一貫してエンジニアとしてキャリアを紡ぐ中、より良いものを"ツクル"ことに興味が深まり、開発プロセスやテストプロセスに関わるようになる。第三者検証にて SET や QAリードとして様々企業の品質やテスト活動におけるカイゼンを実行。その後、前職にて SRE のリードを経験し、クラウドインフラやサービス品質に関する知見を身につける。品質に対してエンジニアだけでなく会社全体が感度高くプロダクトに向き合う環境に惹かれ、2023年3月に Magic Moment に入社。
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Dogfooding 文化が根付き、プロダクト価値を磨く環境で QA のやりがいを感じた
ーこれまでのキャリアを教えてください。
ものづくりを通してデジタルデバイドを始めとした社会問題の解消に貢献したい、そしてモダンな開発手法を学びながらプロダクト開発をしたいと思い、新卒で大手 WEB系企業に入社し、E2Eテスト自動化に関わるプラットフォームや SaaS の開発に携わりました。スクラムマスターの経験を積む中で、 アジャイル開発とテストと自動化には密接な関係性があることに気づき、アジリティとクオリティをどのように両立させていくか、より良いモノをより良く"ツクル"にはどうすれば良いのかということに興味を持つようになりました。
その後、フリーランス時代に様々な開発プロセスやテストプロセスについて学び、より専門的に深めたいと考え、第三者検証を行う企業に転職し、 SaaS の SET や QAリードとして品質やテスト活動のカイゼンに取り組みました。さらに、クラウドインフラやサービス品質に関する知見やスキルを副業や前職で ITサービスマネジメントや SRE活動をリードしていくことで身につけました。
QA という言葉も比較的新しいものなので、QA Engineer(以後 QAEと記載)を目指して今があるというよりも個人的な興味や重要だと認識していた活動のイメージに近いものが QAE だったという方がより正確な表現になるかもしれません。
ー Magic Moment 入社のきっかけ、決め手を教えてください。
ユーザにとっての価値とは何かを考えながら、自社プロダクト開発に真摯に向き合っており、QA という活動やロールに対しての意識やイメージが普段から自分の考えているものに近かったことが一番大きなポイントでした。
一人目 QAE かつ、Sales Tech という経験したことのないドメインのプロダクトでどこまで貢献できるかの不安はありましたが、Dogfooding(社内でプロダクトを利用しフィードバックを集め改善につなげる仕組み)文化やチーム全体で品質への責任を持つという考え方が既にある組織だと面談を通して伝わったので、アジリティとクオリティについてチーム全体で推進していくことができる理想的な環境の基盤があると強く感じた部分が決め手ですね。
ー 実際に入社してみていかがでしょう。
面談を通して伝わってきた印象の通りで、Demo Day という新機能を全社に共有する場では多くの意見やフィードバックがあるため、新しい気づきを得る良い機会だと思いますし、実際に Magic Moment Playbook (弊社自社サービス、以後 MMP と記載)を自身の業務フローに組み込んで使ってみる、そしてフィードバックするという習慣が全社に定着しているので Dogfooding による気づきや意見も多数あり、製品をより良いものにしていくという意識が全社に根付いている組織であると実感しました。
プロダクトの拡大に伴い求められる品質水準も上がってきているので、品質や健全性に関するメトリクスを可視化し、チームが素早く定量的なフィードバックを得て分析やカイゼン活動を継続的にできるようになる必要性が出てきていると感じています。
既存の QA への取り組みをより高効率に品質高く実行すること。全員で責任を持つ環境にやりがいを感じる。
ーどのような業務を担当しているのですか?
一人目の QAE として、オンボーディングを兼ねて最初の2ヶ月間は既存のスクラムチームに入り、現場で実施されている QA活動を通して MMP の理解を深めていきました。
そして、現状どのような QA活動を行っているか、どんな課題を感じているかのヒアリングを実施し、Holistic Testing (DevOps ライフサイクル全体で QA活動を整理すること)という考え方をベースに整理しました。すると、一度実施したテストの観点や内容をうまく利活用できていないという課題が明らかになったので、QA観点リストを Notion 上のデータベースで作成し、QA観点を育てていく基盤を作成しました。
直近では新設されたスクラムチームに入って、新機能開発における QA活動のサポートを行いながら、これまでの開発プロセスではあまり取り組んでいなかったような QA活動にも挑戦して品質やチームへの影響と効果を検証しています。
ー他チームとどのように仕事をしていますか?
自身が所属しておらず直接的な関わりが少ないチームともアーキテクチャ会やタスクフォースプロジェクトなどチーム横断的な活動に積極的に入り、 E2Eテスト自動化やシステムアラートの整備など中長期的に必要な業務を推進しています。ほかにも輪読会を通して単体テストへの理解を深め実装時のガイドラインを整備したり、アジャイル開発における見積もりについてディスカッションを実施しています。
ー入社して印象に残っているエピソードを教えてください。
新設のスクラムチームにて新機能を検証し始めた時に、まだ新しいチームということも影響したのか数多くの不具合がありましたが、イシューリストを管理して優先度をプロダクトオーナーとデザイナーが主導して決定し、開発メンバーが原因を特定して修正するというサイクルをスピード感持って実践できていました。それだけでなく、特定のロールの人だけがテストをするのではなく、チーム全員で様々な視点でバグバッシュを行いリリースまで行っていたので、チーム全体で品質に責任を持って新機能をリリースできた経験が印象に残っています。
ーどのような時にやりがいを感じますか。
チームに新しい QA活動を提案し、プロセスとして取り込んでもらえた時とその成果を実感してもらえた時ですね。これまでの習慣を変化させていくことは簡単ではなく難しいことですが、試行錯誤しながら準備を行い実践してみて、実際に効果が出たことをメンバーからフィードバックがあった時は勇気を持ってやってよかったと感じました。
フルサイクル QA を実践し、スクラムチーム横断的に品質底上げ・仕組みづくりに貢献したい
ーどのようなチームですか。また QAチームをどのようなチームとしていきたいですか。
どのチームも企画から設計、開発、QA そして運用までチーム内でフルサイクルに実施しているのが特徴として挙げられると思います。今後 QAEのメンバーが増えていくことを考えたときは、スクラムチームがフルサイクルエンジニアリングを基本としているので、その活動をサポートするフルサイクル QA が実践できるように様々な経験やスキルセットを持ったメンバーで構成された QAチームになると良いなと考えています。
ーチームで大切にしていることを教えてください
スクラムチームに入っているときに大切にしていることは QAE が入ることで、品質の足し算ではなく掛け算をできるようにする点です。特に現状 QAE は一人なので自分がチームに入ったタイミングでのみ QA活動が変わるとか、テストの網羅性が上がるだけではただの足し算でしかなく、別のチームに移ると効果がなくなるような動き方では中長期的にはあまり意味がないと感じています。
いかにしてチーム全体で品質に責任を持って効果的な活動を継続できるようにするかを心掛けています。そのため、実践して効果的だった QA活動は横展開できるようにドキュメント化したり、社内の LT会でアウトプットできるように準備を進めています。
特定のチームだけではなく、チーム横断的に品質の底上げや仕組み作りに貢献できるような活動をしていくことが今後取り組んでいくべき重要なポイントだと認識しています。
品質文化醸成を共に取り組める方とご一緒したい
ーこれから、どのような人と働きたいですか?
チームとして働く上で HRT(Humility、Respect、Trust) を大切にするメンバーが揃っている環境で、設計やコーディングはもちろん QA活動もペアやチームで集まって全員で成果を出していく姿勢が Magic Moment の素晴らしいところだと思います。
Time To Market の高速化のためにはどうすれば良いか、短期的なデリバリだけでなく中長期的にアジリティとクオリティの両立を考えて実践できる方がプロダクトのフェーズ的にも今後さらに重要になってくると考えています。
そのため、QAE としてはより効果的な QA活動の戦略と戦術を考えて現場のプラクティスに落とし込みながら品質文化の醸成をしていくことに挑戦したいと思う方と一緒に、 QAチームの立ち上げを通して MMP の開発をより良いものへと盛り上げていきたいですね。
そんな矢野のオフタイムの過ごし方を聞きました!
コロナ禍もありしばらくできていなかったボードゲームを久々にできてとても楽しい時間を過ごしました!やったことのないボードゲームのルールを全員で解読しながら、試行錯誤で定石や勝ちパターンを仲間で考えて実践してみる楽しさにハマりそうです。
また、Magi Tech Fund(エンジニアの技術支援を目的とした制度)で購入した書籍を読んで アジャイル や DevOps、QA、SRE などの知識を体系的に仕入れてます。輪読会もあり、読書を継続することへのモチベーションに繋がっています。