もう十数年前の話になる。
三重の田舎から出てきた彼女はいつも泣き虫だった。
考えたら嘘のように接点がなかった。
彼女が入社した時、僕の部下になったのは彼女の同期のライバル娘だった。
で彼女がの上司は僕とはソリが合わない先輩。
「何とか彼女よりうちの部下を出世させてやる」って躍起になっていたのが十数年前。
そろって教室長責任者になって
数年したらライバルは結婚して辞めてしまった。
教室長になってからもよく悩んでてよく泣いてた。
一度研修会かなんかに行ったとき
生徒をやる気にさせる授業前の訓話練習みたいなのがあって
なかなか気持ちの入った話ができなくてボロボロ泣いてたのが印象深い。
で7年前、僕が会社を辞めて
彼女はなんと同じ会社の恩師と結婚して、恩師の嫁になりました。
7年後帰ってきた今度は彼女は僕の先輩です。
彼女のいいところはね。昔も今も変わらない。
頑張り屋なんです。タフなんです。
社内でだれが一番仕事してるって言ったら多分みんな彼女だといいます。
今はお互いバックヤードにいることが多いのですが
彼女がこの7年間でとても成長したことがわかったので大変うれしい。
(たまにちょっと成長したでしょアピールが来るので若干うざったい)
十数年前、あんなに泣き虫で後ろ向きなことしか言ってなかった彼女が
ずっとこの会社にいることが
僕がこの会社に帰ってきたことよりも実は「まさか」なのである。