この記事はscouty HR TECH LABの記事を転載しています。
http://hr-tech-lab.scouty.co.jp/
scoutyのマーケティング担当の染谷です。HR TECH LABには初登場ですが、今後も色々と人事の方に役立つ情報を投稿していこうと思っております。
さて、scoutyでは、人工知能・機械学習を活用してWeb上のオープンデータを分析することで、エンジニアのスキル・志向性の判定や、転職可能性の予測などを行っています。先日scoutyの転職可能性の予測精度をさらに高めるために、転職活動についてのアンケート調査をご協力いただける方を募って行いました。この調査結果が示唆に富んだものなので、HR TECH LABで紹介させていただきます。
特にエンジニア採用に関わっている人事担当の方には採用施策を考える上でヒントになるのではないかなと思っております。ぜひ、ご一読ください。
実施したアンケートの概要
まずは、今回行ったアンケート調査の概要をお伝えします。今回のアンケート調査は2017/12/27〜2018/2/9の期間にて、転職経験のある254名の方に回答していただきました。うち、エンジニアの方が117名、エンジニア以外の方が137名となっております。回答者の職種の内訳は下のグラフをご覧ください。
※グラフ内の数字は職種ごとの回答者の人数です。
このような皆様に以下のアンケート項目にご回答いただきました。
アンケート項目:
項目1:どのような手段で転職活動を行いましたか?(複数選択)
・ビズリーチなどの転職サイトに登録した
・エージェントに相談した
・友達の所属している会社に訪問した
・スカウトメールを受けとった(ヘッドハンティングを受けた)
・Wantedlyや企業の募集ページで自分から直接応募した
・友達に他社の人事担当者を紹介してもらった
・企業やエージェントの開催するイベントに行った
項目2:転職活動時にした(起こった)覚えがあることをすべてチェックしてください。(複数選択)
・Wantedlyを始めた
・Wantedlyのプロフィールを変更した
・Linkedinを始めた
・Linkedinのプロフィールを変更した
・Twitterを始めた
・Twitterのプロフィールを変更した
・キャリア関連のイベントに参加した
・興味のある会社のイベントに参加した
・新しいことを勉強するようになった
・GitHubにレポジトリを一気に上げた
・Qiitaの投稿数を増やした
・ブログの更新頻度を上げた
・ブログで、「転職活動中」ということを示す投稿を自分でした
・遅刻が増えた
・残業が増えた
・残業が減った
・リモートワークをする機会が増えた
・社内の友達との飲み会やランチの回数が増えた
・社外の友達との飲み会やランチの回数が増えた(面談先の企業の関係者は除く)
・Twitterでのツイート数が増加した
・SNSで、「転職活動中」「転職したい」「仕事辞めたい」「会社が辛い」といった投稿を自分でした
・SNSで、プロフィールか名前に転職活動をしていることを示す文字列を含めた
・Facebook上で、面接を受けた企業の人事と友達になった
・Facebook上で、エージェントの人と友達になった
・Facebookでの友達数が急増した
・社内のまわりの人が退職していった
・会社の業績や株価が下がったり、会社で不祥事が起こった
こちらのアンケート結果について、レポートしていきます。
調査結果①:エンジニアはエンジニア以外の職種と比べて、圧倒的に“友達のつて”で転職活動する
まずは一つ目の項目「どのような手段で転職活動を行いましたか?」の回答結果についてご紹介します。
こちらの回答結果を見るとエンジニアはエンジニア以外の職種と比べて、圧倒的に“友達のつて”で転職活動するといえます。グラフの赤枠で囲まれた箇所をご覧ください。転職活動の手段として「友達の所属している会社に訪問した」は、エンジニアの35.59%が実施しているのに比べ、エンジニア以外の職種では13.87%しか実施しておりません。また、「友達に人事担当者を紹介してもらった」はエンジニアの22.03%が実施しているのに比べ、エンジニア以外の職種では11.68%しか実施しておりません。つまり、エンジニアは、友達のつながりを利用して転職活動を実施する割合が、非エンジニアに比べて圧倒的に多いのです。その他の項目ではそれほど差がないことと比べると、歴然とした差が表れています。
この“友達のつて”で転職活動する層をもう少し細かく見ていきましょう。
こちらは、「友達の所属している会社に訪問した」、「友達に人事担当者を紹介してもらった」という“友達のつて”での転職活動を実施しているエンジニアの転職サイト(「ビズリーチなどの転職サイトに登録した」)・エージェント(「エージェントに相談した」)の登録状況をまとめたグラフです。
こちらを見ると転職サイトやエージェントを利用する層も一定数いるものの、”友達のつて”で転職活動を行う41.8%が転職サイトやエージェントといった従来型の転職サービスを利用していないことがわかります。エンジニア採用を行う人事の方からすると、このような層に対しては従来型の転職サイトやエージェントでアプローチができないのでアプローチの仕方を工夫する必要があると言えます。
調査結果②:SNS上の動きをチェックすれば、エンジニアの転職タイミングが見えてくる
続いて、二つ目の項目「転職活動時にした(起こった)覚えがあることをすべてチェックしてください。」の回答結果について見てみましょう。
こちらは項目が多いので、エンジニアの回答のみをご紹介します。
目立つのは、「Wantedlyのプロフィールを変更した」(38.14%)、「Wantedlyを始めた」(24.58%)、「Linkedinのプロフィールを変更した」(24.58%)といったSNS上での動きです。特にWantedlyやLinkedinといった転職活動の親和性の高いSNSを始めたり、プロフィールが更新された際は転職活動を始めた兆しになりそうです。
もし、今は転職活動をしていないものの、転職活動を始めたら採用したいと考えているエンジニアの候補者がいる場合は、その方のSNS上の動きをチェックすれば、転職タイミングが見えてくると言えそうです。SNSに関わる回答では、今紹介した項目ほど実施者は少ないものの、「SNSで、「転職活動中」「転職したい」「仕事辞めたい」「会社が辛い」といった投稿を自分でした」という行動を11.86%の方がされているというのも注目に値します。こちらも転職活動開始のサインとなり得ます。
また、「社内のまわりの人が退職していった」(34.75%)も、転職活動開始のシグナルとして活用できる可能性があります。とある会社から転職したエンジニアがいる場合は、その会社の他のエンジニアも転職を検討しているかもしれません。
その他で目立つのは「新しいことを勉強するようになった」(35.59%)、「興味のある会社のイベントに参加した」(27.97%)など、転職活動時のエンジニアは勉強やイベント参加に積極的になるのも特徴です。採用活動の一環としてすでに実施している企業も多いと思いますが、勉強会やイベントは転職活動をしているエンジニアに有効な施策と言えそうです。
まとめ:候補者のSNSの確認と、転職潜在層に向けた施策の実施が重要
ここまで、弊社の実施した転職前行動のアンケートの結果をレポートしてきました。
この調査結果の重要な結論は、エンジニアはエンジニア以外の職種と比べて、圧倒的に“友達のつて”で転職活動するということです。また、そのようなエンジニアの41.8%は転職サイトやエージェントを活用していないということも重要です。
この事実を踏まえると、転職サイトやエージェントを利用する、いわゆる転職顕在層のエンジニアに向けた施策の実施だけでなく、転職サイトやエージェントを利用していない転職潜在層のエンジニアに向けた施策も重要となります。転職潜在層のエンジニア向けの施策も、今すぐの転職を狙う施策はもちろんのこと、中長期的に採用に繋がる施策として、採用したいエンジニアと自社エンジニアとの関係性を作り、採用したいエンジニアが転職を考えた際に自社を頼ってもらえるようにするなど、自社の状況に応じていろんな施策を検討できそうです。
もし、採用したいエンジニアが自社のエンジニアと友達だった、もしくは友達になった場合は、その方のWantedlyやLinkedinなどのSNS上での活動を定期的にチェックすると転職活動のタイミングが見えてくる可能性があります。また、そのようなエンジニアを対象とした勉強会やイベントなどの実施も効果的と言えます。
「scouty」では、GitHubやQiitaなど様々なサイト上でアウトプットを行っているエンジニアをスキルで検索し、その方の転職可能性を確認した上で、自社へのスカウトをメールでお送りすることができます。メールをお送りできる対象は、転職サイトやエージェントへの登録有無を問わない転職潜在層(登録不要)なので、転職顕在層向けの施策はやっているけど転職潜在層向けの施策はまだという企業や、転職潜在層向け施策を強化したい企業には最適なサービスです。
ご興味があれば、こちら(https://scouty.co.jp/recruiters )からサービス内容の確認や資料請求ができますので、ご覧ください。
以上、転職前行動のアンケート結果のレポートでした。皆さんのご参考になれば幸いです。今後もscouty HR TECH LAB では、エンジニア採用に関わる方にとって役に立つ情報を紹介していきますので、よろしくお願いします。