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コンテンツ流通技術のPulit、プレシリーズAラウンドで資金調達を実施——民放・アニメ製作会社・出版社とPoCを運用中、年内に本サービスへ

東京を拠点とし、デジタル画像のコンテンツ流通技術を開発する Pulit は21日、プレシリーズ A ラウンドで資金調達を実施したと発表した。調達先や調達規模は明らかにされていないが、関係者によれば、このラウンドに参加したのは、同社の事業内容にシナジーが期待できる広告系の CVC 1社と IT 系の事業会社1社とのこと。調達金額は明らかになっていないが、数億円前半と見られる。今回の調達は、Pulit にとって、2016年8月に実施したシードラウンドでの5,000万円の調達に続くものだ。

Pulit の開発した「超流通」のスキームでは、コンテンツホルダーや製作者が配信したい映像を Pulit のクラウド環境にアップロードすることで、その映像のカバー画像に専用の電子透かし(Robust Image Watermark)が埋め込まれ、ダイレクトアクセスリンク(URL)が発行される。ユーザはこのダイレクトアクセスリンクをクリックすることで、パソコンやスマートデバイス上で OS ネイティブのプレーヤーが起動され映像が視聴できる。DRM 制御も機能するので、コンテンツホルダーや製作者が設定した条件に基づき、ローカル環境に動画を保存したり、再閲覧したりすることも可能だ。

昨年の事業発表以降、Pulit では、今年3月〜4月には民放6社(在京3局、在阪3局)・大手出版社4社・アニメ製作会社3社との PoC を実施(Low-Fidelity PoC)、今年5月〜6月には民放10社・大手出版社6社・アニメ製作会社3社に加え、ニュースメディアや SNS なども参加しての PoC を実施している(Middle-Fidelity PoC)。今後、7月から8月にかけクローズドβテスト(High-Fidelity PoC を兼ねる)、9月から10月にかけオープンβテストを経て、年内には Android / iOS ビューアのローンチとあわせ本サービスを開始したい考えだ。

従来から、コンテンツホルダーや製作者がコンテンツ配信をする場合、何らかの配信プラットフォームに依存せざるを得なかった。このため、自由なマーケティング施策ができないなどの理由からコンテンツホルダーのトップティアのコンテンツを流通に乗せづらく、ミニマムギャランティ(ユーザの閲覧回数にかかわらず、プラットフォームにコンテンツホルダーが支払う配信委託ための最低料金)が発生するためニッチなコンテンツを扱いにくかった。

Pulit CEO の K.W Lee 氏によれば、Pulit を導入することでコンテンツホルダーは自社コンテンツの直販が可能になるためトップティアコンテンツを流通させやすくなり、また、ニッチコンテンツも流通に乗せやすくなるので、ロングテイルの市場も生まれやすいだろうと期待している。彼は、今後は全国にある民放各社との提携、まんが・小説・雑誌のマイクロコンテンツ・絵本・写真などのコンテンツ分野にも事業展開していきたいと語った。

日本における動画コンテンツの IP ホルダーは突き詰めると3社に行き着くらしく、つまるところ、この3社を口説き落とすことができれば、Pulit はこの分野におけるドミナントになり得るようだ。詳細は明らかになっていないものの、今回の資金調達先はこの戦略に密接に関係しているものと考えられる。

今回の調達を受け、Pulit は現在の4人から6人に(開発の外部協力者を含めると10人に)体制を強化するとしている。

掲載記事 :

The Bridge

TechCrunch

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