「デジタルハリウッドSTUDO by LIG」(以降、デジLIG)はこの数年間で受講生・校舎数が一気に増えていきました。コロナ禍でもクリエイターを目指す人たちは増え続け、運営メンバーは挑戦する人たちを全力でサポートしています。
今回は、デジLIGの運営メンバーへのインタビュー実施。過去から現在までのサポート体制や受講生の変化、そして、デジLIGの未来を語っていただきました。
林 隼平
デジタルエデュケーション部 マネージャー
2018年入社。大学卒業後、複数の媒体にてディレクター職を経験。現在はマネージャーとしてWebクリエイタースクール事業「デジタルハリウッドSTUDO by LIG」の事業企画、運営を行い、クリエイター育成に携わる。
田中 天
デジタルエデュケーション部 スクールオペレーター
2018年入社。大阪市立デザイン教育研究所、成安造形大学卒業後、京都芸術大学院を修了。その後、カプセルトイメーカーにて広報を経験。現在は「デジタルハリウッドSTUDO by LIG」の運営を中心にキャリアサポートを行う。
大澤昇平
デジタルエデュケーション部 スクールオペレーター
2022年入社。大学卒業後、ホテル業界に就職し、キャリアプランナーとして、採用・人事に携わる。現在は「デジタルハリウッドSTUDO by LIG」にて、クリエイター育成とキャリアサポート、事業企画に携わる。
アットホーム運営から脱却し、1年間で3校舎オープン
ーーまずはじめに、みなさんが入社したころの、デジLIGの様子を教えてください。
林 隼平(以下、林):私と天ちゃんが入社したのが2018年。当時は上野校に加え、新しく池袋校ができるタイミングでした。
田中 天(以下、天):そうですね。当時は上野校と池袋校合わせて受講生は150人ぐらいの規模でした。校舎も受講生も今より少なかったので、運営が体系化されていなかったですね。
林:当時は、私と天ちゃんともう1人の計3人体制で、受講生の募集・運営・サポートなど全業務を担当してました。運営スタッフ・受講生ともに人数が少なく、みんなが顔見知りだったことから、アットホームな雰囲気でスクール運営が行えていましたね。
しかし、受講生が少しずつ増えはじめ、既存の運営体制のままでは適切なサポートができなくなりそうだと感じていました。
天:私も現場にいながら拡大していく雰囲気は感じていました。でも、この短期間で、今ほどの規模になるとは思ってなかったです。
ーー当時からWebクリエイターを目指して入学する人は増えていたんですね。増加に伴ってデジLIGの組織に変化はありましたか?
林:それまでは、みんなで全業務を担当していましたが、天ちゃんが運営や受講のサポート業務を中心に行い、私が全体を統括していくように役割を分担しました。その後、運営メンバーも少しずつ増やして、体制を整えていくことで、スクール運営の質が向上していきましたね。
天:役割が明確になっていったことで受講生と向き合うことができるようになりました。運営メンバーも増え、転職のサポートにも注力できるようになっていきましたね。
林:規模が拡大していくと、受講生と運営スタッフの関わり方も変わり、アットホームなスクール運営から脱却へ。LIGだからこそ提供できる価値を明確にし、受講生が本気で挑戦できるよう一人ひとりに伴走できる体制・仕組みが構築されていきましたね。
天:そんなスクールの体制を変化させてきた最中にコロナが流行……。先行きが見えないなかでしたが、ありがたいことに、Webクリエイターを目指して受講してくださる方が増え、さらに校舎が増えました。2021年2月に大宮校、2021年10月に北千住校、2022年3月に川崎校と1年で3つの校舎が開校し、現在は計5校を運営しています。
大澤昇平(以下、昇平):私が入社したころ(2022年の春)は、ちょうど川崎校がオープンしたタイミング。そんな忙しい状況のなかでも、運営メンバーそれぞれの役割が明確化されていたこともあり、みんながストイックに取り組んでいる姿が印象的でした。受講生が困っていたら即座に対応したり、受講生一人ひとりに向き合って運営している様子が見えていました。
そんな整えられた環境ではあるものの、自身が組織に加わることで、より拡大するきっかけをつくっていける余白も感じました。
受講生への寄り添いがスクールのブランド化へつながる
ーー規模が拡大していくなかで、受講生へのサポート体制はどう変わっていったのでしょうか。
林:私は、入社してからこれまで、さまざまな受講生のサポートを行ってきました。働きながら通うスクールのため、さまざまな事情により途中で辞めてしまう人もいらっしゃいました。最後までサポートしきれず、離れてしまうことにもどかしさを感じていました。
そんななかで感じたことは、クリエイターになるためには、最終的に個人のモチベーションと努力が大切だということです。
そのために、我々は教えるだけではダメ。目標設定を一緒に行ったり、成功体験を得られるような機会をつくったり、自身の成長を見える化するなど、モチベーションをあげられる環境づくりやサポートをしていく必要があると感じました。
ーー受講生が歩む道筋をつくっていったんですね。
林:はい、学校に入れば必ずクリエイターになれるわけではありません。しかし、頑張れば近づくことができる。その道筋をつくり、伴走してサポートしていくのが私たちの仕事です。
昇平:僕が入社したときは、その仕組みが出来上がり、まさに現場に落とし込まれている最中だと感じました。コロナ禍で需要が高まっているなかでも、受講生一人ひとりに対しての道筋をスピーディーに示していました。
天:加えて、運営メンバーと受講生のつながりも変化していきました。最近はコミュニケーションも多様化し、SNSを中心につながる機会が増えています。悩みや進捗をリアルに知れるようになり、関係が深まっていると感じます。
昇平:運営方針の変化は、みんなが「デジLIGを良くしていこう」という気持ちがあってこそだと感じました。受講生からも、「デジLIGだから入りました!」という声を聞くことがあり、スクールのオリジナリティが出来上がっていると実感しています。
天:デジLIGという言葉がSNSのハッシュタグでもよく見かけるようになり、いい意味で親近感を感じてもらっているのではないでしょうか。
林:ここ数年で、Webクリエイター向けのスクールが本当に増えてきました。そんななかでも、独自の授業を行ったり、LIGが運営している強みや魅力を積極的に発信してきたことでブランド化に繋がってきましたね。
人生や仕事において「新しい一歩を踏み出す」きっかけに
ーーこれまでやってきたことが積み重なって今のデジLIGがあるんですね。みなさんが見てきた受講生の様子を教えてください。
林:コロナになってからは、受講生の意識が変わりましたね。これまでも、Webクリエイターという職業に対しての強い思いや憧れを持って入学される人はいらっしゃいました。
しかし、コロナが流行り、多くの人が自分の将来を見つめ直したと思います。そんななかで、働き方の自由度から、選択肢としてWebクリエイターを目指す人が増えたように思います。
天:特にWebデザイナーを目指す方はその傾向が強いですね。
昇平:近年はデザインの考え方や手法を活用して、課題の解決策を見いだす「デザイン思考」という言葉が注目されています。デジLIGでも単にデザインを学ぶだけでなく、作品制作の過程で「デザイン思考」も習得できるよう指導しています。そのため、スキルだけではなく考え方を学んでいこうという人も多いですね。
ーーデザインへの興味関心が広がっているんですね。動画コースはどうですか?
林:最近、動画コースは、出版社やメディアで働いていらっしゃる方の姿をよく見かけます。自社で動画を作り、社内のコンテンツ制作に活かしていただいています。
昇平:転職するためにデジLIGに入学してくださる方もいますが、必ずしもみんながそうではありません。動画クリエイターのスキル・思考を身につけて今の仕事へ活かすことを考えている人も多くいらっしゃいます。これまでは、外部へ依頼していた仕事を内製化するために、デジLIGでスキルを身に付けていますね。
天:スクールに通う動機が多様化してますよね。
最近は、デジLIGに通っていた受講生が卒業し、新たにトレーナーアシスタントとして戻ってくれる人もいます。受講生だった経験は同じ境遇の人の気持ちが理解できますし、近い視点で教えることができます。受講生のなかには、教育が好きな人もいるため、今後はパラレルワークのきっかけになるでしょう。
林:スクールに通うことで新たな道を切り開いていく方がたくさんいます。Webクリエイターになることは、「できなかったことができるようになる」ことであり、人生や仕事においての「新しい一歩を踏み出す」きっかけになる。受講生が卒業して活躍している姿から、私たちが想像していなかった可能性が生まれています。
クリエイター人生の道筋が見える場所に
ーーここからは、みなさんが感じているデジLIGの強みを教えてください。
昇平:デジLIGの強みの1つに、クリエイティブの「言語化」があると思います。受講生が課題を制作する際も制作背景や意図を言語化して、直接伝えることを重視しています。それは、実際に企業で働く際にも大切なことであり、実践でも生きる力だと思います。
天:スクールで学んだ人が実際に転職し業界で働くようになると、自身がつくった物に対して、いろいろな人からフィードバックを受けるようになります。それまで、フィードバックを受けた経験がないと、その対応に苦労するでしょう。スクールの段階で、現役のクリエイターから直接アドバイスをもらえることは、実際の現場へスムーズに対応していけるようになるのです。
林:就職活動時のスキルセットとして、デザインの言語化はとても重要になっています。それを意識づけるために日頃の学習から取り入れています。デザインや手法を教えることも多いと思います。現場で求められているマインドや視差を踏まえ、基準に引き上げることは大切ですね。
ーー現場に即したサポートを行っているんですね。
林:はい、そのサポートは私たちLIGだからこそできることだと思っています。LIGはDX支援を行っている会社であり、デザインの知見とグローバルな開発体制を強みに世の中のデジタル上の課題を解決しています。社内の他事業部と連携することで、制作現場におけるトレンドやトピックス、現場の動きをいち早くキャッチアップし、教育現場に落とし込んでいける。それは我々の大きな強みです。
Web制作の現場は変化が激しく、情報をスピーディーにキャッチし取り入れていく必要があります。結果、受講生の目的達成に向けて、サポートの質が向上していると思います。
天:受講生のなかには、身につけたスキルの活かし方にまで目を向けられていない人もいます。 そのためには、業界の理解がとても重要であり、全体像がわかっていることで、「スキルを活かしてどんな人生を歩んでいくか」が明確になっていくのです。
それぞれが見据えるデジLIGの未来
ーー最後に、みなさんが描くデジLIGの未来の姿を教えてください。
昇平:デジLIGは「現場に通おう。〜プロ基準のWebクリエイタースクール〜」というブランドスローガンを掲げています。Webクリエイターを目指す人たちに、スクール感覚ではなく現場に通う感覚で、転職後もすぐに使えるプロ基準のサービスを提供していきたいと思っています。
天:みなさんにメリットが増えるといいなと思います。企業からは「デジLIGの卒業生ならぜひ受け入れたい」と思われるように。トレーナーをやっていることで、周囲から「デジLIGの講師やっているんですね」と一目置かれる存在に。そんな学校だから入りたい! と受講生も広がっていく。関わるみんながデジLIGを通じて、ハッピーになったらいいですね。
林:可能性を広げていける場所でありたいです。これから学んでいく受講生はいろいろな思い・目的があるなかで、Webデザインと動画を中心に、時流に合わせてさまざまな学びを届けていきたいです。
そして、LIGのデジタルエデュケーション部としては、教育を通じて、スキル向上だけでなくクリエイターを目指す人の人生を豊かにしていくこと。卒業後の支援を積極的に行うことで、企業から求められるクリエイターを創出し、社会へ貢献し、その先には、受講生・企業・トレーナーなど、関わるみなさんの相乗効果が生まれる未来を作っていきたいです。