【プロフィール】
西澤岳彦 ディレクター / アートディレクター
フリーランスの映像ディレクター / アートディレクターとして活動後、2016年 LIGHT THE WAY Inc. 設立。
心地よい動きを追求したモーショングラフィックスとコンセプチュアルな表現を得意とする。インフォグラフィックスから実写まで手法を問わず、想いを伝える表現を創り出す。
過去の受賞歴にCannes LionsやThe One Showなどがある。
本プロジェクトではディレクターを務めた。
望月恵 アカウントディレクター / プロジェクトマネージャー / プランナー
女子美術大学卒。2016年 LIGHT THE WAY Inc.入社。
主にプロジェクトの進行管理、資料作成、シナリオ作成やプランニングを担当する。
過去にはPanasonic「SCF2017 / 計測展2017 TOKYO」 や、京セラ「80秒で分かる太陽光発電システム」「IoTでつくるやさしい未来」「80秒で分かる、京セラのファインセラミックス」 一連のシリーズを担当。
本プロジェクトではアカウントディレクター、プランナーを務めた。
商品説明動画は優秀な営業ツール
–「CarParking 駐車場サブリース 篇」はどのようなプロジェクトだったのでしょうか?
西澤:不動産テック企業のアズームさんからご依頼をいただき、動画「CarParking 駐車場サブリース 篇」を制作しました。アズームさんは「世の中の遊休不動産を 活躍する不動産に」をスローガンに掲げ、様々なサービスを展開しています。今回は不動産オーナー向けサービスである駐車場サブリースを周知するための動画を制作することになりました。
望月:近年、若者の車離れや車の大型化による駐車場のサイズ制限問題を理由に、都心の空き駐車場が増加しています。利用者が減少するとオーナーである管理組合は賃料収入が減少し、資金不足に陥ります。
そこで需要が高まっているのがサブリースです。サブリースとは駐車場の専門の会社に委託することで、安定的な収入を得ることができるシステム。アズームさんはこうした問題をテクノロジーの力で解決するべくサービスを展開しています。
西澤:はじめに伺った要望は「自社のサービスの仕組みを動画の中でしっかりと説明してWEBサイトに埋め込む形で使用したい」というもの。既に、サブリースを使った自社サービスの説明はWEB上でテキストと図解で行ってたので、動画を加え、わかりやすく自社サービスの良さを知ってもらいたいという相談でした。
–商品説明のための動画をつくりたいという依頼だったのですね。
西澤:情報を理解するまでの手間がかかればかかるほど、ダイレクトに問い合わせ数を減らしてしまいます。テキストで複雑な情報を伝えるためには時間をかけて読み込んでもらわなければなりませんが、動画ならその必要はありません。その点で、非常にプロモーションに効果的なメディアなんです。また、テキストや画像よりも表現の幅が広く、短時間で多くの情報を伝えることができます。
ヒアリングを進めていくと、サービス自体の認知向上よりも具体的なサービスの理解を促したいとのことだったので、潜在顧客に対してサービスの有用性をアピールし、顧客獲得に繋げることを目的とした動画設計プランを提案いたしました。
望月:今回の動画制作では、実際に動画を活用される当事者の営業担当者にもご意見を伺いました。そこでわかったことは、不動産オーナー様は日々忙しくされている方が多く、なかなか時間が取れないということ。コロナウイルスの影響もあり、直接対面での顧客訪問はご時世的に敬遠されることもあるということは容易に想像がつきました。
そこで「WEBサイト上でのサービス内容理解度向上の活用」に加えて、営業活動のサポートツールとしても有効活用できるような内容を盛り込む仕様をご提案しました。
動画はこちら (https://youtu.be/lUCywST_Zms)
–詳しく伺えますか?
西澤:動画はyoutubeなどにアップしておけば、自分の好きなときにいつでも何度でもみることができます。なので、お客様と対面でお会いできる時間が限られている環境において、動画はとても有効です。例えばアフターフォローのメールに動画のリンクを添付しておけば、お客様の好きなタイミングで納得行くまで何度も確認が可能です。このように、WEBサイト上のプロモーションと、営業活動の両面から、映像の活用効果が期待できるのです。
次に、課題解決のためには、どういった構成にすべきかを議論しました。動画をどのように活用するのか。誰に、どういった内容を伝え、視聴者にどんなアクションを期待するのか。俯瞰した目線で情報を整理し、全体の構成を緻密に作り上げていく作業です。
今回は「サービスの良さを理解して頂き、導入につなげる」という点から精査していきました。サービス説明動画は、24時間営業マンがそこに立っているようなものです。「売上に直結するような問い合わせにつながる動画」を一つのゴールと意識しました。
–そのような視点は、クリエイティブにどのように繋がっているのでしょうか?
デザインや映像表現で気をつけたところは、一過性のすぐにあきられてしまうような廃り流行りがあるような表現ではなく、普遍的なメッセージを発信し続けられるような「耐久力を持ったクリエイティブ」であること。そういった意味でインフォグラフィックスを活用したモーショングラフィックス表現は、今回の案件にはうってつけだったと思います。
ヒアリング時の「ユーザー目線」を保ち、アウトプットに結びつける
–ヒアリング時にはどのようなことを意識していましたか?
望月:ユーザーが「使ってみたい」「便利だな」と思える部分が伝わるようにシナリオを作っていきました。ヒアリング時にクライアントが伝えたい内容を事業概要の資料とともに頂いたのですが、情報量は膨大。「ここを際立たせましょう」という提案を重ねていきました。
西澤:その時に重要になるのが「ユーザー目線」です。クライアントに比べて、私たちはよりユーザーに近い客観的な視点から構成を考えることができます。なので最初にヒアリングした時点で感じ取った印象は、プロジェクト全体を通じて大事にするよう心掛けています。
記事の続きはこちらから↓
https://light-the-way.jp/column/all/3577