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Redmine使って運用監視業務したら××だった話

運用監視業務では、日々発生するアラートの管理や障害対応の履歴記録、タスクの可視化が重要です。
そこで、多くのプロジェクト管理ツールの中でもオープンソースで柔軟なカスタマイズが可能な Redmine を導入してみました。

本記事では、その結果どうだったのか、実際の運用で感じたメリット・デメリットなどを紹介します。


目次

  • Redmineを運用監視業務に導入した理由

  • 実際にRedmine使ってみた結果

  • ✅ メリット1:障害対応の履歴が一元管理できる

  • ✅ メリット2:対応漏れを防げる

  • ✅メリット3: 監視ルールの改善につながる

  • ✅ メリット4:ナレッジ共有がスムーズに

  • ⚠️ デメリット1:リアルタイム性が不足している

  • ⚠️デメリット2: 運用が属人化しやすい

  • ⚠️デメリット3: UIが古く、使いづらいと感じることも

  • ⚠️デメリット4: リアルタイムチャットとの連携が必要

  • 結論:Redmineは運用監視業務に向いているのか?

  • 向いている点

  • 向いていない点


Redmineを運用監視業務に導入した理由



Redmineは、Jean-Philippe Lang氏が開発したオープンソースのプロジェクト管理ツールです。
日本国内では、ファーエンドテクノロジー株式会社がRedmineのクラウドサービス「My Redmine」を提供し、Redmineの普及や開発に積極的に貢献しています。
具体的には、以下のようなことができます。

  1. チケット管理ができる
    → アラートや障害対応の履歴をチケット化し、対応状況を管理しやすい。
  2. カスタマイズ性が高い
    → プラグインを活用すれば、運用監視向けに拡張可能。
  3. オープンソースでコストがかからない
    → 既存のプロジェクト管理ツールに比べ、低コストで導入できる。
  4. Wiki機能が便利
    → 障害対応の手順書やナレッジを蓄積できる。

Webベースで動作し、カスタマイズ性も高いため、Redmineを運用監視業務に活用することにしました。

システムの運用監視業務に興味がある方は、こちらをご覧ください。

オンプレとクラウドを併用しているサービスの運用保守業務って実際どうなの? | 株式会社ジャスミンシステム
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株式会社ジャスミンシステムは、情報通信分野におけるコンサルティング事業やシステム/ビジネス両面でのオペレーション事業を主軸とする、創業8年目を迎える会社です。人月契約の常駐型支援のみを行う会社が多いSI業界にありながら、スポット対応の実績を豊富に持ち、依頼先がない特殊な案件へ柔軟に対応した実績があります。 これまで、モダンな技術を中心としたソフトウェア開発案件から野外イベントに対応した防塵防滴のネットワーク機器開発、全国出張によるフィールドサービス等を多角的に展開してきました。”営業だけをやる社員”や”事務だけをやる社員”を置く「専任分業方式」を取らず、全員が取引先の担当業務に裁量権と責任を持つ「兼務分業方式」を採用していることも大きな特徴の一つです。 多様性を重視し、年齢や性別、新型コロナウィルスのような不測の事態、あらゆるモノやコトをプラスに捉え、年々業績を大きく伸ばしています。
株式会社ジャスミンシステム


実際にRedmine使ってみた結果



ここからは、実際にRedmineを使ってみた感想をメリット・デメリットにわけて紹介します。

✅ メリット1:障害対応の履歴が一元管理できる

Redmineのチケット機能は、タスクや課題を管理・追跡する機能です。
Redmineのチケット機能を活用し、アラートごとにチケットを作成しました。
これにより、

  • 誰が対応したのか
  • いつ発生したのか
  • どのように解決したのか

を明確に記録できるようになった。

✅ メリット2:対応漏れを防げる

チケットのステータスを「未対応」、「対応中」、「解決済み」などに分類することで、 どのアラートが未対応なのかが一目で分かるようになりました。

✅メリット3: 監視ルールの改善につながる

Redmineの「カスタムクエリ」機能は、チケットを特定の条件で検索・絞り込みし、一覧表示できる機能です。
障害発生の傾向をRedmineの「カスタムクエリ」機能で可視化し、

  • どの時間帯に多く発生しているのか
  • どの種類のアラートが多いのか

を分析できるようになりました。

✅ メリット4:ナレッジ共有がスムーズに

Redmineの「Wiki」機能は、プロジェクト内で情報を共有・整理できるドキュメント管理機能です。
Redmineの「Wiki」機能を活用し、

  • 過去の障害事例
  • よくある問い合わせと対策
  • システムの構成図や設定方法

などを蓄積しました。
それにより、新しいメンバーもスムーズに業務を引き継げるようになりました。

⚠️ デメリット1:リアルタイム性が不足している

Redmineは、監視ツール(ZabbixやNagiosなど)と完全に統合されているわけではありません。
そのため、 アラート発生時にRedmineに即時反映されません。

対策:APIを活用して自動チケット作成スクリプトを導入しました。

⚠️デメリット2: 運用が属人化しやすい

Redmineは高いカスタマイズ性を持つ管理ツールです。
その反面、必須項目の設定やステータスの種類を適切に決めておかないと、担当者ごとに運用ルールが統一されず、ばらつきが生じやすい傾向があります。

対策:運用ルールを明確化し、チケット運用のガイドラインを作成しました。

⚠️デメリット3: UIが古く、使いづらいと感じることも

RedmineのUIはシンプルです。
しかし、フィルタリングの操作が直感的ではなく、チケットの検索がしづらいといった点に不満を感じる声もあります。

対策:「RedmineX」などのUI改善プラグインを導入。

⚠️デメリット4: リアルタイムチャットとの連携が必要

Redmineはタスク管理に優れているいます。
しかし、コメントの即時通知がなく、チャットのような機能がないため、リアルタイムでのコミュニケーションには向いていません。

重要性の高いツールなど、迅速なやり取りが求められる場合には、SlackやMicrosoft Teamsなど別のツールとの併用が必要です。

対策:SlackやMicrosoft Teamsと連携し、 チケット作成時に通知を送るよう設定しました。

結論:Redmineは運用監視業務に向いているのか?



Redmineを使って運用監視業務を実施したことによる率直な感想は、以下のとおりです。

向いている点

  • 障害対応の履歴管理やナレッジ共有には非常に有効。
  • コストを抑えつつ、柔軟にカスタマイズできる。
  • チケット管理によって対応漏れを防ぐことができる。

向いていない点

  • 監視ツールとの連携が弱く、リアルタイム監視には不向き。
  • UIの改善が必要で、初心者には扱いづらいことがある。

結論として、「Redmineは運用監視業務の履歴管理やタスク整理には便利だが、リアルタイム監視には向かない」という印象でした。

とくに、監視ツールとの連携をしっかり整えたり、ルールを統一したりすることで、より効果的に活用できると感じました。
運用監視業務にRedmineを導入する際は、この点を意識しながら設計するのがポイントです。

みなさんの現場ではどのようなツールを活用していますか?コメントやフィードバックがあればぜひ教えてください!

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