なにをやっているのか
材料の特性を調べるための“試験片”
皆さんが今見ている「スマートフォン」や「パソコン」、座っている「イス」、通学に使う「乗物」、そして通っている「学校」、毎日眠りにつく「家」も…すべての「もの」は「材料試験」を通して作られています。その材料試験を行っている研究機関向けに試験片の加工や、試験ツールの製作を担うのが当社の主な事業です。
まだ少しイメージが湧かないかもしれないですね。それでは「材料試験」がない世の中を想像してみることにしましょう。「どれだけ錆びやすいか」という試験がなかったら…。錆びて欲しくないキッチン周りのシンクや包丁などの金属製品、船に用いられる部品がサビサビに…。どれだけ力が加わったら壊れてしまうか調べるための「曲げ試験」や「引張試験」をしなければ、イスは座れば壊れ、自動車はシャフトが曲がって走れなくなり、橋や建物も傾いてしまいます。「材料試験」は私たちの安全・安心な暮らしを支える「ものづくりの最初の一歩」なのです。
なぜやるのか
飛行機に革命を起こしたCFRP(カーボン)
造船大国日本を支える溶接構造材
1950年創業、68年以上に渡って「ものづくり」を通して社会貢献するという想いで「材料試験」に関わる仕事を専門にしてきました。「最先端の材料」や「未知の材料」を扱うため、技術を磨き続けてきたことが当社の強みであり、またこれからも社会のために技術を磨き続けていきます。そして、こうして培ってきた技術が役立つ機会があれば積極的に挑戦しています。例えば、大田区で始まった「下町ボブスレープロジェクト」では「日本にはない海外製材料」から「ランナー」と呼ばれるソリの刃を加工するお手伝いをしました。その他、ANAさんと共同で小中学生に仕事紹介をするイベントの企画・運営にも携わっています。昨年の代表交代を機に、これまでの勤務条件を見直して、1日の勤務時間を短くし、年間休日を増やすなど、より働きやすい環境づくりにも力を入れており、お客様やエンドユーザー様だけでなく、社員と社員の家族、みんなの幸せに貢献できる会社を目指しています!
どうやっているのか
「手感覚」を養う汎用機械
CAD等の最新設備も活用
加工製造するための工作機械の取扱いを覚えることがスタートです。まずはフライス盤と呼ばれる汎用機械を使います。手の感覚で動かす機械で、穴を開けたり、削ったりする時の感触を覚えます。「未知の材料」を加工することもある「試験片」の業界ではここが大事なポイントです。どんな手応えがあるか、どういう手応えの時はどんな工具をどういう風に使えばうまくいくかを学んでいきます。先輩たちも優しく教えてくれますし、外部のセミナーなどで勉強する機会もありますが、ここで身につけた「肌感覚」が、ものづくりスキルの基準になるので、じっくりと噛み締めて自分で納得しながらステップアップしていきましょう。
加工の感覚がある程度身についたら、ワイヤー放電加工機やマシニングセンタなどのコンピューター制御で自動運転するタイプの機械の扱い方を覚えていきましょう。コンピューター制御と言ってもそれほど難しいことはありません。汎用機で身につけたあなたの「感覚」をコンピューターに教えてあげるという感じです。コンピューター制御の機械を使うのに当たって、CADを用いて簡単な図形を描く練習をします。自動運転の機械を覚えるとぐっと作業効率があがります。自分の「感覚」で機械がスムーズに加工してくれるのを見ると最初の汎用機で学んだことが生きていると実感できますよ。
汎用機と自動機の扱いにも慣れてきたら、CADをもう少し踏み込んで学んでいきましょう。当社の自動機で使うCADは2次元の平面が主ですが、3次元で立体的に形状をモデリングする技術を身につけていただきます。材料試験に用いる道具の設計をしたり、試験片の形状をモデリングしたりします。加工現場を知らない人が設計したものは「こんな形作れないよ~」という形になることもよくありますが、加工の経験があるからこそ「現実的」な設計ができます。また平面的な図面ではイメージが湧きにくいお客様と商談をする時にも3Dの分かりやすいイメージ画像をお見せすることで喜んでいただけます。
ここまでくればあなたは「設計から加工まで」ものづくりの最初と最後までを一貫したスキルを持ったエキスパートです。どこに行ってもあなたのスキルは通用するでしょう。その後の進路も、職人としてものづくりを追求する道を選ぶことも、技術営業職としてその知識をフル活用した営業の道を選ぶこともできます。