材が現場に求められていると言います。

「労働力人口が急激に減少していく日本では、作業の効率化はものづくりの必須項目です。そのため工場では、新しい検査装置や開発ツールが次々に登場しています。それにより、難しいメカニカルが分からなくても、比較的簡単に開発できるようになってきました。

しかし、従来の技術を習得してきたベテランの技術者にとって、新しいツールを使いこなすのは難しく、むしろ若手の方が新しいツールとの相性がいいのです。

若い技術者が新しいツールをすぐに使いこなして、現場で活躍している姿が目立ちます。

次々と新しい技術が導入される中で、一つの高度な技術を覚えるよりも、新しいツールに早く順応する能力が求められており、若い方が活躍するチャンスが増えているのです。

私達が若手人材を積極的に採用しているのは、そのような背景でもあります。これからの時代にあったものづくり組織を作りたいと思っているのです。

現在、当社のメカトロ部門での社員の平均年齢は30歳を切っています。

メカトロ部門での業務請負のウエートは全体で75%、機械設計では約9割。

大手の技術派遣会社では9割が派遣


大手のメーカーがファブレスメーカーへとシフトしていくなかで、市場規模を拡大してきた技術者派遣業界。成長中の業界ではありますが、その中で当社はまだ中堅的な存在です。業界には大手の派遣会社も多く存在し、組織の規模では勝てないものの、「大手にはない魅力がある」と古谷は言います。

「派遣会社の仕事には、技術者をクライアントの工場に常駐させる『派遣』と、業務そのものを請け負う『請負』があります。私たちは、メカトロ全体の75%が請負で、機械設計では約9割の案件が請負です。

大手の派遣会社は、大半が2000~3000社以上のクライアントを抱えており、どの会社に派遣されるかは宝くじに当たるようなもので、お気に入りの会社に行くことは難しいと思います。特に、若手の経験のない技術者は厳しい状況です。

また、派遣元(技術派遣会社)の都合で人事のローテーションができません。

メーカー(派遣先)の社員の指示通り業務をしていくのが派遣です。

一方、少数のクライアントで売上げをつくっている当社では大半の社員が当社と信頼関係を築いた大手メーカーの業務を担当します。

 (主要20社で売上の80%を占める:ものづくり事業(装置製作)を除く)

また、当社の請負では、派遣と違い人事権は当社にあります。

例えば、経験のない機械設計の新卒などは請負で実践教育を行いつつ育てていきます。

また、他の業界や職種を経験したいという者には計画的に引継ぎ等を行い、ローテーションを実施します。

柔軟に社員の特性・キャリアプランに合わせて配属できるのが、当社の強みと考えています。

さらに、請負は業務を任されているため、自ら主体的に考え、業務を効率化しようという

思いが働きます。自分たちで作業を効率化するシステムを開発し、社内にノウハウを蓄積していけば、改善の楽しみ、儲かる楽しみを味わえるビジネスとしての強みがあります。

当社はファシリティの事業からスタートしており、主体性と顧客視点をベースにした請負は私たちの事業文化です。

請負はクライアントとの信頼関係が重要です。私たちも初めは社員を派遣しながら技術をマスターし、徐々に信頼関係を築いてきました。

従って、多くのお客様から長期に渡って安定した業務を任せて頂いています。

もちろん、今は新しい技術にどんどん挑戦していますし、技術請負の実績の中でたくさんのお客様からもお声をかけて頂けるようになりました。

従って、フィールドエンジニアの分野では派遣も3割から4割程度あります。最新の技術は派遣から入り、技術をマスターする中で将来的には私たちが主体的に業務を任せて頂くという形を目指しています。

もう一つの特徴はものづくり部門を持っていることです。(メカトロ部門売上の3割)

私達のものづくりは最先端の画像認識技術を駆使した画像検査装置やロボットを応用した自動化設備の開発制作です。

長年にわたる設計、生産技術、フィールドサービスの技術をベースにものづくり部門はすでに15年の実績があります。

特に、食料品関係の異物検査装置は国内から高く評価されています。最近では人手不足の中でロボットと最先端の画像カメラを組み合わせた案件がとても多いです。

その中での最大の特徴は最先端の画像カメラを使いこなせる技術者が25名も在籍しているということで、一般の装置メーカーにはまねのできない特徴です。

更にはファシリティ事業やコンテンツ事業と連携した他社にないフィールドサービスができるのも当社の大きな特徴と思います。

このように私たちは技術アウトソーシング業界において他社にない非常にユニークな特徴を持っており、社員もやりたい仕事、自分に合った仕事をみつける為、主体的に様々な職種を経験できるチャンスがあります。

社員ひとりひとりを主人公にするため、積極的に教育に投資

業界に大きな変革が起きている中で、大手の競合と明確な差別化を図っている当社。その背景には、個人が主役になるというキャリア観があります。

「私が社会に出た頃は終身雇用でメーカー全盛期、会社に就職し、大過なく定年まで過ごす時代でした。しかしながら今は10年先が読めない時代です。メーカーはいくら大きくとも

グローバル競争で負ければなくなります。会社そのものがなくならなくても携わってきた事業はどんどん変わります。

技術者として同じ製品技術を長期に渡りやっていたのではリスクが大きくなる時代です。

また、自分に向いている、やりたい仕事を見つけられなければ成長も鈍化し、やりがいも薄くなるでしょう。やりがいを求めて転職する人が増えています。

技術者は会社に就職するというより技術・職に就職するというイメージが強くなっている気がします。

だからこそ当社では、社員一人ひとりが自分のやりたい仕事を見つけて、その仕事で社会に貢献することを重要視しています。採用時には適正を見るテストを行い、その結果を見ながら適切な仕事に配属するのです。一人ひとりのキャリアプランを考えながら、それぞれに合ったキャリアを選べるようにしています。

当社ほど幅広くキャリアを選べる会社はそうないでしょう。

今でこそ新卒の採用と教育に並々ならぬ力を入れている当社。しかし、数年前まではそんなことはなかったと古谷は語ります。

「最初にもお話した通り、メーカーの役割が変わったことで技術者派遣のニーズは高まり、ここ数年で市場全体が成長を遂げています。しかし、競合他社が続々と成長しているのに比べ、私達の売上はほとんど伸びていませんでした。

人への投資が十分でなかったことが一番の要因と思います。

会社のビジョンも明確なものはなく、積極的に新卒の採用や教育も行っていませんでした。3年前は社員の満足度も低く退職率も高かったので、ネット上ではひどい口コミも書かれていました。

そんな状況を変えたのは、今の社長の平野がこのマイスターエンジニアリングに入社してからです。

次々とビジョンを打ち出し、ここ2~3年は人への投資を積極的に行ってきました。

その結果メカトロ部門の売上は順調に伸びています。

ここからは、非上場化をきっかけに、飛躍的な成長に向け、従来と次元が異なる積極的な投資を行う予定です。

人への投資の一環として行っているのが、入社5年目までを対象に年に1度行われる2日に渡る研修。入社から5年間は、入社同期を全国から集め大規模な研修を行います。わざわざ仕事を止めてまで大規模な研修を行う理由について、古谷はこう語りました。

「研修を行うのは会社の文化を作っていくためです。会社のミッションやビジョンを作っても、それが社員に浸透しなければ意味がありません。研修では経営方針など、会社が進むべき道を共有しており、それが徐々に社風として浸透してきています。実際、入社を決めた学生に当社を選んだ理由を聞くと『社風に惹かれました』と答える学生が多いと思います。社内の文化が徐々に醸成されてきているのを実感しますね。

研修のもう一つの目的は社員のキャリアを見直すことです。研修には部長も参加して社員たちと面談をします。今の仕事が向いているのか、やりがいを持って働けているか確認してもらっています。もしも、今の仕事に向いていないと感じるなら、計画的に引き継ぎをしながら、別の仕事に移ることも考えなければいけません。

加えて個人的に研修で大事にして欲しいと思っているのは、同期のコミュニティを作ること。何度も言うように、これからは個人が主役になる時代。社内で一生の友を作れれば、もし会社を辞めたとしても、個人の関係は続いていくでしょう。いずれは仕事で協力しあえる機会もあるかもしれません。もちろん当社で長く働いてもらうのが嬉しいのですが、会社を辞めた後も活かせる関係を当社で作ってもらえればと思っています。」

古谷の話を聞く中で、大きなビジョンを描きながらも、社員一人ひとりの人生をケアする繊細さを感じました。私達と一緒に日本のものづくりを支えていきたいと思った方は、ぜひ一度お合い話してみましょう。

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