先日、エストニアに視察に行ってきました。
エストニアは実はマイナンバー先進国ということで世界から注目されていて、
安倍首相や著名人なども訪問されています。
また、マイナンバーによる完全自動化により会計事務所の存在価値がなくなっている、という話もあり、会計業界の中では有名です。
実際、給与や社会保険料その他の情報が完全にマイナンバーに紐付いているので、確定申告はクリック数回で完了するそうです。
人口は130万人くらいととても小さな国です。
ですが、小さいが故なのか、国としてまとまりがあります
強みや弱みを正確に理解して、国としての方向性を整理しフォーカスしてきています。
データベースの構築と活用
マイナンバーなどのデータを整備するのは国家の仕事、そのビックデータを利用したビジネスを開発するのは民間の仕事、という風な役割分担があるそうです。実際のデータもそのように整備され、民間はそのプラットフォームを活用して新たなより人々が便利になるビジネスを生み出しています。
見せて頂いたものは不動産のデータベース。GoogleMapのような区画が分かれていて、どのように区画が分かれているのかが一覧でき、その土地の情報が細かく表示され、最後には売りに出されているのかなどの情報も見られます。なので、買いたいと申し出ることにより、直接取引も進められます。
徹底的にシンプルな税制
また、税制のルールはびっくりするくらいシンプルです。
ざっくりいうと、税率は20%と定め、消費税も所得税も法人税(利益ではなく配当にかかります)も押しなべて20%で統一しています。
この異常にシンプルな税制構造は専門家でなくても容易に理解でき、専門家の解説など一切不要です。専門家に聞かずとも社長自ら判断できます。
この背景には、会計のプロなどの人材が、税制にかかわるサポートをお仕事としてしまうと、才能がもったいない。会計のプロフェッショナルは単純作業ではなく起業して新ビジネスを創設すべきという発想があったと聞きました。
選択と集中
人口130万人は、東京の人口1200万人と比較しても国家としてはとても小さいです。
とにかく人が少ない。このことをしっかり把握していて、
①国としてのフォーカス
国家として百花繚乱の絵は描けない。ソ連からの独立時に、たまたまエストニア領内に研究所があったことから、バイオとITに国家としてフォーカスすることを定めた。その結果、e-govermentなど世界的に見ても先進的なモデルが出来上がり、skypeなどの有力起業家も現れた。
②企業としてのフォーカス
企業としても同じ事が言えます。人が少ない。
お話を聞くと、人海戦術で売っていく戦略は最初から考えない。したがって、Webで展開できるサービスで、売り込まなくても売れるような思わず使いたくなるような「圧倒的に便利なサービス」を開発。当然国内にはマーケットもないのでWeb経由で販売なので世界に展開が前提。
そう考えると、企業にはそんなに大人数は必要ない。10人いないくらいのベンチャー企業で、とっても大きなことまでできてしまう。
ベンチャー企業のたまり場のようなシェアオフィスを訪れました。ここは、旧国鉄の事務所だったビルを改装して作った(と思います)
中では入居企業のプレートが貼ってあります。成功に向けたステージが上がると上の方にきて、資金確保していくにしたがって、★がついたりとルールがあるそうです
本当に様々な学びを得られました。
日本とは状況も制度も歴史も大きく違うのですが、学びになる部分は本当に多かったです。
日本に取り入れられる部分も多く、来年の事業計画に盛り込んでまいります