なぜ「可愛い」のか?
可愛いと大人気の「ちいかわ」と「おぱんちゅうさぎ」。キャラクターファンでない方でも、一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
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近年SNSで急増するキャラクターの中でも、その姿を見ない日はないくらい人気なのがこの二つ。あの愛らしい姿を構成する要素は一体何なのか、紐解いてみましょう。
何気なく私たちが感じる「可愛い」には、人間の心理的な要因がたくさん詰まっています。
・見た目の要素
まず、見た目についてです。丸くてもっちりしていそうなフォルム、ずんぐりむっくりな2等身、ラフで手描き感のある有機的な線、シンプルなデザインなど、これらのキャラクターは共通して「ベビースキーマ」という人間や動物の赤ちゃんに見られる身体的な特徴を多く含んでいます。有機的な線は無機質な線よりも柔らかく、緊張感を解くようなゆるい印象を与え、ふわふわしていそうなキャラクターのフォルムと良く馴染んでいます。さらに、緻密な描写ではなくシンプルで素朴なデザインがラフな手描きの線と相まって「可愛さ」を演出しています。
・時代背景
次に、時代背景についてです。現代社会のストレスや不安から、癒しや安らぎを求める需要が高まっています。ほのぼのとした雰囲気や愛らしい外見を持つキャラクターが人気を集める理由の一つとして考えられるかもしれません。
一見すると、可愛いキャラクターは何でも万人に受け入れられるように思われがちですが、決してそうではありません。その背後には、様々なロジックや仮説検証があり、その結果、多くの人から共感を得やすいという構造になっていることが、これらの事例から読み取ることができます。
さて、人気キャラクターが企業広告に起用されることが多い昨今ですが、広告にキャラクターを活用する際には、いくつかの重要な注意点があります。
まず、共感を得やすいという理由だけで可愛いキャラクターを起用するのは避けましょう。ターゲットや広告内容と世界観が一致しない場合、利用者にマイナスなイメージを与えてしまう可能性があります。広告にキャラクターを活用する際には、ターゲットを明確に設定し、どのようなものが共感を得やすいのかをイメージしながらデザインを行うことが非常に重要です。
では、どのようにキャラクターと広告の世界観を合わせるべきなのでしょうか。そこで重要になるのが「トンマナ」に合わせたキャラクターデザインです。
トンマナって何?
具体例を挙げて解説する前に、まず「トンマナ」についてお話しします。webや企業ブランディングなどでよく紹介されているため、ご存知の方も多いかもしれません。トンマナとは、トーン(色合いや調子)&マナー(作風や様式)の略語で、デザインの一貫性を指します。
広告においては、単にデザインを一貫性のあるものにするだけでは不十分です。企業の雰囲気、ターゲット層、持たせたいイメージなど、すべてを考慮してベースとなるトンマナを整える必要があります。私たちはアニメーション広告案件においても、グラフィックの制作から映像全体のトンマナを最初にしっかりと設定して制作に取り組んでいます。
ターゲットに合わせたキャラクターデザイン
ここからは、前述のロジックに基づき、自社で関わった広告映像で制作したキャラクターのデザイン工程についてお話しします‥
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