2017年11月の創業から約2年、上田と赤松が2人で始めたMaclogicは、あっという間に35名ほどの従業員を抱える企業へと成長しました。創業時のエピソードや今のMaclogicについて、そして今後目指すことなどを、創業期メンバーのゆっこさんを交えて語っていただきました。
【左】上田 隆太(代表取締役 兼 コンサルタント)
新卒で楽天株式会社に入社し、福岡支社でECCを経験。インテリアEC最大手のタンスのゲン株式会社の担当時に全社MVP。楽天退社後、顧客だった赤松と共にMaclogicを創業。
小ノ上 由紀子(WEBデザイナー)
愛称はゆっこさん。飲食業とWEBデザイナー業のWワークをこなして頑張る、みんなのお姉さん。
【右】赤松 康平(取締役副社長 兼 コンサルタント)※右
新卒でEC運営大手のタンスのゲン株式会社に入社し、販促チームにおいて複数の通販店舗の店長を経験。在籍時に楽天SOYを受賞。タンスのゲン退社後、上田と共にMaclogicを創業。
コンプレックスから始まった出会い。信念が一致し、Maclogicを創業。
上田:赤松とは楽天時代に、顧客として知り合いました。始めは普通の飲み友達。段々とお互いの価値観の一致がわかり、共に事業を興すに至りました。
楽天のECCとして仕事をしていた時は、KPI設定や広告など楽天のプラットフォームを顧客に活用いただく上でコンサルタントとして求められる要素は一通り経験しました。しかし、指示はできても実務はできない、というコンプレックスを抱えていました。
じゃあ、実務できる人ってどんな人?と考えると、自分にとっての答えは赤松だったんですよね。EC大手で競争も激しい中、20代半ばで複数店舗の店長を任されるまでの実績を作っていた。実務ができて、ECにおける一通りの知識があり、彼から色んなことを吸収したいと思い、飲んでいるうちに、2人で夢持って何か仕掛けてやろうぜ!となりました。
私たちが掲げる理念、『for Achievers』には、将来に向かって平等に挑戦できる世の中にしたい、挑戦する1人ひとりを応援できる会社にしたい、という思いが込められています。その思いが赤松と一致して、共に立上げたのがMaclogicです。
最初のオフィスは久留米の空き家。畳の上で、正座で商談することも。
上田:お客さんの開拓は、上田と自分の昔のツテからがスタートです。お世話になった人たち、企業に、困っている店舗ないですか、と声をかけるところから始まりました。
大川市方面(家具の産地として有名で、通販大国といわれる福岡県の中でもECに携わっている企業・個人が多い)のお客さんが多かったこと、創業したてでお金がなかったこと、楽天時代にお世話になった久留米の会社の経営陣がサポートしてくれたことから、久留米の古い一軒家を借り、そこをオフィスとして使わせてもらっていました。
畳の上で正座してお客さんと商談したり、寒空の下遠い自販機まで走ったり、石油ストーブで暖まったりしながら2人で夜遅くまで仕事をしたのは、いい思い出です。
顧客のほとんどを紹介で獲得。新規事業を引っ提げて、これからは新規開拓に力を入れていく。
赤松:顧客で言えば、11月に創業して翌月12月には、帝国データバンクが主催した久留米の経営者向けセミナーに登壇し、新規開拓を始めましたね。そのセミナーではすぐに反響があり、3社契約を結びました。その後、福岡・名古屋・東京でもセミナーを実施しましたが、ありがたいことに、毎回反響をいただいています。先週もセミナーを実施しましたが、ECコンサル事業のニーズの高さを感じます。
弊社は全国に顧客がいますが、今後も、エリアを絞ったりすることなく全国に向けてサービスを展開していきます。これまでは、セミナーの実施のように多少は新規開拓もしていましたが、実際は紹介や口コミで案件をご依頼頂くことが多かったです。これからは、新規事業も立ち上がったので、より積極的に自分たちで営業をかけていこうと思っています。テレアポ等はしません。SNSマーケを手掛ける会社や広告代理店など、相性のいい企業と代理店契約を結び、顧客を広げていく予定です。『楽運』という新サービスをきっかけに、益々顧客が増えていくことが想定されますので、キャパシティは大きく持っておきたいと思います。
私たちのバックグラウンドもあってか、メーカー・製造・貿易関係など、規模の大きい店舗からよくご依頼いただきます。もちろん大事にしたいお客様たちですが、私たちの元々のコンセプトは、ヒト・モノ・カネのリソースに困っていて、ノウハウの少ない小さな店舗に対してコンサルティングし、店舗を大きくする、ということにあります。店舗運営者の業務負荷を減らすITサービス『楽運』は必ず、そういった顧客の力になる商品です。まずは『楽運』から試していただき、その後コンサルティングを受けていただくことで成長を促進する、という流れを考えています。
成長は想定通り。コミュニケーションロスは解消したい。
小ノ上:2人が事業を始めてすぐのころ、デザイナーとして入社しました。デザインは職業訓練校で学び、前職時代にPhotoshopを使用してチラシを作ったりする中で、実務経験を積みました。WEBデザインを本格的に始めたのは、Maclogicに入社してからです。久留米の空き家で3人で、毎日頑張って働きました。つらいこともあったけど、基本的に楽しかったですね。泣いたり笑ったり、思い出が多いです。
上田:その当時はゆっこさんが唯一のデザイナーだったので、WEBデザイン未経験な中で色々仕事を任せ、知らず知らずのうちにプレッシャーをかけてしまいました。ゆっこさんのお母さんにこっぴどく怒られたこともあります。本当すみませんでした。
小ノ上:私が入社したのは、その当時タウンワークで求人を見かけた際に、WワークOKと書かれていたことが理由として大きかったですね。母が自営業を営んでおり、それを手伝っていたので、時間の融通が利いて万一のお休みにも理解がある会社を選ぶことが、自分としての絶対条件でした。実際に色々気遣ってもらえて、本当にありがたいです。今はフルタイムで働ける方を募集しているようですが、根本の柔軟性は変わらないので、ご家庭がある方も働きやすい会社だと思います。
そのあと入社したメンバーも、周囲の方も、Maclogicの急ピッチな成長に驚いているようです。私はそんなに驚いていないですね…2人と会った時から、こうなることは想像できていたので。なるようにしてなったな、という感想です。
唯一の不満は、2人と距離が遠くなったこと。人が増えて、事業が大きくなって、話す機会が以前より減ってしまいました。組織として仕方ないことだとは思いますが、何とか考えてほしいかな…お願いしますね!
赤松:それは否めないですよね。ゆっこさんの言う通りで、コミュニケーションロスは改善しようと、幹部で色々話し合っています。Maclogicでは毎月締会を実施していますが、必ずそこで全員の顔を見て、状態を見て、会話が生まれるように気を付けています。あとは、非公式ですが、バーベキューしたりとかね。参加率はめっちゃいいですね。意識して話す場を作っています。
創業時も今も、軸はブレていない。同じ方向を向いて走れるメンバーを募り、鍛えていきたい。
上田:事業においては、創業時からの変化は多少ありますが、年々描くものとして、基本的な軸はブレていないです。ただ、従業員も増え、社内が多様化してきました。毎月1~2名入社するようなペースで採用も続けていく予定です。会社の成長=人の成長だと思っているので、理想に近いフルマックスの状態で走り続けられるよう、多様な人材をそれぞれに鍛え、同じ方向を向いて走り抜けるように、会社の理念を浸透させていきたいと思います。温度感は、会社全体でもっていく必要がありますよね。
メンバーの成長を促進できれば自ずと、今描いている成長は叶えていけると思っています。そのために、社内で学べる環境を提供していきたいと考えています。例えば、メンター制。これはすでに実施しています。ノックという形で、新入社員にはスモールステップでハードルを設け、最終ハードルをクリアできれば担当店舗を持てるようなプログラムを作っていますが、その支援者としてメンターがつきます。その後も、職種を横断した形で小チームを作っているので、個々がEC運営の全体像がより良く見えるようにしたり、それぞれの動きや溜まっているタスク、悩みにより気づきやすいようにしたりというように、工夫しています。
赤松:また、日報を運用しています。今週何を頑張るかを週の始めに決め、幹部宛に日々発信してもらいます。自分たちは必ずそれを見て、レスポンスし、成長を支援したり、メンターや小チームのメンバー間でも拾えていない課題等がないかを確認しています。弊社はセールスフォースを導入しており、今後様々な業務を数値化・可視化し、状況を常にデータとして抜き出したり、過去のデータに遡れるようにする予定です。そうなることで、業務効率化のみならず、教育体制のあり方も少しずつ変わるかもしれませんが、どうやったら社員の成長を支援できるか、日々模索しています。
上田:働き方における制度としては、現在構築している最中ですが、リモートやフレックスタイム制なども積極的に導入していきたいと思っています。また、今後は営業寄りのポジションも増やしていくと思うのですが、そういう層はフルコミッションもありだと考えています。
色々なことを糧に成長できるひと、やる気にあふれた人を募集中です!
上田:男女問わず、気合が入っている人と働きたいですね!もちろん成長のきっかけも与えていけたらと思っていますが、能動的に動き、色んなことを糧にできる人、意欲にあふれている人と働けたら理想です。ベンチャーだからこそ、それぞれの成長に貢献できる部分がきっとあると思います。
赤松:経験がある人もない人も、それぞれの会社のやり方を習得していく必要があるという点では同じだと思います。なので、素直に吸収できる人、上田と近いですが、やる気がある人に来てほしいです。例えば学校の部活って、義務感でやるものではないですよね?自分が望んで入部し、楽しみながらやるものだと思います。Maclogicでの仕事も部活のように、楽しくのめり込んでいける人が合うと思います。
小ノ上:同僚として働くなら、ぜひポジティブな人がいいですね!ベンチャーだからこそ変化も多く、着いていくのは時に大変ですが、前向きに一緒に楽しめる人と働きたいです。
聞き手・執筆:相島 寿彌
撮影:久保田 圭祐