こんにちは。イタンジ株式会社です。
本日、イタンジ株式会社が、株式会社GA technologiesの完全子会社となったことを発表いたしました。
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今回の買収の経緯や、理由。そしてこれからどうしていくのか。何十年も変化のない不動産業界の常識を二人がどう変えていくのか。
株式会社GA technologies 樋口社長 × イタンジ野口新社長のクロストークをお届けします。
二人の共通点は「サッカーの道を捨て、ビジネスの道へ飛び込んだこと」
樋口社長(以下樋口):18年間サッカーをやっていて、プロを目指してFC東京→帝京大学へ入りました。育成選手として5年間やりましたがプロにはなれなくて、そんな時に孫正義さんの「志高く」を読んでビジネスの世界で世界的なプレーヤーになりたいと思うようになったんだよね。それで、最初に飛び込んだのが不動産業界だった。
野口社長(以下野口):僕もサッカー選手を目指していました。サッカーばかりだったので、成績は中学では下から3番目で、授業も寝る為だと思っていました。高校生の時にクラブチームを辞めて、部活に入ることになったんですけど、ゲームキャプテンをやってるうちに、サッカー選手は無理だなと思って学業をやろうとなりました。
早稲田大学は家から近いという理由で選んだのですが、頑張って勉強して受かりました。初めてのビジネスは、学生の時の文化祭でやった焼きそば屋ですかね。80万ぐらい売り上げました。
その後、早稲田大学のビジネスプランコンテストを知り、焼きそば屋のことを思い出したときに、映画「ソーシャルネットワーク」を見て学生SNSを立ち上げました。そこで優勝したことがきっかけで知り合ったのが、イタンジの創業メンバーでした。
今まで点と点だったものが線で繋がった
野口:樋口さんとは僕がやっているフットサルのリーグにGAに参加してもらったときに初めてお会いしました。
樋口:そうだっけ!
僕ももちろんこの話(買収の話)がある前からもともと知ってましたね。ビジネスコンテストで優勝とかすごいなと思ってて。実際に会ってみての第1印象は「大人っぽいなあ」「愛想ないな」だったんだけど、仕事の話になった瞬間にすげえと思った。2~3分でイタンジ回しているのは野口だなって思った。
野口:「愛想良くない」って言われるから愛想良くしてるんですけどね(笑)僕からみた樋口さんの第一印象は、元気はつらつ・社長っぽいでした。ビジョナリーで慕われてて自分が会ってきた中で1番目標が高い。上場目前なのに偉ぶってないなという印象を受けました。
実際にこの話が出たのは樋口さんと伊藤の間だと4月ぐらいですかね。その後ボードメンバーに伊藤から共有がありました。
樋口:新規事業を作らなきゃいけないという「GA Booster(ジーエーブースター)」という仕組みがあり、そこに野口が審査員できたんだよね、7月頃かな。その時に何個か案がある中で、野口が審査していて「既存事業とシナジーがあるもの」が良いんじゃないかと言って、家賃保証があがって。それがきっかけで家賃保証のサービスがリリースになりました。
他に、入居者向けアプリもやっていて家賃保証とアプリが繋がってなかったんだよね。そこに野口が入って「nomad」とのシナジーだったり、今まで点と点だったサービスが線で繋がって、僕ら(GA)だけじゃダメだとなったそのタイミングで、まだ2回会ったくらいだけど、野口にPM責任者やってと頼みました。
他の会社との話が具体化した場合は、イタンジを辞めようと思ってた
野口:最初M&Aの話を聞いた時は、GA以外にも話があったので特に驚きはなかったですけど、樋口さんに会った時に気持ちが変わりました。他の会社との話が具体化した場合は、イタンジを辞めようと思ってました。賃貸業界のためにやってるのに、その想いがないところと組むならやめようと。樋口さんと会って、それからふつふつと、「樋口さんは自分の思っている不動産業界のあるべき姿を言語化してくれてる。言語化するからには絶対やりたい。でもイタンジだけだとリソースが足りない。GA以外と組むのは嫌だ。」って考えてました。
樋口:僕はリアル出身なので営業スキルの高いエージェントや組織を作るのは強い。でも、テック面はまだ弱いという課題があって。うちには少ない企画のできるエンジニアやプロダクトの実績・失敗談をイタンジ側は持っている。一方、イタンジは組織作りの部分が欠けてるなと思っていてお互いに足りない部分を補っていけるのではと思えた。でも、野口さんがいなかったらこの話なかったかもだね。
野口:決め手はビジョン。それが全て。不動産業界の常識を変える。GAとなら実現できると思いました。
全てビジョンから逆算して動いてる
野口:賃貸業界をガラッと変えたい。今までのバリューチェーンを根本から変えたいと思ってます。お客さんは仲介手数料のメリット感じていないので、できると思う。今までも、要所要所で不動産テック企業が登場してはいたけど、バリューチェーンを変えるようなところはないですよね。引越しというのは、生活が大きく変わる瞬間なので、ユーザーが納得できるようなサービスを提供したいです。
樋口:20年以上不動産業界は変わっていないからね。どこも失敗している。
野口:どの不動産テック企業も戦略が間違っていますね。アマゾンと同じで ECサイトを作るだけじゃなくて拡大していくには物流や決済やファイナンスが必要になってくる。不動産を必要としている人に届けるまでに、様々な場面があって本当に必要としている人にたどり着いていないんですよね。ただ、これを実現するにはお金がかかるし、既得権益の人たちと戦う必要がある。
あとは組織の課題ですね。リアルに入っていかないといけないので、プロダクト作ってユーザーに届けるまでコストがかかる。
樋口:不動産業界は9割が5人以下の業者と言われているから、そこにアプローチするには大規模な組織を作る必要がある。
野口:組織を作っていくために必要としているのは、全体として言えるのはリアルとテックをバランスよく考えられる人。我々の場合だと、見るべき数字も当たるべきターゲットも多いので、全体を見ることができ、バランスよく色々見ながら進められる人が欲しい。イタンジはリアルとテックをわかっている人が多いのでそういう人と一緒にできたらと。
樋口:GAは社会的な課題を解決したい人が多いね。みんなアナログな不動産業界に危機感を持ってたり、社会にインパクトを与えたいと思って働いてる。
野口:不動産テック業界でも、この業界を本気で変えられると思っている人は少ないですよね。我々はそういうビジョンがあってピースはある。例えば、旅行業界で考えるとわかりやすいですが、チケットをウェブで購入したのに、わざわざ店舗にチケットを取りに行かされるなんてあり得ないじゃないですか。賃貸だとそういったことがまかり通っている。見たいマンションに直接行けずに、店舗に呼ばれて、別の物件を紹介されたりとか。だから、これから我々がやることは必ずブレイクすると思っていますね。
樋口:そうだね。あと、プロダクトの声がすぐ聞けるところはうちの最大の売り。エンジニアにとって最大の不利益はサービスがゴミになってしまうこと。そうならないためには良い企画をすること。必要なのは情報。生の声なんだよね。
野口:GAもイタンジもフットワークが軽いのは強いと思います。自分の仕事にプライドを持つことは大事だけど、泥臭いこともやらなきゃいけないし、ここだとテリトリーを決めちゃうと動けなくなる。