今回は薬剤師として働きながら結婚式のエンドロール映像作成の副業をされていたという株式会社メディカルリンクの上村充香さんにインタビュー。副業をしていた理由とは?彼女の目指す薬局とは?!
――本日はよろしくお願いします!まずは自己紹介をお願いします。
はい!上村充香です。近畿大学の薬学部を卒業し、新卒で入社して、四年目の薬剤師です。今まで薬剤師として働いてきて、自分がしたいことを探している中で副業をしたいという思いを持つようになり、途中副業もさせていただいたりもしました。
――ありがとうございます!今日はよろしくお願いします。早速なのですが、薬剤師になろうと思ったきっかけを教えてください。
実は、すごい夢も希望もないんですけど笑
小学生の時にたまたま見ていたニュース番組で薬剤師の特集を見て、親に「医療職やし、資格職やし、女性としても看護師とか医師とかに比べても働きやすいし、いい仕事だよ」っていう刷り込みをされてからなんとなく薬剤師っていうものを志すようになっていて。その後、高校で進路のことを本格的に考える時期に、私が化学が好きだったので、薬剤師になるのありだな、と思って…。あとは自分の大事な人を守りたいと思ったときに医療の知識を持っていると大きな力になるんじゃないかなとも思いました。
既存の薬剤師像を壊していく。
――薬剤師の仕事って病院、店舗やメーカーまでありますけど、その中で店舗を選ばれた理由は何ですか。
最初に自分のキャリアを考えるきっかけになったのは大学一年生の時の、附属病院での実習でした。そこが院内調剤しかしていない、薬を自分のところで作っている病院だったんです。そこの薬剤部を見に行ったんですよね。そしたらひたすら薬剤師が薬を作っている場面で…何だ?この仕事は?となって(笑)。この仕事をするのは私じゃなくてもいいな、って思ってしまって…。正直、一年生の時はもう現場の薬剤師としては働かないかな、と思ったんです。そして、二年生になって学園祭に携わった時に、企画をするのが一番楽しかったという経験もあって、企画ができる仕事につきたいなと漠然と思い始めました。ここまでの話を考えると、今の現場の薬剤師という仕事とは全く逆方向に走っているんですけど(笑)
それが変わったのが四年生の時ですね。 狭間先生という薬学・薬剤師業界ではすごく有名な先生の授業を履修していたんです。その授業で先生の考え方に衝撃を受けました。今までは既存の薬剤師像、薬局像にとらわれていたから現場に興味がなかったんです。でもその時に、別に時代は変わるんだし、新しいことをやっていれば自分のやりたい薬局像になるんじゃないかなって思ったんですよね。
就活の時期にはとりあえず全然違う業界も受けたんですよ。IT系も受けましたし、美容系も受けましたし、もちろん製薬系も受けました。自分のしたいことと医療が掛け合わせられないかなと思って、面白そうと思ったところにはかなりたくさん応募もしたんですけど、あんまり上手くいかなくて…。そんな中でたまたまメディカルリンクのDMが家に届いていて、たまたま見て一日インターンに行きました。そこでうちの楢井と出会ったんです。この人とやったら新しいものを作れる、現場に行くならこの人のいる薬局やなって思ったのがメディカルリンクを志望したきっかけです。新しい薬局像に向かって挑戦できる会社として、可能性を感じたのがここだったんです。
――現場で働くっていうのが目的になってたわけじゃなくて、新しい薬局を作る手段としてまずはメディカルリンクで、っていうことですね。そう考えるとぴったりですよね、メディカルリンクさんって。
はい(笑) この薬局でよかったなってすごく思ってます。
他分野との掛け合わせが新しい可能性を開く
――メディカルリンクさんって結構新しいことをたくさんされているし挑戦もされていると思うんですけど、一言で表すならこれ!みたいな良さってありますか。
自由なことですかね。笑
――なるほど!自由ですか…私、普通の薬局と自由ってあんまり結びつかないです(笑)なぜ自由だと思うんですか?
そうですね、私も実習期間中は大手のチェーンの薬局に所属していたのでその感覚は共感できる部分があって(笑)そこでの薬剤師は店舗の歯車みたいに思えたんですよね。今日はあの薬剤師がいないからそこに入って、みたいな。その時に私のことを、「上村」っていう薬剤師として見てほしいなって、生意気ながら思ったんです。なので、もともと薬局に就職するにしても大手に行くことは考えてなくて。そういう意味ではうちの会社は一人一人の特性を見て配属とかも考えてくれますし、その人の個性に応じた働き方を作ってくれていて、すごい恵まれていますね。
――そうですよね。自由といえば、薬剤師で副業もしてる方っていうのは初めて聞きました。
ですよね(笑)やっぱり周りでもいないです。副業をOKしてる会社も少ないんですよ。でも私は他分野のことと掛け合わせるから新しい領域って開けると思うんですね。医療業界だけしか知らないと結局可能性が増えない、あえて他の業界を知って、掛け合わせることで可能性って広がっていくと思うんです。それを副社長に相談したら、「いいね!」って快く副業許可がもらえたので映像関係の仕事の副業をしてました。
もともと私の人生の計画の中にプロジェクションマッピングを作りたいっていうのがあるんです。薬局とか病院って怪我したとか体の調子が悪いから行くってイメージがありますけど、そうじゃなくて、もっとリラクゼーションの要素を取り入れられないかなと。自分の好きなお店を作る中で、興味のある映像の分野と掛け合わせられないかなって思っていて、そこで映像の副業を経験させてもらったという感じですかね。
――素敵ですね!私は医療の業界って清潔で、誠実で…その一方やっぱりどこか堅い世界って思ってたんですけど、そこに映像みたいに色々なアレンジができる領域が入ってくると確かに面白そうですよね笑
そうなんです。そういう思いから始めました。ほかの業界で学んだことってすごく刺激的なので、いい経験だったなって今でも思います。
――ちなみに映像のお仕事をしてみて、映像×薬剤師とか映像×医療でやれそうなことはありましたか。
今も本当に流行ってますけど、YouTubeですかね。だんだんネット社会になっていくと、薬とかもみんな先にググる(グーグルなどWebで検索する)世界になると思うんですよね。みんな不安だったらググるから、ネットと医療の相性ってすごいいいと思います。特に若い世代は文章読むよりInstagramを見るとか、料理もYouTubeの動画見てやるとかいう人は増えてると思うんですよね。今後、そういう方向にシフトしていくんだろうなって考えると、医療もYouTubeとの相性はいいと思います。
――なるほど。今でも医療チャンネルとかがあるんですか?
医療チャンネルというか、薬剤師が発信しているYouTubeチャンネルってこの2,3年のあいだにだいぶ増えてきてますね。製薬メーカーさんも、YouTubeに薬の動画とか出してたりします。
――しかもそれに追い風のようなこのコロナ禍ですもんね笑
そうなんですよ。今のこのコロナ禍で今後の医療の形って大きく変わっていくと思うんですけど、その分、どう差別化していくかが大事だと思うんです。今までの医療を普通にやってるだけじゃ集客できなくなってくると思うんで。
――確かにそうですよね。コロナ禍の収束後の薬局の姿について考えていることはありますか。
まずオンライン化が進むと思いますね。若い人とかは特に。みんなが普通にワンクリックで買い物をするような時代だし、わざわざ薬局行くのも病院行くのも嫌だっていう人はとても多いと思います。なのでそういった部分の規制緩和がこれを機にどう進んでいくんだろうなっていうのは考えていますね。対面の良さはもちろん残ると思いますけどね。でも、オンラインなどの新しいことについて、分からないからやらないっていう姿勢でいると絶対患者さんもついてこなくなると思うんで。それに、私は新しいことには最初にに挑戦してトライ&エラーを繰り返した方がそれだけいいことができると思っているんです。初めてオンライン診療する薬局と、今までもオンライン診療をやっていた薬局とでは絶対後者の方がノウハウがあるんで、集客にもつながるでしょうし。そういう意味では早い段階からそういうことに対応できる病院とか薬局っていうのが今後上手く残っていくでしょうね。
医療と真逆の業界を副業にした
ーーでは次に、具体的なお仕事の内容についてお聞きしたいのですが、まず薬剤師のお仕事についてお願いします。
まず一年目はできないことができることになるっていうのがすごい楽しかったです。周りの人たちに比べればもちろん自分は仕事ができないので、がむしゃらに仕事を覚えて少しでも早く店舗の力になれるように働いてました。
二年目になって、店舗全体の様子を見ながら足りないところに入るような働き方に変わってきて、現状を把握して優先順位をつけて捌いていくっていう仕事になりましたね。
三年目は、後輩の教育とかも含めて、今いる人材で店舗をどう動かすのが一番いいのかを考えながら仕事を回していくようになりました。でも、できることが増えていくので、だんだんできないものができるようになるっていう変化がなくなってくるんです。なので自分が何に向かって成長してるのかわからなくなったりしました。
調剤薬局業務以外でもいろいろ取り組んでいました。副社長から依頼されたリクルーター活動とか、このWantedlyについての業務もそうですし、ブログを書いたこともあります。もちろん就活イベントに参加したこともありますし、他社の方と食事をしながらどうやって薬剤師が作業していくかっていうのを一緒に考えたこともありますね。薬剤師として以外のスキルも経験させてもらえたっていうのは、この会社で働けて恵まれてることですね。
――本当にぴったりな職場ですね!次に副業についてです。映像のお仕事をされてたっていう風にお聞きしたんですけど、具体的にどういうことをされてたんですか。
結婚式場のエンディングロールの動画編集のバイトを一年弱くらいしてました。
――あっ!あの、サプライズで最後に結婚式の様子とかが流れるやつですか?
そうです!その日の一日の動画を流すんで、編集時間が結婚式の時間しかないんですね。結婚式をやってる最中に撮った動画をその場で編集してたんで、すごく時間制限に追われる仕事でした。
なんで結婚式を選んだかっていう話なんですけど…医療ってどっちかって言うと人生の終わりに向かって走っていく仕事なんです。いかに自分の望む終わり方に向かって走っていくかっていう。そしてその「終わり」の正反対の位置にあるのが結婚式だと思いました。死に比べてすごいハッピーなイメージ。その人にとっての一生に一度の大事な幸せな思い出を残すっていうのが真逆で面白いなと思って。でも例えば、身近な人が余命わずかだったら患者さんもご家族も思い出作りをしたいのはきっと同じだとも思っていて、そういった意味でつながりがあると考え、この業界の扉を叩きました。
歯車は嫌だ!個性を生かした働き方
――ここからは具体的にメディカルリンクで働くということについてお聞きします。メディカルリンクの雰囲気、働く環境について、どういう風に感じていますか。
これはほかの先生もおっしゃっていると思うんですけど、風通しがいいです。経営陣の方と名前も性格もわかる関係性で話すことができるので、会社を今後どうしていきたいかということについて、私を知っている方から直接意見を聞けるということがとても恵まれていると思います。
――ということは若手の時から活躍のチャンスはあるんですか。
そうですね。手を挙げればやらせてもらえる環境で、私自身やりたいことをやらせてもらってきました。私をどう成長させていったら一番いいのかっていうことを考えて私の配置とか周りのこととかを考えてくれてます。薬剤師という資格じゃなくて〇〇さん、って個人を見てすべて考えてくれてるのはうちの会社のいいところですね。
――会社の歯車として働くのってあんまり楽しくないですもんね。
そうなんですよね。やっぱり人間って承認欲求があって、「〇〇さんありがとう」とか「〇〇さんだから」とかそういう言葉が好きだと思うので、個人を見てくれる環境が大事だと思います。副業もそうですけど、自分の個性を認めてもらって働けるっていうのは自由な会社だからだと思いますね。上層部の方にもそれぞれカラーがあるんですけど、それぞれのカラーを活かしながら皆さん働かれてて、背中とか見ててもすごいかっこいいなって思います。
――おおー。ゴレンジャーみたいですね。笑
そうですね笑 本当に皆さん頼りになるし、仕事もできるし、個性もあるのですごくかっこいいと思います。そういう薬剤師に早く追いつきたいですね。
――そんな自由な会社、メディカルリンクで働くのに向いている方や上村さんが一緒に働きたいと思う方ってどんな方なんでしょう?
うちの会社には「明元素」っていう社訓があって、明るく元気に素直にっていう意味なんですけど、一緒に働くならそういう方がいいです。あとは私自身が自分と違う考え方にワクワクするタイプなんで、それぞれの個性を掛け合わせて大きな可能性を作れるような人と一緒にチームを組みたいし、新しい薬局が作りたいです。
――ぜひ新しい薬局を作ってほしいです。メディカルリンクは日本を変える薬局だと私は信じてます!それでは最後にこの記事を読んでいる方へ向けてメッセージをお願いします。
やっぱり医療業界も今後変わっていくと思うんですけど、その時その時に応じた答えって絶対違うと思います。その時に答えを導き出す挑戦を一緒にできる人と私は仕事したいです!自分の強みと掛け合わせられて、弱みを補い合える人と、自分たちが薬局を変えたいっていうくらいの気持ちを持った人と一緒に働いてみたいです笑
――薬局界のベンチャー企業みたいな感じですね!本日は貴重なお話ありがとうございました!