今回は志望動機について話をしよう。
就職活動が順調に進んでいる学生であれば、最終選考に進んでいる企業や内定先を抱えているはずだ。
今の時期は選考先の取捨選択や内定承諾先について思い巡らせている時期かもしれない。
一方で、選考を中々パスできない学生は志望動機で躓いている例も多いのではないだろうか。
これは本末転倒なことであるが、現実として多くの学生に散見されるはずだ。
(筆者もそのうちの1人であった)
選考を通過しない学生の志望動機は、得てして企業のおべっかになってしまっている例が少なくない。
具体例を挙げよう。
①企業のHPから、その企業のウリになりそうな項目を拾い上げて、志望動機にしてしまうケース。
学生「貴社の○○に魅力を感じた」
面接官(これはHPに載っている内容だな。企業理解ができているか深堀して聞いてみよう)
面接官「同業他社と比較しての弊社の魅力はどのように感じていますか?」
「その項目は弊社でなくても実現している企業はあるが、
その企業と比較した際の弊社の魅力は何ですか?」
②採用担当官の人柄を志望動機にするケース。
学生「説明会を担当した○○さんの人柄に魅力を感じ、ともに働きたいと思った」
面接官(人事配属にでもならない限り、私とともに働くことはないのだけどな。。。)
「配属部署の上司とのそりが合わなかったり、万が一私が会社を離れてしまった場合には、
あなたが弊社で働くモチベーションは何になりますか?」
一方で、選考に通過する学生の回答の仕方は次の通りである。
学生「私は○○ができる会社を志望していて、御社の△△という環境であればそれが実現できると感じ、
OB訪問した□□さんにもそれを確認することができた」
ここでのポイントは以下の2点である。
■自分が何をしたいかがハッキリしていて、その実現のための企業選定ができている。
(その会社を志望する理由が明快である)
■企業研究の一環としてOB訪問にも時間を割き、プラスマイナス含め企業の実態を確認している。
(説明会、HP以外からも情報を収集している)
上記を達成するためには、
①自己分析をしっかり行う
②選考を受ける企業を絞り、情報収集の時間を確保する
これが肝要である。
自己分析においては
過去の自分の選択を振り返り、あの時の選択はどのような考えから至ったのか。
⇒選択を通じて、自分がどのような人間であるかを見つめ直す。
⇒社会に出てからどのような仕事をしたいのか、達成していきたいのか。
OB訪問は昨今問題が取り上げられており、直接会って話をするリスクが高い一方で、
コロナ禍においてはオンライン面談の障壁は限りなく下がってきている。
何かしらのご縁を頼りに、その企業で働く社員の話を聞くことは大きなプラスになるはずだ。
面接でのパフォーマンスは一定量の経験に左右されるが、就職活動は量より質だと筆者は考えている。
入社したい企業についての対策をしっかり講じ、ダメならご縁がなかったと割り切って別の企業に切り替える。そのくらいの気概で臨む方が結果は得てして伴うものである。
手を出し過ぎて対策が練られない状況の学生は、一旦立ち止まって自分が何をしたいか振り返ってみることをオススメしたい。