はじめまして、AI在庫管理サービスのスクラムマスターをしている新田(しんでん)です。今回は、私たちが新規事業として開発を進めている医薬品のAI在庫管理サービスの開発現場についてご紹介します。
調剤薬局向けバーティカルSaaSの新規プロダクト開発において、エンジニアがいかにしてプロジェクトを進めているのか——。AWSなどの新しい技術を適応させ、薬剤師から直接のフィードバックを受けながら、薬 × 在庫管理 + AI という複雑性を備えるプロダクトに挑んでいるチームの現状も含めて、お伝えできればと思います。
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目次
- AI在庫管理サービスが解決する領域と戦略
- AI在庫管理サービスの開発チーム
- 利用技術と技術選定の方法
- AI在庫管理サービス開発、5つの魅力
- 開発の現状とロードマップ
- 薬局を変え、医療の仕組みをよりよく変えていくためのプロダクト開発を、ぜひ一緒に
- カケハシのことがよく分かる、おすすめ記事
AI在庫管理サービスが解決する領域と戦略
▼プロダクト概要
カケハシは、調剤薬局向けのプロダクトを複数展開しており、AI在庫管理もその一つ。調剤薬局の店舗数は全国で約6万店。実はコンビニの数よりも多いのです。調剤薬局の業務改善には、社会的に大きな価値を生むポテンシャルがあります。
薬局における医薬品の在庫管理・発注業務や流通といった業務は、コンビニなど他の小売業と比較すると、勘と経験に多くの部分を依存しており、テクノロジーの介在による最適化の余地が大きく残されています。そこでカケハシは、従来のシステムと一線を画す、AIを活用した在庫管理・発注サービスの開発に着手しました。
▼事業戦略
単純なオペレーションのIT化ではなく、AIを活用した在庫管理・発注などを通して薬剤師の業務を効率化するとともに、新たな価値を創出。デジタル化を前提に、システムやデータを活用しながら地域薬局のエコシステムを作り出し、業界の変革を目指します。
▼開発戦略
1. AIでの予測モデルをコア技術とし、最新の技術を選択肢にAWSのマネージドサービスをフル活用。インフラのメンテナンスコストを抑えながら、長期安定的な運用と素早い開発を目指します。
2. 薬 × 在庫管理という複雑なドメインの理解を踏まえて技術を選択し、最適なシステムを構築します。
3. 来訪予測、需要予測、発注予測など複数の予測モデルを組み合わせることで、発注のオススメの機能を実現。リリース後もさらなるブラッシュアップによって、より高い精度を実現していきます。
AI在庫管理サービスの開発チーム
メンバーは10名のチームで構成されています。それぞれの役割は下記の通りです。
・Product Owner
・Scrum Master
・Data Scientist
・Backend Engineer
・Frontend Engineer
・Designer
各領域でリーダーシップをとることのできるシニアなメンバーが集まっており、少人数でスクラムによる開発を進めています。
利用技術と技術選定の方法
▼技術選定方法
AWSサービスをフル活用し、サーバレス構成にすることで、開発の効率化と運用メンテナンスのコスト低減を狙って開発を進めています。エンジニアは常に最新技術をキャッチアップ。短期的に素早く作り上げることと、中長期的に運用しやすくすることとのバランスを考慮し、現状や業務に最もマッチする技術をチームで選択します。
▼利用技術
・TypeScript (React)
・Python
・AWS
・AppSync
・Lambda
・Fargate
・Cognito
・Aurora Serverless
・DynamoDB
・Glue
・Airflow
・CDK
・Terraform など
・GitHub Actions
▼AIで利用する技術
・Scikit-Learn
・Optuna
・Prophet
・LightGBM など
AI在庫管理サービス開発、5つの魅力
1. 技術をコアとした新規事業である
技術選択をゼロから行うことができます。あらゆる技術が選択肢となるため、エンジニア一人ひとりに視野の広いキャッチアップはもちろん、その技術を選択した明瞭な根拠を説明できるだけの深い理解が問われる環境です。根拠を持って説明し、チームが合意することができれば、どのような技術も採用できます。
薬局システムのレガシーな技術と新しい技術を上手く組み合わせて、新しい事業へと昇華させる——。AIというエンジニアリングに近い技術をプロダクトのコアとしているため、エンジニアには機能を最適化するための提案が常に求められています。
2. 複雑なドメインを紐解き、DXを推進する
カケハシの考えるDXは単なるIT化ではありません。オペレーションのデジタル化や効率化だけでなく、薬局に新たな価値を生み出す力をサポートしようとしています。
AI在庫管理の開発には、 「薬 × 在庫」 という二つの複雑なドメインが混ざりあった業務を全て整理し、システムに落とし込むことが必要です。求められるのは、業務を紐解き技術とフィットさせて新たな価値を生み出すこと。そして変化に対応する柔軟性を備えたシステムを構築する設計力の高さ。プロダクトマネージャーが定義する要件に対してシステム観点から最適な形を提案し、品質の高いプロダクトの開発に集中することができます。
3. ユーザーである薬局・薬剤師との距離が近い
カケハシには薬剤師のメンバーが多数在籍。多くのフィードバックを得ながらプロダクトを設計し、開発を進めています。また、調剤薬局向けの業務システム「Musubi」の提供を通じてともに成長してきた薬局との強いつながりもあります。このAI在庫管理サービスの開発においても、そうしたユーザーから多くのフィードバックをいただいてブラッシュアップしていくことが当たり前となっており、嬉しい声やさらなる改善につながるご意見を身近に得ることができます。
4. 少数精鋭のチームで、自身の専門領域に責任を持つことができる
チームは、アジャイル開発のスクラムで開発を進めています。さまざま職種のメンバーが一つのチームを組んで開発を進めているため、チームの中ではそれぞれの職種の人数が少なく、個々人に高いリーダーシップが求められる環境です。マインド的なリーダーシップはもちろん、それぞれの専門領域において周囲をリードすることも必要。エンジニアとして高い能力が期待されています。
5. シニアなメンバーとの協業
所属するのは、NTTやリクルート、メルペイ、サイバーエージェントといった企業を経験したシニアなメンバーが中心。「Web業界のスピード感」「フットワークの軽い技術」「使いやすさへのこだわり」をベースに、「高い設計力」「ミッションクリティカルな業務に対応するための実装力」「計画の柔軟性」「機能の提案」などをチーム全員が担うというダイナミズムの中で、自身の能力を活かす楽しみがあります。
開発の現状とロードマップ
現在はα版のリリースを目指して開発が進んでいるところです。まずはMVP機能を実装したバージョンを、カケハシのビジョンに共感していただいた薬局に導入。正式リリースまでにプロダクトのブラッシュアップを進める計画で、直近は特に、開発の足回りや開発スピードをさらに向上するための、よりよい開発プロセスの構築と改善に注力しています。
また在庫管理サービスと連携するもう一つの新規プロダクトの立ち上げにも着手。薬局業務のさらなる改善と価値創出に向けて、より一層、プロダクト開発の手を加速していきます。
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薬局を変え、医療の仕組みをよりよく変えていくためのプロダクト開発を、ぜひ一緒に
今回ご紹介したAI在庫管理チームで、ともにプロダクト開発に取り組んでいただけるエンジニアを探しています。
・大きな社会課題に向かって、自身の技術を振るいたい
・新規事業で技術力を活かした提案がしたい
・今までにない新たな価値をカタチにしたい
少しでも思い当たるポイントのあった方、ぜひ一度お話しましょう!
カケハシのことがよく分かる、おすすめ記事
・カケハシが大切しているバリューに関する記事です。カケハシという会社の文化をより深く知っていただける内容だと思います。ぜひ読んでみていただけると嬉しいです。
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