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戦略的パートナーへの進化──営業の“深さ”が問われるエンタープライズ開拓の醍醐味

Contents

  • 成長段階にあり、自律的かつ協力的でもある環境に惹かれた
  • FSからEPへ。求められるのは「主体性」「調整力」
  • 長期的な視点を持ち、伴走者としてお客様の課題を解決する
  • グループ間連携とパートナー営業の強化で営業力のある組織へ

「カオナビ」の導入社数が3,900社(2024年9月末時点)を超え、労務管理システム「ロウムメイト」や予実管理システム「ヨジツティクス」が新たにリリースされました。サービスラインナップの拡大に伴い、カオナビでも大企業向けのアプローチが重要施策の1つと位置づけられています。

この大企業特有の課題や業界トレンドを把握し、顧客と向き合う、カオナビのエンタープライズビジネス部(以下、EP)の組織づくりも、重要視されています。

今回は、大企業向けセールスの最前線で働く杉山さんと吉田さんから、EPのやりがいや魅力、組織の雰囲気、カオナビ独自のEPの役割などをお伺いします。二人は大企業からカオナビに転職し、フィールドセールス部(以下、FS)を経てEPに異動したという共通点を持ちます。

Interviewee

アカウント本部 エンタープライズビジネス部 大手製造グループ(EP1)
杉山 貴紀
総合印刷会社に新卒入社し、営業を経て事業企画で新規事業の創出を担当。2022年1月にカオナビに入社し、エンタープライズセールスとして大手製造企業を中心に営業活動に従事する。

アカウント本部 エンタープライズビジネス部 大手金融・サービス業グループ(EP2)
吉田 春菜
大手銀行に新卒入社し、リテール営業を経験。2021年4月にカオナビに入社し、エンタープライズセールスとして大手金融・大手IT業界を中心に営業活動に従事する。

成長段階にあり、自律的かつ協力的でもある環境に惹かれた

──まずはご経歴と、カオナビに入社した経緯を教えてください。

杉山:
前職の総合印刷会社では営業を経たのち、事業企画部門で新規事業の立ち上げに携わっていました。転職のきっかけは、拡大期にある企業で実務経験を積みたいと考えたことです。新規事業の中核的な役割を担いたいと思っていたものの、前職は社員数が10,000人を越える大企業だったため、組織が急成長するフェーズを経験することが難しい環境だったんです。そのため、市場が拡大しつつあり、かつ成長期を経験できるような企業で働きたい、と思い転職を決意しました。

杉山:
数ある企業の中でも、カオナビを選んだ理由は三つあります。
まず、タレントマネジメント業界に成長性があると考えたこと、次に業界の中でもカオナビはシェアNo.1というポジションを確立していたため、顧客ニーズへの対応やプロダクト開発のノウハウが蓄積されていそうだったこと。そして、どのメンバーと話しても人の良さを感じたことでした。選考プロセスで、様々な方と話すなかで、初対面でも価値観や目標意識に共感する点も多くて、メンバー間で尊重する文化があるような印象を受けました。大手企業からベンチャー企業へと環境が大きく変わっても、適応できそうだと感じましたね。

吉田:
私は前職で2年間、メガバンクで個人のお客様向けに営業をしていました。そこでは「ルールにのっとり、ミスなく正確に業務を遂行する」といった守りの営業が重視される環境で…大きい組織ゆえに意思決定に時間がかかる傾向にあって、個人の権限の範囲が限定的だったんです。そういった経験から、次は攻めの営業がしたい、自分で考えて動ける企業で働きたい、と考え転職活動をはじめました。

カオナビのことは、転職エージェントからの紹介で知りました。営業として「いいものを売りたい」という思いがあるなかで、会社説明会や面接を通じて「カオナビ」に惹かれていきました。このプロダクトは、一人ひとりのモチベーションを保ち、楽しく、そして幸せに働くために効果的に活用できると感じたんです。

杉山さんと同じく社員の「人」の良さも入社を決めた大きな理由でしたね。採用面接で出会った方々全員がカオナビの「仕組み化にこだわる」という再現性を大切にするバリューを大事にしていて、「みんなが売れるように情報共有をしよう」と個人の成功よりもチーム全体の成功を重視していたんです。協力的な雰囲気を強く感じました。この印象は入社後も変わらず、社内文化として根付いていることを実感しています。

──現在、担当されている業務、ミッションについてお伺いできますか。

杉山:
アカウント本部のエンタープライズビジネス部、エンタープライズセールス1グループに所属しています。大手企業とそのグループ会社に対して「カオナビ」の導入を検討していただく支援をしています。

私たちのグループは、製造やインフラ、メーカーなどの現場作業員や技能労働者が多い業態を展開してる企業に特化していて、なかでも従業員2,000名以上の規模の企業が私の担当です。

最大のミッションはもちろん売上を上げることですが、チーム内でも営業経験が長いという立場から、新人メンバーのメンターも担当し、彼らが自立して営業できるようにサポートしています。また、チームの会議運営やプロダクト開発の一部にも関わり、現場の声を伝える役割も担っています。

吉田:
私はエンタープライズセールス2グループに所属しており、杉山さんとほぼ同じポジションですが、対象としている業界が違います。主に、IT、メディア、金融、流通、商社などオフィスワーク中心の業界を担当していて、私は社員数が2,000名を超えるような大手企業を中心に営業活動をしています。

業務内容は、初回商談から受注までの一連のクライアントサポートです。提案書の作成はもちろん、時にはお客様先に直接伺って役員の方にプレゼンを実施することもあります。

数字で成果を出すこと以外にも個人的なミッションとして「売れる仕組み作り」を重視しています。トップセールスに依存するのではなく、みんなが持続的に売れる、新人でもすぐに成果が出せるような仕組みづくりに取り組んでいます。
具体的には、提案資料の雛形作成やお客様向けのトライアル環境の整備などを行っています。また、よりよい組織作りの一環として、新人のメンターを担当したり、採用面接にも同席したりしています。

FSからEPへ。求められるのは「主体性」「調整力」

──おふたりともフィールドセールス部(FS)からエンタープライズビジネス部(EP)に異動されています。キャリアチェンジにはどのような背景があったのでしょうか。

吉田:
当時はセールスとしてスキルアップしたいと常々思っていて、その選択肢の一つとしてEPへ異動ができたらと考えていました。レベルアップしたい、新しいことにどんどんチャレンジしたいという自分の性格を、日々上司とのコミュニケーションのなかで伝えていて…そういった私の意欲を理解してくれていた上司から、FSで1年半ほど経験を積んだ頃に「EPに行った方がいい」と、提案してもらったんです。自分の成長につながるいい機会だと思い、喜んで異動することにしました。

杉山:
実は入社前は事業企画の部署から打診をもらっていたのですが、現場感を把握するためにFSを希望して入社し、その半年後にEPへの異動の話が持ち上がりました。嬉しいオファーではあったものの、正直戸惑いもありましたね。入社して間もない状況でしたし、EPは案件の規模感が大きく、責任も重くなるイメージがあったので、自分の実力に不安を感じていたんです。

一方で、大きなチャンスだとも思いました。EPで働くことで事業全体を見られるようになるのではないかと考えたんです。EPの組織構造は、FSとは異なり、商談獲得から顧客支援までを一気通貫で担当します。すべてのプロセスを経験できることによって、お客様のニーズや課題、「カオナビ」導入の理由、そして導入後の使用状況や新たな要望まで、一連の流れを把握でき、ひいては市場のニーズや業界特性、事業の展開方法など経営的知識を知ることにつながります。

事業の全体像を理解できることは、私が入社時に抱いていた「新規事業をドライブする人材になりたい」という目標に近づける重要なステップだと考えました。この経験が新規事業を立ち上げる際に必ず活きてくると思い、異動を決断しました。

──FSとEPの違いは組織構造にあるとのお話でしたが、他にも違いはありますか?

吉田:
社内外のコミュニケーションの頻度と範囲が違います。EPでは、より高頻度かつ広範囲に及びます。私たちが担当する大企業は、そのほとんどが複数の子会社や関連会社を持っています。新規顧客として対応する企業でも、実はグループ内の別会社ですでに「カオナビ」を導入いただいているケースが少なくありません。そのため、既存顧客担当との綿密なやりとりが不可欠なんです。

また企業規模が大きくなるほど、独自の要望を持っていることが多く、標準的な提案では対応できないケースがあります。そうした状況下では、各企業に特化し、カスタマイズされた提案の必要性が高まります。特殊なニーズに対応するためには、社内の様々な部署、例えば技術部門やサポート部門などと協力体制を築きながら対策を練る必要があるんです。その結果、FSと比較すると多くの関係者を巻き込んでプロジェクトを推進することになり、より高度なコミュニケーション能力や調整力が重要になってきます。

長期的な視点を持ち、伴走者としてお客様の課題を解決する

──EPにおける営業活動の醍醐味をお聞かせいただけますか?

杉山:
お客様と長期的な関係性を構築しながら、課題解決に取り組めることだと思います。私たちは単純な機能の売り込みではなく、お客様の経営戦略に深く関わる提案を大切にしています。

中期経営計画にタレントマネジメント施策が盛り込まれている場合には、1年以上かけて要件定義から一緒に取り組むこともあります。この過程で、お客様の業務を掘り下げて理解し、運用面まで踏み込み、提案を行っているんです。

吉田:
私も杉山さんと同感です。EP営業の醍醐味は、お客様と共にゴールを描き、その達成に向けてサポートできることです。

タレントマネジメントは正解が無いため、単なる機能説明だけでは価値をイメージすることが難しいんです。各企業の組織文化や人事戦略に応じた、細分化された個別の提案が必要になります。だからこそ「カオナビ」を導入したことで、お客様の会社がどのように変化し、価値が生まれるのかを具体的に描き、理解しやすいかたちで提案します。

吉田:
私たちは自社の売上や利益だけを追求するような押し売りはしません。お客様と同じ視点に立ち、その企業の人材戦略の実現をサポートする、まさに伴走者としての役割を担っています。各企業固有の課題やニーズを理解し、それに応じた最適な解決策を提案することで、結果として自然とカオナビを選んでいただける。このプロセスで築かれる信頼関係こそが、EP営業の価値だと考えています。

──醍醐味がある一方で、どんな点に難しさを感じますか。

吉田:
お客様の複雑な意思決定プロセスに対応するため、各階層に合わせたアプローチを取らなければいけない点です。
具体的には、担当者からはじまり、課長、部長、役員、社長と、それぞれの立場や関心ごとに合わせ説明や提案を実施することが重要です。人事部だけでなく、時にはシステム部や他部署、関連子会社に出向いてデモを実施し、合意形成をはかることも。さらに、各決裁者の承認だけでは契約できない場合や担当者の方が承認フローを十分に理解できていない場合もあるため、一緒にタスクの棚卸をしてToDoリストを作成したり、スケジュールをひいたりすることもあります。

あとは社内調整も難しさの一つですね。お客様の要望に沿った提案をするために、社内の各部署に調整を依頼することがありますが、イレギュラーな対応でも快く協力してもらえるようにコミュニケーションを工夫しています。
たとえば、個別対応の必要性やカオナビにとってのメリットを説明し、担当者に納得感を持って対応いただけるようにするなどです。この協力体制づくりは社内といえど、大変な業務ですがやりがいでもありますね。

──杉山さんはいかがでしょうか。

杉山:
社内調整の話題に関連して内部的なお話をすると、「カオナビ」はアップデートの頻度が高いため、常に新しい機能や改善点をキャッチアップし続けることが求められます。覚えた知識も日々更新が必要で、単に機能を理解するだけでは不十分です。お客様のどんな課題解決にどう活用できるか、どのような提案シーンで有効かを想定し、自分自身でしっかり腹落ちさせることが不可欠です。
自分が理解できていないことは、お客様にも伝わらないと思うので…学び続ける大変さはありますが、継続的なアップデートこそが「カオナビ」が選ばれる秘訣でもありますね。お客様の使いやすさを第一に考えている結果だと思います。

グループ間連携とパートナー営業の強化で営業力のある組織へ

──やりがいもありつつ多くの異なる課題や役割があるEPで活躍するためには、どのような資質やスキルが求められているとお考えでしょうか。

吉田:
性格面では、好奇心旺盛で知識を能動的に吸収でき、素直に挑戦し続けられる方が向いていると思います。杉山さんが先ほど言ったように、「カオナビ」は頻繁にアップデートされていきますし、市場も常に変化します。それに応じて、営業の仕方も柔軟に適応させる必要がある。この環境の移り変わりを前向きに捉え、楽しめる方であれば、きっとやりがいを感じていただけるのではないでしょうか。

また、EPは責任が重い反面、自由度が高いことが特徴です。既存のルールややり方にあまりとらわれずに、目の前のお客様にとっての最適解を常に考え続けられる。場合によっては、「カオナビ」以外の製品も、パートナー企業と協業しながら合わせてご提案することもあります。最終的には、お客様のことを真摯に考え、柔軟な営業姿勢を持った方が、社内外から信頼を集めることができるのだと思います。

杉山:
私は一定の行動量をとれる人が適していると考えています。案件が複雑でやるべきことが多岐にわたるため、主体的に動き、最後までやり切れる人だと長期的に活躍できると思います。

また、行動量を支える原動力として、強い向上心も欠かせません。「自分がこう成長したい」「このようなキャリアを描きたい」といった明確なビジョンやモチベーションがあることが大切だと感じています。

──最後に、EPの中核を担うおふたりが今後どのようなことに挑戦したいかを、組織、個人の両面で教えてください。

杉山:
まず組織として、もっとお客様と深く関わっていけるように、EP内の他グループと連携をとりながら、より包括的なアプローチをとれるようにしていきたいと考えています。
これまでは個々の企業ごとに他チームと連携しながら受注までを担当していましたが、今後は関連する企業グループ全体を一つの大きな顧客として捉え、受注前後にも積極的に関わりながらグループ企業への「カオナビ」導入をサポートしていきたいと考えています。
個人としては、マネージャーへのステップアップにもチャレンジしたいですね。現場の第一線にいるからこそ得られる貴重な情報や経験を活かし、チーム全体の成長に寄与できればと考えています。また、事業開発への興味があって転職した経緯もあるので、「ロウムメイト」や「ヨジツティクス」といった新しいシステムを展開している、マルチプロダクト化の流れにも関わっていけたらと思います。

吉田:
EPの展望としては、パートナー営業の強化に大きな可能性を感じています。これは当社だけではなく他社も同様ですが、大手企業へのアプローチには高いハードルがあります。そこで長年付き合いがあり、信頼関係を持つコンサルティング会社などのパートナー企業と協力して、より効果的に「カオナビ」を届けていけたらと考えています。

私自身が挑戦したいこととしては、営業の仕組みづくりに注力したいですね。直接的な販売以外の部分、つまり営業環境の整備や効果的な資料作成、新機能の活用方法の考案などに重点を置きたいと考えています。そこから派生して、より広い視点での営業戦略の立案にも携わりたいです。企業や組織ごとにベストソリューションが異なるタレントマネジメントだからこそ、こういった「裏方」的な役割を通じて、チーム全体の営業力強化に貢献したいと思います。

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