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【学生スタッフインタビュー】周りの人のことを想像してみることができれば、あらゆる人に対して向けられる目線や起こされる行動も変わってくるのではないか

みなさんこんにちは、Learning for All (以下LFA)中途採用担当の長島です。

LFAでは、大学生が子どもたちの指導に関わるだけではなく、現場の運営にも参画しています。そしてこの現場の拠点長である大学生インターンたちを統括するのが、学習支援統括スタッフです。

今回は、2019年夏から冬にかけて学習支援拠点でボランティア教師として参加した以降、2020年春からは教室運営スタッフとして、LFAの学習支援拠点の現場を管理するインターンとして携わり続けている田尻夏希さんにインタビューにご協力いただきました。

「寺子屋」(LFAが運営する学習支援拠点)という空間づくりをする中で、人とのつながりについてより深く感じた田尻さん。どんなエピソードからそんなふうに考えるようになったのか、ぜひその声をお聞きください。


※こちらのインタビューは2020年8月に掲載したものを編集して再度公開しております※


LFAに参加した理由を教えてください。

大学進学を機に実感した「格差」の存在についてもっと学びたい、力になりたいと思ったからです。

大学に進学して友人と話したり出かけたりする中で、「欲しいと思うもの、したいと思うこと、できると思うこと」にギャップを感じ、そのとき初めて、もしかして私って相対的に「お金がない」のかなと思いました。

国公立大学に進学することについて反対されなかったし、塾や予備校にも通わせてもらったし、東京で一人暮らしをさせてもらっているという今の私の状況は、とても恵まれたことだと思います。しかし、お金がないことで周りとの違いを感じることがあるたびに悲しい気持ちになりました。

そんな中で、所得の「格差」について興味をもち、中学生の時から興味があった子ども食堂でのボランティアなどをしていたところ、大学の友人の紹介でLFAの活動を知り、参加したいと思って応募したのがきっかけです。


ー現在は教室運営スタッフとして関わっていらっしゃいますよね。

はい。私は教師として2019年夏からLFAの活動に参加し、今は、葛飾区内にある小・中学生の学習支援拠点で、拠点運営スタッフをしています。

具体的には、ボランティア教師と「子どもに対してどのような支援が必要なのか」「どのような支援をしたらいいのか」ということを一緒に考えたり、指導準備のサポートをしたりする他、そのプログラム全体で子ども・ボランティア教師のみんなにどういうものを届けたいのか、どういうものが届けばより質の高い支援やみんなの成長につながるのかということを考えながら、拠点作りのサポートをしています。


LFAに参加する前と後で一番変わったのはどのようなところだと思いますか?

一番の変化は、他者に対する想像力を持てるようになったことだと思います。

小学校や中学校のときに同じクラスだった、「いつも遅くまで公園で遊んでいたあの子」や中学校で同じクラスだった「中1の最初に習う問題が解けなくて、先生にずっと『なんでできへんの』『私ちゃんと教えてるねんからあんたの問題やろ』と怒られていたあの子」のことが、当時私はよくわかりませんでした。

しかし、大学に入って視野が広がり、そしてLFAの活動に携わるようになっては初めて、その子たちが抱えているもの、今私の周りにいる人が抱えているものを想像してみることができるようになりました。

これができるようになったのは、LFAの活動の中でいろいろなことを見たり感じたりしたという経験はもちろん、自分の感じたことを率直に伝えられる機会があったり、上手く伝えられなくても言語化できるまでずっと聞いていてくれた友人がいてくれたりしたからだと思います。

だからこそ、世の中のもっと多くの人が、ちょっと立ち止まって周りの人のことを想像してみることができれば、あらゆる人に対して向けられる目線や起こされる行動も変わってくるのではないか、と考えるようになりました。


LFAで活動する中で、一番印象に残っている出来事を教えてください。

「寺子屋」(LFAの学習支援拠点)という空間について考えたことをお話しします。

約1年間LFAに関わる中で、ボランティア教師と子ども、子ども同士の関係を寺子屋でたくさん目にしました。

例えば、昨年度私が担当していた子の中には、学校も家も寺子屋で勉強していることも全然違うけれど寺子屋を通じて仲良くなり、来るたびにお互いのことを気にかけて、寺子屋を卒業して高校生になってからも仲良くしている子どもたちがいます。

また、私が担当した生徒は、推薦受験の前日の指導日に、明日受験だということを知った他の子どもたちからお手紙をもらっていました。その次の指導日に、「(もらったお手紙を)当日の朝電車で読んで、不安だったけど頑張ろうって元気が出た」と言っていました。

「寺子屋」という空間の中で、子どもたちが相手のことを応援しようと思えることや、その応援で勇気付けられるというつながりがとてもいいなと思いました。

LFAの拠点に来てくれる子どもたちは、例えば塾や習い事に通わせてもらえるような子どもばかりではなく、学校と家庭以外で人との関係を築く場が少なかったり、上手くいかなかったりすることがあります。

その中で、「寺子屋」という空間があることによって彼らは、学校のテストや受験など、立ち向かわねばならないことに対して、応援してくれる存在や、頑張りや成長を継続的に見てくれる存在に出会えているという経験は、とても意義があることなのではないかと考えています。

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