同じ商品でもデザインの変更により売り上げが大きく変わったというのはよく聞く話だ。しかし日本の会社ではまだまだデザインへの理解度が低く、上流工程から事業に大きく関われないという状況が目立つ。
対して弊社CDO(チーフデザインオフィサー)である原田は経営陣と対等に意見を出し合い、上流工程から中長期的な目線でのデザインを提言している。今後こうしたCDOもしくはCXO的立ち位置のデザイナーは増えていく。
そこで今回は弊社CDOの原田にモスティープレイスでの自身の立ち位置やモスティープレイスでデザイナーをやる意味や魅力を語っていただきました。
ーデザイナーになったきっかけは何ですか?
実を言うと僕はデザイナーではなく、エンジニアリングから入っているんです。大学生のときに当時流行っていたプログラミングをとりあえずやってみようというくらいの軽い気持ちで始めました。実際やってみると今までやってきたネットビジネスとか、大学のサークル活動とかよりも楽しかったんですよね。
それがきっかけでプログラミングを続けるに連れ、デザインとかもあるということを知り、本格的にプログラミングとデザインに携わりたいと思い始めました。
その当時友達にweb制作会社の人を紹介してもらって、エンジニア兼デザイナーとしてインターンを始めました。これがデザイナーになった入り口ですね。
ーエンジニアとしての道は考えなかったのですか?
もちろん考えはしました。けどエンジニアって結構若い時からやってる人が多くて、これから本格的に始めるってなった時に同じ土俵で戦えないなと思ったんです。今後自分がインターネットの世界で勝負していく上で、自分の市場価値を考えた時にデザイナーとしての方がレバレッジが効き、これから活躍できると思ったんです。まあここは結構冷静に考えましたね(笑)
ーモスティープレイスに入った理由は?
yentaというマッチングアプリ経由で籔本と出会ったのがきっかけです。
僕は当時、大学在学中に学生起業して月に数十万円の流通を作っていました。しかしそこから突き抜けることが出来ず、事業自体も伸び悩み、またメンバーが大学生ということもありチームとしての方向性がぶれていたので、チームを解散せざるをえなくなりました。
ですがその当時はweb制作会社でのインターン経験1年半と学生起業で1年半のスタートアップ経験があり、学生にしては色々な経験がある方だからなんでも出来るんじゃないかという自信があり、起業しようか、フリーのデザイナーとして働こうかなど色々考えていました。
色々な人に相談してアドバイスをもらっていたんです。その中の一人が籔本でした。
ー起業、もしくはフリーデザイナーとして働こうと思っていたのに、なぜモスティープレイスへJOINしようと思ったのですか?
当時はどちらかというと起業に対する熱量の方が高かったため、yentaでマッチングした籔本にも相談をしたんです。実際に話を聞き、籔本自身の数億円での事業売却経験や有名なエンジェル投資家が株主としてついていることなど起業を考えていた自分には魅力的な話ばかりをしてくれました。
また、何よりも僕のデザインを買ってくれていていたこと、新しい事業をたくさんやっていきたいという話から自分の考えていた方向性と合っている気がして興味を惹かれました。
最初は週3くらいでいいよと言われ、モスティープレイスで仕事を始めました。この時はまだ、自分で起業するという目標は捨てていません。
でも実際に2週間程度働いてみて衝撃を受けたのが、朝礼をしている最中に“この人達は何を言っているんだ?”と彼らが話している言葉を理解できなかったことがあったんです。1年半の学生起業経験があるにも関わらずですよ。この人達の会話を理解できないんじゃ自分は起業なんて出来るレベルではないのだと痛感したので、もうちょっと頑張ろうと思いすぐにフルタイムで働き始めました。
ーモスティープレイスでは現在7つのメディアを運営していますが、メディアをデザインする楽しさはどんなものがありますか?
そもそもメディア事業自体がデザインへの投資がされてないドメインだと思っています。例えば、メディア業界で大手と言われるようなメディアたちもそこまで大きなデザインの違いはありません。
でも例えばdely株式会社が運営するメディア『クラシル』がレシピ動画フォーマットを作りましたよね。あの動画が爆発的に人気になり、今では色々なサイトが真似するようなフォーマットになっています。同様にメディアのweb領域ではクラシルのレシピ動画のような次世代フォーマットを生み出せる余地がまだまだあり、既に普及しているフォーマットを新しくする面白さがあるのではないかと思います。
他にも、メディアのブランド作りというふわっとしたものへの挑戦が出来るのは相当面白いと思います。特にメディア事業は似たようなサービスがたくさんあり、読者からすればどのメディアも大きな違いは感じられないと思います。
こうした読者に自社のメディアを選んでもらうためには、やっぱりファーストインプレッションで“このメディアなんとなく好きだ”と思わせることが大事なんじゃないかと思うんです。『世の中にありすぎるからこそ、選んでもらう理由をどうやって作るのか』という楽しさが、メディアのデザインをする醍醐味だと思います。
ー他の会社ではなく、モスティープレイスでデザイナーとして働く意味はどんなものがありますか?
いくつかあるのですが、まず1つめは事業を見れるデザイナーになれるということです。私はこれまで事業とデザインの関係性についてずっと追求してきたので、どういうデザインがどう事業に響くのか、ある程度は理解しているつもりです。同様に、モスティープレイスでデザイナーとして働き続けることで、そのデザインが事業にインパクトがあるのかを考えられるようになります。
2つめは、伸びている事業のデザインが出来るということです。デザイナーの中には、ずっと同じフェーズの同じようなデザインをしている人も少なくありません。ユーザーが多く付いていないサービスのデザインをずっとやっているなんてこともよくある話です。でもありがたいことに、弊社には0-1をやって、1-10をやって、10-100まで伸ばせる人がいます。こうした全フェーズの事業があるので、様々なフェーズのデザインに関われることができます、これってあんまりない経験だと思うんですよ。
3つめは経営陣や事業責任者クラスの人が、テクノロジーやビジネスと同じレベルでデザインに理解があることです。ビジネス色が強い会社だとデザインは後回しにされがちで、目先のKPIをあげましょう、以上!みたいなところが多くて、中長期的なデザインに投資していくというスタンスがないところが多いです。
でもモスティープレイスでは、経営陣や事業責任者クラスの人達がデザインの価値をちゃんと理解してくれているので、デザイナーの仕事がおざなりにされません。デザインを事業のコアとして考えている人が多いので、デザイナーの働く範囲もすごく広いと思っています。他にもiMacを買ってくれたり、フォントや本、イベントへの参加費も支給されるので、働きやすさへの投資は当たり前にしています。
ー確かに社内でのデザイナーのプレゼンスが高いのは魅力的ですね。
デザイナーはビジュアルを作るだけだからそんなところに口出さないでって言われる所もあるので、経営陣と対等に話せる会社は、相当恵まれた環境だと思います。
あとはデザイン組織がユニットとしてまとまっているので、一個の事業のデザインをずっとやっていくみたいなことはありません。うちでは本人が望むポジションチェンジに積極的に応えています。色々なフェーズの、色々なドメインの事業があるので、この人の次のレベルだったら次にこれをやるんだなというのが見せやすい環境にあると思っています。結果的にキャリアを描きやすい会社ですね。
ー原田さんが自分の役割の中で苦労したことや強く意識していることはありますか?
苦労したことは、経営陣にデザインについて話すときのコミュニケーションですね。デザインの良さが伝わっているという感覚がある時と、全然聞いてもらえていないなと感じる時があり、経営陣とのコミュニケーションはずっと向き合ってきた部分です。
経営陣は“朝令暮改”が当たり前なので突然言ってることが変わるんですけど、その思考のジャンプに追いつくのには結構苦労しました。
役割の中で強く意識していることも、経営陣とのコミュニケーションをちゃんとするという部分です。具体的には、投資すべきデザイン対象の判断が間違っていないか、優先順位が本当に合っているのか、どういうタイミングでどういうデザイナーが必要なのかを間違えないように、経営陣側の理解の努力をすることを日々意識しています。
ーモスティープレイスでデザイナーとして働き続けた先にあるものとは?
弊社は事業作りに強い会社です。そういう環境で働くデザイナーは、事業がみれるようになって、そのチームの主力になりやすいと思っています。CXOっていう役割があると思うんですが、うちではその人が事業に入ることにより売上が飛躍的に伸びたり、サービスの体験を改善し、開発のマイルストーンを立てられる、そんな人がCXOだと考えています。これが経験できる環境が整っているのがモスティープレイスだと思っています。
なので、最近はCXOの輩出率日本一というのを1つのKPIに設定しています。例えモスティーの外に出たとしても、CXOとして活躍できるような人材を生み出していきたいです。
また、現在は事業会社でデザイナーとして働くんだったらここでしょと第一想起で出てくるところがまだあまり無いのではないかと思っています。制作会社ならGoodpatchとかがあるんですけど、事業会社で特定の会社というのは無いのでモスティープレイスでは『事業会社でデザイナーとして働くならモスティープレイスでしょ』と言われるようなブランドを作っていきたいです。
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