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会社なんか作らない方が良い!?起業"非"推奨派のCOOが語る、スタートアップ起業のリアル


こんにちは!広報の松田です!

私は現在3社目なのですが「スタートアップ」と呼ばれる企業で働くのは初めて。

大手企業で働いていたころはもちろん、MiddleFieldに入った今でも会社の経営についてはあまり聞く機会を作ってきませんでした。

「一社員がそこに踏み込んでいいのか…?」みたいな空気を勝手に感じていたんです。

しかし!MiddleFieldのバリューは「ガンガン!いろいろ!オープン!」です。

という訳で今回は、COOである片岡に起業やスタートアップの経営についての疑問をぶつけてみました!

起業を視野に入れている方はもちろん、スタートアップで働いている方やこれから働こうと思っている方も必見です!

MiddleField存続の危機や、COOの「これはやっておけばよかった!」という嘆き(?)など、かなり生々しい話も含まれていますので、閲覧の際はご注意ください(笑)

目次

1, 起業"非"推奨派のCOOが会社を作った理由

2, スタートアップの「お金」のリアル

3, スタートアップの「人」のリアル

4, 創業から5年、「やっておいて良かったこと」と「やっておけば良かったこと」

1, 起業"非"推奨派のCOOが会社を作った理由

松田(以下、松):片岡さんはいつ頃から「起業」を視野に入れていたんですか?

片岡(以下、片):実は僕、起業ってあんまり推進してないんだよね(笑)サラリーマンが1番幸せな生き方だと思ってる。

松:えっ、そうなんですか!?それはどうしてですか?

片:だって、仕事は教えてもらえて、毎月お金がもらえて、しかも勉強もできる、社会に守られてる、最高じゃん。

僕が言うのも変だけど、リスク取ってまで起業する理由ってなに?って思う(笑)

松:そんな起業"非"推奨派の片岡さんが、「Motorz」を作って、MFの創業に携わったのはどうしてなんですか?

片:たまたまです、としか言えない(笑)

会社を作りたい!っていうよりは、何か面白くてインパクトがある事業がやりたかったんだよね。

その当時は興味関心分野が100個くらいあって、それをノートに全部書き出してた。

松:100個!例えばどんな分野があったんですか?

片:フリーランスの時に財務とかよく分からないままやってたから、そういうの解決するサービスないかな、とか。

葬儀事業って伝統的な業界だけど、デジタル化すればもっと使いやすくなるんじゃないか、とか。

自分の身の回りの困りごとでビジネスを作るにはどうすれば良いか、っていうのを考えてて、その中の1つがMotorzとかモタガレの事業だったの。

松:その中で、クルマ関連の事業を選んだのはどうしてだったんですか?

片:単純に直感。

例えば自分が葬儀業界に行ったとして、成功するイメージが全く湧かなかったんだよね。

もともとクルマ業界にいた僕が突然葬儀業界に行ったら、「なんで?」ってなって説得力薄れるし。

そうやって考えていくと、成功するイメージが湧いたアイデアって、100個中2個くらいしかなくて。

事業ってお金が絡むことだから、作ってみて「やっぱり駄目でした!」みたいな、不義理なことをするのはすごい失礼じゃん。

だから、まずやりたいことをピックアップして、さらにその中から自分ができることをピックアップして選んだって感じかな。

松:それで「Motorz」を作り始めたんですね。

片:そうだね。Motorzを1人でやることもできたんだけど、メディアだけでマネタイズするのって難しいし、もっと大きいこととか、世の中の役に立つことがやりたいって思ってて。

Wantedlyを通じて色んな会社に会いに行って「あなたの会社はこうしたらもっと伸びると思うんですけど、どうですか?」みたいな話もしてたね。

でも当時の僕の経歴だと、既存の会社で新しい事業をやろうと思っても、ポジション的に難しいと思ったんだよね。

「会社のことを知る為にまずは営業から!」とかって言われるだろうし、やりたいことできないなって。

だから自然と選択肢は狭まっていったかな。

松:そんな時に社長に出会ったんですね。

片:そう。だから会社を作りたい!って思って起業したんじゃなくて、まずやりたい事業があって、それをやるのに最適な選択肢が起業だったから会社を作った、って感じかな。

2, スタートアップの「お金」のリアル

松:生々しいことを聞いちゃいますが、スタートアップって最初の資金はどうするんですか?

片:最初は自己資金だよね。あとはMFだと、「Motorz」が少しずつPV伸びてきてたから、それの広告営業もやりつつ。

あとは、MFの最初の投資家でもあるReality Acceleratorの郡さんがやっている、アクセラレータプログラムに中山が行っててたんだけど、そこで色々とアドバイスをもらってた。

それで郡さんから、「すごい良くやってるし、伸びそうだから、投資するよ!」って言ってもらえたのが、MFの最初の資金調達だね。

松:今考えると、郡さんに「投資する」と言っていただけたのはどうしてだと思いますか?

片:それは「人」が良かったんじゃないかな。

事業は出来立て、マネタイズも出来ない、ってなったら人しかないよね。

創業したてのスタートアップの武器って僕は3つしかないと思っていて、①事業計画書と、②プロダクトと、③創業者の熱量っていう3つの武器しかないんだよね。

投資家さんはプロだから、事業計画に関しては「実際はこの3分の1かな」とか、「こんなにうまく立ち上がらないだろうな」とか、どんなに取り繕ってもバレる。

次にプロダクトだけど、スタートアップだと、とにかく早くローンチして仮説検証を繰り返す必要があるから、そんなに作りこんだものはできない訳よ。

で、最後の熱量。ここだけは、僕らがいかようにもコントロールできる。

松:熱量を伝える、っているのは、具体的にどんなことですか?

片:未来を語るっていうことだね。僕は資金調達って未来の前借りだと思っていて。

資金を調達して何に使うかっていうと、未来のお客さんを獲得しにいくとか、未来に使ってもらう為にサービスを改善するとか、未来に対する投資なんだよね。

じゃあ今の自分たちのリアルな実力でどう戦うかってなったら、僕ら創業者がどれだけありありとその未来を語れるかっていう。

松:これも生々しい話ですが、資金関連で苦労したことはあるんでしょうか…?

片:僕らは長いスパンでのキャッシュアウトっていうのを全部整理してあって、このタイミングでお金が無くなる、ここを超えたらヤバいっていうデッドラインも分かってるんだよね。

今はそんなことないけど、そのデッドラインを超えた瞬間が2回くらいあった。資金調達とか着金のタイミングが合わなかったときとかね。

松:えええ!その時はどうやって立て直したんですか?

片:僕らの給料0にして、メンバーに払えるようにしたりはしたかな。

松:そんなことブログに書いちゃって大丈夫なんですか(笑)

片:いいんじゃない?書いて。そこまでの覚悟があるかどうかだしね、起業したい人って。

スタートアップ企業ってキラキラして見えるけど、それって世の中のスタートアップの30%くらいでしょ。

だって調達できない人は調達できないからね。本当にキラキラした事業をつくるよりは、足元を固めた上で大きいことやったほうが今はカッコいいなって思うよね。

松:足元を固める、というところでいうと、具体的にどんなことをするべきですか?

片:コストを小さくすることと、補助金とか助成金とか頼った方がいいよ。それで意外となんとかなったりするから。

資金調達するっていうのは結構難しい決断で、未来の選択肢が決まっちゃうものだから。

株式と引き換えにお金を得るっていうことは、会社をM&Aするか、上場するか、起業家がめちゃくちゃ利益率いい事業を作って、株を買い戻すか。

この3つの選択肢からどれかを選ばなきゃいけなくなる。

松:MFが資金調達をする、という決断をしたのはどうしてですか?

片:「自動車アフター業界」っていう業界を相手にしてるからだね。

ダラダラゆっくりIT化していると一生終わらなくて、中古車ディーラーさんとかパーツメーカーさんとかを救うのが間に合わないと思ったから、僕らはスピードアップするために、資金調達っていう手法を選んだだけ。

3, スタートアップの「人」のリアル

松:そんなピンチを乗り越えてきた社長と片岡さんは、私から見ても良きビジネスパートナーというか、相棒だなと思います(笑)

共同での起業はもめたりトラブルになったりしやすい、と聞いたことがあるのですが、お2人はなぜうまくいったんでしょうか?

片:友達じゃなかったっていうのが大きかったかもね。

僕みたいな人はさ、基本的に友達には良い格好見せたいし、失敗したとか絶対知られたくないんだよね。

どうしても見栄とかプライドとかってあるじゃん。でも、それじゃあ絶対うまくいかないよね。

松:社長はもともとの友達ではなかったからこそ、見栄をはることなく話せたんですね。

片:そうだね。いい意味でビジネスパートナーというか。

腹割って話せたし、オープンになんでも相談できる存在だったっていうのが上手くいってる理由かな。

だって、中山とプライベートで遊んだり全くしないもん(笑)全然仲悪いわけじゃないけどね(笑)

最初に腹割って話しつくした結果、逆に今は飲みに行ったりあんまりしないっていう、言葉が正しいかわかんないけど熟年夫婦みたいなものかもね(笑)

松:熟年夫婦(笑)やっぱり起業には仲間がいる方がいいんですか?

片:うん、個人で起業してどうこうより、仲間とやった方が良いっていうのは確かだよね。

だって会社やるの辛いもん(笑)稼げないし、アイデアベースで立ち上げる事業って大体誰かが先にやってるし。

そういうときに腹を割って話せる相談相手がいるって大事だよ。

だから、腹割って話さないままだと失敗するよね。オープンなコミュニケーションをしないまま、起業とかしちゃだめだよ。

松:会社をやる上で辛いことって、具体的にはどんなことですか?

片:1番心にダメージがくるのは、人とお金だね。

お金についてはさっき話したから、人っていうところでいうと、信用してた人に裏切られるっていうのが1番きつい。

僕はそれで1回失敗してるけど、その原因ってやっぱり腹割って話さなかったことなんだよね。

人と関わる中で「ちょっともやもやする」ことって大なり小なりあると思うんだけど、それを伝えようとも思わなかったもん。

だから今は、ちょっと気になったことでもその場ですぐ言うようにしてる。

社内でも社外でも、違うと思ったことは違うって言わないとね。

4, 創業から5年、「やっておいて良かったこと」と「やっておけば良かったこと」

松:そんな危機を乗り越えて起業から5年が経ちましたが、この5年間を振り返って「やっておいて良かったな」と思うことってなにかありました?

片:事業計画を3パターン作る、とか?

すべてが超上手くいったときの最高パターンと、上手く進んだ時の提出用パターンと、すべてが全く上手くいかなかったときの最低パターンの3つ。

松:どうして3つ作るんですか?

片:これを作っとくことで、何が起きても動じなくなるし、上手く行かなかったときの判断基準になるから。

3ヶ月とか半年とか何かプロダクトをやってみると、何らかの視聴率とか、フックになるものとか、当たるコンテンツとか、マネタイズポイントとかって見えなきゃおかしいのよ。

見えないんだったら多分間違ってることをやり続けてるだけだから。

っていうのを判断するために、ミニマムここまでは出来てなかったら撤退する、っていうなんとなくの数値感を持ち続けるのに役立ってる。

松:他にはありますか?

片:「やりたい世界を明確に定義する」ことだね。

例えば、僕らでいったら「クルマが最高のエンターテイメントになった最強の世界」にはどういうクルマが走っているのか、とか、その世界の人たちはどういう風にクルマに乗っているのか、とかね。

その時に、「こういう理由でこれはできないから無理」じゃなくて、「なんでもできる」っていう前提で、そのやり方を考えつくすこと。

そうやってブレない世界観を作っておくことが、すごく大事だね。

松:逆に、これはやっておけば良かった、と思うことはありますか?

片:フェーズによって違うんだけど、初期でいうと採用と広報かな。

採用に関しては、今ももちろんめちゃくちゃいい仲間が集まってるし、いいチームができてるという前提でね。

めちゃくちゃ今の状態も最高なんだけど、もっと先輩経営者に話を聞くっていうよりは、上り調子の会社で働いてるプロダクト責任者とかにいっぱい会っとくべきだったなと思ってる。

松:それはどうしてですか?

片:そういう人たちって、会社を伸ばすときに必要な経験をしてるから。

初期にそういう人と会ってたら、「足りないから入れる」採用じゃなくて、成長してる人で、かつ既存のやり方を持ち込んでくれて、会社を伸ばすやり方ができる人を採用できたんじゃないかな、と。

そしたらもっとスピードが上がったな、とか、もっと違う攻め方あったかな、とかは思うかな。

松:広報っていう面だとどうですか?

片:広報って時間がかかるじゃん。ずっとやってた人を見てると、露出したい時にサービスを露出させられる、っていうのはほんとにいいことだよね。

松:確かにそうですね。最後に、これから起業したい人にこれだけは伝えたいこと、なにかありますか?

片:うーん、本当に起業するんだったら、オフィスの金額0円とか、人件費にお金かけないとか、ミニマムのサービス作って売りにいくとかが一番早いんじゃない?

そこまでやる気があるんだったら起業した方が良いと思う。

今はそこまでやらないんだったら、1~2年かかってもいいから、副業としてプログラミングとか、サービス作って。

良い感じになったら平日夜とかにアポ取って、売れるかどうか試してみて。っていうスパンでも全然ありだと思うけどね。

松:そういうやり方もあるんですね。

片:そうだよ。もう一回いうけど、起業なんかしないほうがいいから(笑)

松:やっぱり推奨はしないんですね(笑)今日はご協力、ありがとうございました!

あとがき

またまたとっても読むのが大変なブログになってしまいましたが、いかがでしたでしょうか?

「起業」「スタートアップ」というとキラキラしたイメージをお持ちの方も多いと思うのですが、一方でリアルな面を発信していくことも広報の1つの仕事かと思い、こんな記事を上げてみました。

片岡も「誰かの役に立つ事業を作りたかった」と話していたように、この記事もスタートアップに関わる誰かの役に立つことを願います!!

それでは、また次回のブログでお会いしましょう!

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