オンプレとクラウドを併用しているサービスの運用保守業務って実際どうなの? | 株式会社ジャスミンシステム
自社でサーバーやネットワークを構築・運用する形態のことを「オンプレミス(オンプレ)」、インターネット経由で利用できるサーバーやサービスの総称を「クラウド」といいます。近年AWS(Amazon W...
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運用監視業務では、日々発生するアラートの管理や障害対応の履歴記録、タスクの可視化が重要です。
そこで、多くのプロジェクト管理ツールの中でもオープンソースで柔軟なカスタマイズが可能な Redmine を導入してみました。
本記事では、その結果どうだったのか、実際の運用で感じたメリット・デメリットなどを紹介します。
Redmineを運用監視業務に導入した理由
実際にRedmine使ってみた結果
✅ メリット1:障害対応の履歴が一元管理できる
✅ メリット2:対応漏れを防げる
✅メリット3: 監視ルールの改善につながる
✅ メリット4:ナレッジ共有がスムーズに
⚠️ デメリット1:リアルタイム性が不足している
⚠️デメリット2: 運用が属人化しやすい
⚠️デメリット3: UIが古く、使いづらいと感じることも
⚠️デメリット4: リアルタイムチャットとの連携が必要
結論:Redmineは運用監視業務に向いているのか?
向いている点
向いていない点
Redmineは、Jean-Philippe Lang氏が開発したオープンソースのプロジェクト管理ツールです。
日本国内では、ファーエンドテクノロジー株式会社がRedmineのクラウドサービス「My Redmine」を提供し、Redmineの普及や開発に積極的に貢献しています。
具体的には、以下のようなことができます。
Webベースで動作し、カスタマイズ性も高いため、Redmineを運用監視業務に活用することにしました。
システムの運用監視業務に興味がある方は、こちらをご覧ください。
ここからは、実際にRedmineを使ってみた感想をメリット・デメリットにわけて紹介します。
Redmineのチケット機能は、タスクや課題を管理・追跡する機能です。
Redmineのチケット機能を活用し、アラートごとにチケットを作成しました。
これにより、
を明確に記録できるようになった。
チケットのステータスを「未対応」、「対応中」、「解決済み」などに分類することで、 どのアラートが未対応なのかが一目で分かるようになりました。
Redmineの「カスタムクエリ」機能は、チケットを特定の条件で検索・絞り込みし、一覧表示できる機能です。
障害発生の傾向をRedmineの「カスタムクエリ」機能で可視化し、
を分析できるようになりました。
Redmineの「Wiki」機能は、プロジェクト内で情報を共有・整理できるドキュメント管理機能です。
Redmineの「Wiki」機能を活用し、
などを蓄積しました。
それにより、新しいメンバーもスムーズに業務を引き継げるようになりました。
Redmineは、監視ツール(ZabbixやNagiosなど)と完全に統合されているわけではありません。
そのため、 アラート発生時にRedmineに即時反映されません。
→ 対策:APIを活用して自動チケット作成スクリプトを導入しました。
Redmineは高いカスタマイズ性を持つ管理ツールです。
その反面、必須項目の設定やステータスの種類を適切に決めておかないと、担当者ごとに運用ルールが統一されず、ばらつきが生じやすい傾向があります。
→ 対策:運用ルールを明確化し、チケット運用のガイドラインを作成しました。
RedmineのUIはシンプルです。
しかし、フィルタリングの操作が直感的ではなく、チケットの検索がしづらいといった点に不満を感じる声もあります。
→ 対策:「RedmineX」などのUI改善プラグインを導入。
Redmineはタスク管理に優れているいます。
しかし、コメントの即時通知がなく、チャットのような機能がないため、リアルタイムでのコミュニケーションには向いていません。
重要性の高いツールなど、迅速なやり取りが求められる場合には、SlackやMicrosoft Teamsなど別のツールとの併用が必要です。
→ 対策:SlackやMicrosoft Teamsと連携し、 チケット作成時に通知を送るよう設定しました。
Redmineを使って運用監視業務を実施したことによる率直な感想は、以下のとおりです。
結論として、「Redmineは運用監視業務の履歴管理やタスク整理には便利だが、リアルタイム監視には向かない」という印象でした。
とくに、監視ツールとの連携をしっかり整えたり、ルールを統一したりすることで、より効果的に活用できると感じました。
運用監視業務にRedmineを導入する際は、この点を意識しながら設計するのがポイントです。
みなさんの現場ではどのようなツールを活用していますか?コメントやフィードバックがあればぜひ教えてください!