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ミャンマーで新規事業立上げ!ラストフロンティアのビジネスチャンスとは。

アジア最後の砦、ラストフロンティアと呼ばれるミャンマー。Maclogicの事業を陰で支えてくれている、なくてはならないメンバーたちがミャンマーにいます。総勢25名、日本語も堪能な優秀な人材が集い、MaclogicのEC実務を常にサポートしてくれています。そんな彼らと共に、このラストフロンティアで、私たちは新たな事業を開始しようとしています。海外事業部長の青木と、ミャンマーチームのマネージャーである江藤の2名に、ミャンマーで何を仕掛けようとしているのか、どう展開していくのか話を聞きました。


青木 駿(海外事業部長 兼 コンサルタント)
新卒で一部上場機械専門商社に入社。産業機械事業3年、石油プラント・資源開発事業1年従事。生産設備販売立上げ、貿易、通訳を経験。資源開発部時に社長賞。海外技術者が日本で地熱発電開発事業に携われる新スキーム確率に貢献。専門商社退社後、大学時代の友人、上田代表の事業に共感し、2019年9月、Maclogicに入社。

江藤哲也(海外事業部 Simple'Zマネージャー)
2013年にMaclogicの出資元である平城商事に入社。ECの経験を一通り経験した後、2年目に海外オフショアSimple'Zの管理を担当。2019年の8月からSimple'Zのマネージャーとしてミャンマーに駐在後、12月に平城商事からMaclogicへ転籍。

注目市場ミャンマー。優秀な現地スタッフと共に興す新規事業とは。

青木:代表の上田の紹介でMaclogicに入社しましたが、2019年9月からジョインしたばかりです。前職は商社業をやっており、リアルマーケティングに携わっていました。しかし、事業も業務のあり方もマンパワーに依存する面が多く、自分としてはいずれ、インターネットで効率的に広い市場で勝負できるところで働きたい、と考えていました。

そんな折、Maclogicでは今後、海外事業展開をやっていくという話を聞いて。会社自体がWEB系ですし、海外事業にも携われるかもしれない。私、実は英語とタイ語が喋れるんです。語学が得意なので、それを活かせるならよりいいなと。何よりも、彼らの話から事業が乗る雰囲気、勢いを感じました。そうして、海外の新規事業担当としてトライすることを決めました。

江藤:そもそもなぜミャンマーなのか?というと、Maclogicのメイン事業はECコンサル=運営代行なので、その作業スタッフとしてオフショアでミャンマー人スタッフを抱えていることから、既に現地に足がかりができているので入り込みやすかった、という点が挙げられますね。ちなみに、作業スタッフとは言っても、デザインやコーディングは基本的に日本で行うので、簡単な修正・変更やチェック、ルーティン作業をミャンマーチームにお願いしています。今でこそ人件費が上がってきましたが、アジア諸国の中ではまだ、オフショアの優位性が保たれている国です。

私は、今もですが、元々ミャンマーチームのマネージャーをやっていました。現地の人事体制の変更と新規事業の立ち上げを背景に、2019年10月からはミャンマーに駐在しています。現地では総勢25名のメンバーが働いており、日本語ができる人材は15~20名ほど在籍しています。N1と呼ばれる、日本語能力試験一級を持ったスタッフもいます。ミャンマーの中でも特に優秀な人材を確保できていると感じています。普段のコミュニケーションで不安を感じることはほとんどないですね。ミャンマーでは、日本語人材がより増えていくことが予想されます。統計では現在、アジアの中で日本語を勉強している人口が最も多い国は、ミャンマーだそうです。ミャンマーに進出する日系企業もじわじわ増えてきましたし、日本で働くという流れも出てきました。現地スタッフの中には、日本人と変わらないくらいの給与をもらっている者もいます。今後益々、人材の獲得競争と共に、人件費の高騰が加速することが予想されます。それでもまだ、国としてブルーオーシャンです。


上の写真は、ミャンマーチーム、Simple'Zのメンバー。

青木:ミャンマーは、アジア最後の未開拓市場、ラストフロンティアと呼ばれています。入社したばかりですが、新規事業はすでに開始しています。

内容としては2軸です。1軸目はコールセンター。日系企業のテストマーケティングや、発注の受け皿として活用いただくイメージです。背景として、ミャンマーで事業を行うにしても、エンドユーザーであるミャンマー人のITリテラシーが高いとは言えない状況があります。他国に比べてIT障壁があるため、そのギャップを補填した上で情報を提供するビジネスにはニーズがあると踏みました。例えば、ECです。ミャンマー人向けに通販サイトを作ったとしても、彼らは慣れていないので、ネット上で商品を探すことはできてもどのように注文すればよいかわからず、最終的には電話で注文する、みたいなことが起きています。老若男女問わず、結構こういうことが普通なようです。なんだかんだで、テレビショッピング等が受け皿になるだろうと思っています。日系企業と組み、ローカライズマーケティングを進めたいと思っています。

2軸目は、ビジネス視察のアテンドです。とある大手自動車メーカーがミャンマーへの進出を決めてから、追随して色々な日本企業が進出しようとしています。今のところ、大企業や大企業系列の会社が主ですが、今後、チャンスを求めて中小企業も出てくるはずです。実際に、中小でも目利きのある企業は多少出てきていますね。そういった企業に対して我々がアテンドをし、現地の状況を伝えていきます。これを切り口に、1軸の、現地に根差したテレマーケティング事業に繋げていきたいと思っています。実はすでに3~4社とアライアンスを組みました。EC、運送系、塗装といった業界の企業ですね。

そもそもミャンマー現地の現状とは?本国や世界各国の動き、日本の動きとは?

青木:ミャンマーにはロヒンギャ問題という、人道危機的な難課題があります。私たちもそういった事情に配慮し、敏感になっている必要はありますが、駐在していても、通常の生活で危険を感じるようなことは基本的にはありません。国としてそういったセンシティブな問題を抱えつつも、一方で経済は大きく動いています。各種インフラの未発達、法律未整備などの面についても、国としてやるべきことは山ほどある印象ですが、改善は進みつつあります。とはいえ著作権なんかも今作り始めた、という段階ですね。弁護士資格がないのに弁護士資格を名乗っている人、美容師資格がないのにノリで髪切っている人なんかもゴロゴロいます(笑)あとは露中が当たり前で駐車場がない、とかね。全体的に、社会としてグレーゾーンが許されているというか、古き良きおおらかさが残っているというか。民主化が進む中で、こういったのもどんどん規制されていくでしょうね。

江藤:私たち海外企業は、ローカルと組むかローカルと作るかして、現地に入り込んでやっていかないと、事業が成り立たないでしょうね。先ほどロヒンギャの話が出ましたが、それもあって欧米はミャンマーをリスクに感じ、多くが撤退しています。考え方次第ですが、他のアジア諸国に比べて欧米企業との競争リスクが低く、経済成長が著しい国と捉えれば、物理的距離にも恵まれている日本企業にとってはチャンスです。日本語人材を雇用するという意味においても。

青木:ですが正直、現地にいると、日本政府の本気度は低いと感じます。存在感が圧倒的なのは中国ですね。個人的には、中国人は最終的に本国に富を持ちかえる、という印象があります。中国の本気度はすごいですが、ミャンマーでビジネスを仕掛けるだけ仕掛けて、その視線の先にあるのはあくまで中国経済への転換ですね。それでも早さというのは、途上国では最強の価値です。中国政府はさすがです。日本企業は負けるのではないかと心配になります。

もちろん日本からのODAもあります。来年辺りには、日系の病院も経ちますね。あとは、日本の大手デベロッパーが街づくりを進めています。

一概に中国に後塵を期しているわけでもないですね。日本語を学ぶ人材が多いことの背景にもありますが、ミャンマー人からみて、日本人に対する印象は良いです。信頼ができ、仕事もやりやすい。ただし、遅い。企業努力だけでは解決できない問題もあります。日本政府のサポートが求められます。

いかに現地に溶け込めるかがカギ。今後の事業課題、人の採用、これから目指すもの。

青木:2020年1月半ばに、私もミャンマーに駐在します。準備はこれからです、部屋の契約もまだ…というよりできません。現地ルールで、契約を申し込んでから1週間以内に入居する必要があるんですよね。日本の当たり前は通用しない、想定外のことが多くなると思います。事業にも言える話だと思います。

新規事業といってもすでに走り出しているので、改善を重ねながら効率化を図っていく必要がありますね。ミャンマーチームの主としての役割は、Maclogicのメイン事業であるECコンサルの作業外注なので、私たち2人のミッションは、新規事業だけではなく、オフショア全体の効率化です。現地人材の競争が激しくなっていくことを見越して、個人に依存しない組織運営、業務の仕組化、コストの抑制などです。

江藤:シンプルズでは元々一部のスタッフで外注業務(外部の企業の業務)を請け負っておりましたが、今後は外注業務は縮小していく予定です。そのスタッフを中心に、今回のミャンマー新規事業と、本社側で手掛けるビューティー領域の新規事業に関わってもらっています。これから日本企業のアテンドも本格的に始まるので、現地調査、同行手配など、ありとあらゆる事務作業が発生するので忙しくなるでしょうね。新規事業立ち上げに関しては軌道に乗るまでは採用は進めませんが、ECオフショアの需要は増えておりますので日本語ができる人材を中心にどんどん現地スタッフを採用する予定です。でも手伝ってもらえる方がいればそれはそれで嬉しいですね。ミャンマーに興味がある日本人のインターン生も大歓迎です!

世界的に有名な遺跡や、数多くのお寺が存在するミャンマー。雄大な光景が拡がっています。

青木:最大の懸念だったネット環境も、だいぶ安定してきました。交通・物流・決済…暮らす上でも課題の多い国ですが、ビジネスチャンスは無限大です。今回ミャンマー事業として掲げている2軸は親和性が高いので、ぜひ軌道に乗せていきたいと思います。将来的には、既存のECコンサル事業に繋げていく絵も見据えています。

ミャンマーでの買い物ってこれまで、リアル店舗で買うか、フェイスブックで経由で買うかだったんですよ。後者で言えば、フェイスブック以外にユニコードを開放しているプラットフォームがなかった、すなわちミャンマー語を使えなかった、という事実がありました。今年からユニコードが解禁になり、EC界隈で一気に進出が進みました。中国のアリババ系資本で進んでいるところなど数本出てきていますが、まだまだこれからでしょうね。

入口の戦略を十分に練りつつ、スピーディに事業を展開していきたいと思っています。ITリテラシーが不十分なミャンマーにおいて、楽天のようにECアプリ経由でショッピングプラットフォーム入らせるというのは、今はまだ障壁が高いですが、いつどうなるかは分かりません。現在3か年計画くらいまでは立てています。ローカルマーケティングを着実に積み上げ、計画を実現させていきたいと思っています。

聞き手・執筆:相島 寿彌
撮影:久保田 圭祐、Simple'Z
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