なにをやっているのか
まず会社名を名乗らせてください。
当社は正式には株式会社管理工学研究所といいます。とても長い名前です。株式会社を外しても管理工学研究所(かんりこうがくけんきゅうしょ)で十分長いです。由緒正しい名前で社員一同気に入っているのですが、大変は大変です。
そこで日常的にはK3(けーすりー)というニックネームを使っており、またお客様からもK3さんと呼ばれています。なぜK3なのかといえば、会社の正式名称をローマ字で書くと、Kabushikigaisya Kanrikogaku Kenkyushoと、Kから始まる単語が3つある事に由来しています。
以下の説明でも、当社、弊社の代わりにK3と名乗らせていただいています。
ソフトウェア会社であるK3は、ソフトウェアパッケージ&サービスビジネス(IPRビジネス)と、ソフトウェアエンジニアリングの2つのドメインで活動しています。
■IPRビジネスでは:
自社で開発したソフトウェア製品(医療分野向けシステム、教育分野向けシステム、製造業・倉庫向け屋内位置検知システム、データベースシステム、日本語組版システムなど)を商品特性に応じて、自社ブランド販売、自社ブランドサブスクリプションまたはOEMの方法で提供しています。
新商品である屋内位置検知システムは別ですが、K3のソフトウェア製品はどれも長い歴史をもっています。幾度ものバージョンアップを越えてお客様に使い続けていただいている製品は私たちの誇りです。
医療や教育向けの製品で二十年弱、データベースシステムや日本語組版システムは三十年以上の歴史をもち、その全てが今なお新しい顧客を獲得しています。また更なる拡大・発展のために、これら製品に新しい価値、技術を継続的に追加する活動が続いています。
■ソフトウェアエンジアリングでは:
K3はソフトウェア開発について人数(量)ではなく質を求めるお客様に対して、調査、コンサルテーション、ソフトウェア開発など様々な形でエンジニアリングサービスを提供しています。
お客様の多くはメーカー様やクラウドなどを通じて各種サービスを提供する会社様で、ソフトウェアを活用しながら既存ビジネスのさらなる発展や新しいビジネス領域の開拓に取り組んでおられます。お客様はソフトウェアの重要性だけではなくソフトウェアの複雑さ・難しさを理解したうえで、ソフトウェアのプロフェッショナルとしてK3をお選びいただいています。
K3はこのようなお客様にフォーカスすることで新しい技術領域へのリーチそして蓄積を進め、またそれによって新しいお客様との出会いや、既存のお客様との関係の深化を獲得する - K3のソフトウェアエンジニアリングビジネスは、そのような繰り返しの中で価値を高めながら進んでいます。
なぜやるのか
創業時からの一貫した価値観(バリュー)は「ソフトウェアには(ソフトウェアにこそ)無限の可能性がある」です。いまでは当たり前ですが、それを1967年に思いついて会社を立ち上げた創業メンバーはスゴいなと思います。
また普通の会社だと、そこから「ソフトウェアは世界を変える」とか「ソフトウェアは社会を支える」と[会社っぽく]進みそうなものですが、そこがK3らしいところで、その時々の「新しい技術・面白い技術」や「面白い問題」に集中して楽しくやっているうちに50年が過ぎていました。「いいものだったら評価されるし、売れるんだ」、そういう会社でしたし、そんな方向性のなかに日本語データベースシステム桐に代表される成功がありました。
しかし、創業50周年を迎えようとするとき、次の50年も同じでいいのかという問いが浮かびました。技術の追求は会社のDNAだとして、いつまでも0から1を作る面白さを追求しているだけでいいのだろうか、と。
そこで、技術の追求をしつつも社会と繋がり、常に必要とされ続けられるようにコンセプト(行動指針)を定義しました。それが「スゴイを届ける(Bring the Awesome)」です。分解するとこんなメッセージになります。
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ソフトウェアを面白がる文化のまま社会から求め続けられる存在となるために、顧客にとって驚きがある価値を提供していく事を行動の根本にしよう。
そのためにはソフトウェアとしてのスゴさだけではなくて、顧客の視座からもスゴいものである事を確認しながら進んでいこう。
判ってもらって当たり前じゃなくて、こちらから(顧客にも通じる)スゴさ、面白さ、価値を発信していこう。
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創業から50年経ってようやく自らの価値と顧客価値の両立を行動指針にするというノンビリさと、それでも50年やってこられた地肩の強さ、K3はそういう会社です。
ただし「スゴいを届ける」を掲げてから5年、基本的な価値観を維持しつつもK3のモダナイゼーションは大いに進みました。「これ(機能、サービス、設計、アーキテクチャ、etc)って何がスゴいの?誰にとって、どんな価値があるの?」エンジニアがスゴいとおもう技術がどんな意味を持つのか、それを問うやりとりが日常になってきています。
この流れは既存のビジネスに対する価値の再定義にも及んでおり、IPRビジネス、ソフトウェアエンジニアリングの二つのビジネスドメインとも、新たな視点による活性化が進んでいます。
どうやっているのか
開発は東京と北陸の二拠点で行っています。目黒オフィスは目黒川沿い、金沢オフィスは金沢駅すぐの立地です。
多くのメンバーがテレワーク・オフィスワークを上手く組み合わせて働いています。
■文化と働き方
K3ではチーム毎に文化が違います。ビジネスやチームの歴史、それに部門責任者のカラー、それらがからみあってチームの文化が形成されています。
と言っても、もちろんすべてのチームに共通するプラットフォーム的文化は存在します。具体的にはこんな感じです。
・ 「みんな揃って」に(あまり)重きをおいていない。それよりも「自分はどうする」を気にする。
・ 上下関係というのも希薄。役割分担はあるけど、上下で捉えているひとは少ない。
・ 形式張ったことはあまり好きじゃない。役職名呼びもナシ。社長であっても名前呼び(金谷さん)。
・ 本質的じゃない(と思う事)について時間を使いたくない。
・ 答えを出すための議論が好き。議論して答えが出たら、さっぱりと次に進みたい。マウンティングのための議論は苦手(というか、そういうのは社外の文化だと思っている)。
・ 技術系のまま成長したい(と思っている人が多い)。
・ できれば技術以外の仕事は他人に押しつけたい(と思っている人が多い)。
そこから必然的に導かれる働き方は、「成果が出るようにうまくやっていきましょう」です。形よりも実質を、スタイルは問わないのでやることやってね、そのような考え方でやっています。
・ フレックスタイム制、裁量労働制(※)もいち早く導入し、メンバーはそれぞれの都合に合わせて自由に柔軟に、出社時間・退社時間を設定しています。
※昔は極めてフリーダムな働き方をしていた人も多数いましたが、いまはエンジニアの裁量だけではなくコンプライアンスも必要です。そこでそれらを共に満たすべく裁量労働制という制度を導入しています。
・ もちろん服装も自由で、“オフィスカジュアル”といった縛りもありません。効率があがるのなら仕事中にヘッドフォンでBGMを流すのもアリです(K3のオフィス内、またはテレワーク時)。
・ テレワークの制度もあり、多くのメンバーがテレワークを活用しています。全メンバーにMicrosoft365のアカウントが配付されており、ミーティングを含めTeamsでのロケーションフリーのコミュニケーションが当たり前になっています。
いまではずいぶん当たり前になりましたが、K3では昔からこのスタイルです(テレワークは比較的最近ですが)。
■エンジニアファーストというよりも
「顧客満足を追い求める」のはすべての企業の基本ですが、それと同時に「エンジニアが興味をもった事を追求し、その実現に至ることのできる場でありたい」と私たちは考えています。
だからK3では、いつまでも現役エンジニアとして活躍できる場を用意しています。実際に65歳を超えてもなお開発の最前線で活躍している技術力の高いメンバーが在席しています。
経営層、管理層も全員エンジニア出身(※)なので、社内にはエンジニアの働きやすさを実現するための共通の価値観があります。
※一部は現役兼業。事業部門だけではなく、コーポレート系の部門長も元エンジニアです。
エンジニアファーストどころか、そもそもエンジニアが仕切っている会社、それがK3です。