お疲れさまです。リンキンフェローズ清水です。
前回、塊根植物にドハマりした話をしましたが、今回も引き続き植物話です。
「実生」これ、読めますか?
「じっせい」ではないです。「みしょう」と読みます。今日はこれだけ覚えていって奥さん!
実生(みしょう)とは、種子から発芽したばかりの植物のこと。
子葉や第一葉のある時期を指し、一般にいう芽生えのこと。
転じて種子から発芽させて新しい植物体(苗)を得ることをいい、また広義にはそうして得られる成長した植物体をも指す。(wikipediaより)
植物界隈では種から発芽させた個体を「実生株」なんて言い方をします。
今回は、憧れのグラキリスの実生にチャレンジしてみたよってお話です。
はじめに
実生するにあたり、必要となる準備や工程を記載していくとそれだけで結構なボリュームになってしまうので、要点を絞った形で記載します。詳細が知りたい場合は調べてみてください。
また、諸々の選択肢は人それぞれのやり方がありますので、あくまで自分は今回こうしたよ、という参考までに。
・種子
メルカリにて採取したて(自称)の種子を10粒購入。(¥1500)
後述しますが、種子の入手経路が実生における最重要要素だと思います。
おまけの1粒含め、全11粒。
・播種先(容器・土)
ド定番商品、プレステラ90が容器。
鉢底石は敷かず、普段使いしているオザキフラワーパークの多肉植物用の土を入れ、
表層に細粒の赤玉土を敷きます。
播種前に熱湯消毒。これは微塵抜きと種がカビないようにするおまじないみたいなものです。
・播種する前に
規定量のメネデール、ベンレート溶液に24時間程浸す。
メネデールは栄養剤、ベンレートは消毒液。
個人的にはベンレートはなしでも良いと思います。
これもカビ対策で、やらないよりはやっておいたほうが後悔しないよね、程度の微弱なおまじないです。
投入すると乾燥状態の種が水分を含み、沈みます。
沈まない種もありますが、発芽への影響はないので、別段気にすることはありません。
いざ、播種
翌日、準備しておいた容器へ播種!
ピンセットで等間隔で置いていきます。サイコロの⚄と⚅の目の形で計11粒。
グラキリスは好光性種子(発芽時に光を必要とする)なので、土には埋めず、ただ置くだけでOK。
以降は
・腰水管理(初日だけメネデール+ベンレートのあまり溶液で以降は水)
・朝/晩の2回、発芽まではメネデール溶液にて霧吹き、以降は水
・昼間は室内でLEDにて1日12時間照射、夜は屋外管理
・気温25℃以上を保ち続ける
・室内時はサーキュレータにて常時空気を撹拌
です。
容器に入れて密閉したり、ラップを被せることで湿度を上げるスタイルもありますが、
6月末の梅雨どきの播種だったこと、他のパキポディウム播種で効果を実感できなかったことから
それらは行わず、この状態のまま管理していきます。
そして発芽のとき
播種から6日後、徐々に発芽がはじまります。kawaii!
さらに播種から14日後はこんな感じにまで成長。
ここに来て発芽しはじめるものもあり、発芽は9/11、発芽率81%。うーん優秀!
と、さも順調そうな雰囲気を醸していますが、
ここに至るまでには紆余曲折ありました。
そこで、注意事項を書き記しておこうと思います。失敗は成功のマザーです。
①発芽しなくても泣かない
ものにもよりますが、種1つで100円以上、希少種であれば平気で1000円以上します。
当然、より多く発芽、成長してくれることを期待してしまうわけですが、
発芽率100%はそうそうないと思います。
今年の実績値を記載すると、
・ビスピノーサム (SHOP購入)→3/6発芽、生存1/6
・マカイエンセ (SHOP購入)→2/6発芽、生存2/6
・デンシフローラム(SHOP購入)→1/6発芽、生存1/6
・ホロンベンセ (SHOP購入)→5/11発芽、生存5/11
・グラキリス (メルカリ)→2/11発芽、生存2/11
・グラキリス (メルカリ)→9/11発芽、生存9/11 <-本記事のロット
このくらい。いずれも環境は共通なので、種の管理状態と鮮度に大きく依存するものと思われます。
うまくいかなくても泣くんじゃない!
②カビたって泣かない
特にグラキリスについては、白カビが発生しやすいと言われています。
その対策としてベンレートに漬けたり、噴霧したり、風を当てたりするわけですが、
これも①同様、管理状態と鮮度に大きく影響を受けると考えます。
他にも発芽チャレンジ種子として無料でゲットしたグラキリス種子もあったのですが、
何をすれどもカビまくり、結果ひとつも発芽せず、という悲しいロットがありました。
(発芽率は10%程度とのことで、文字どおりのチャレンジ種子)
が、今回のグラキリスはカビる様子は微塵もなく、早いものは播種翌日には発芽しはじめていました。
きちんと環境を用意してあげ、世話をし、あとは運を天に任せましょう。(運否天賦)
③余計なお世話はしない
日々の発芽を見守っていると、
・殻がうまく破れなそうなもの
・地面側に発芽していないもの
・うまく根付いていないもの
のようなつい手を貸してあげたくなるケースが往々にして発生します。
殻を外したり、土に埋めてあげたり、といった老婆心がムクムク湧き上がり発動しそうになりますが、
この困難を乗り越えられない個体は結果、そのあとの成長も上手くいかないケースが大半でした。
これは時間がかかれど本来予定している起動シーケンスを踏む、ということが重要なのだと考えています。
なのできちんと環境を整えたら、あとは当人の立ち上がる力を信じて黙って見守ること。
人間と同じですね。
④とにかく種の鮮度が重要 of 重要
今回のグラキリス種子は、採取2日後(自称)の触れ込みのものでした。
真偽のほどは確認する術がないですが、反応の速さ、発芽率の良さからおそらく本当に新鮮なものだったと思います。
運良くいい人から買えただけだろ、と言われればそれまでですが、
・出品履歴から、採取日と出品量の妥当性を確認
・一年前も同タイミングで採取/出品していることを確認
・グラキリス種子以外の出品が少ないことを確認
し、購入先を決定しました。これが結果的にいい人を見つけられた要因なのかと思います。
ベストは信用できる人から新鮮な種を入手する、これに尽きると思います。
と、自分なりに得た知見を記載し今回はこれで終わりにしようと思います。
現在8月上旬、引き続きパキポディウムたちは生育期間なので、
無事成長してくれたらまた成長録を書こうと思います🌱
【おまけ】
火星人のお手製リースは少しずつ、ボリュームが出てきました🎄