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【川路猛社長インタビュー】インヴァストの2022年振り返りと2023年に向けた展望

インヴァスト株式会社でグループを率いる川路猛代表取締役社長に2022年の振り返りと2023年に向けた展望について話を伺いました。

2022年に有意義だった2つの点と、2023年からはじまる経営戦略のSTAGE3について語っています。

国内では新規事業開発体制が整い12月に新会社設立を発表

-インヴァストグループにとって2022年はどんな年でしたか。

2022年はインヴァスト株式会社およびグループ企業にとって、2つの点で有意義だったと感じています。

まず国内では新規事業開発を行うための組織・チームがきちんと揃ったこと。これが有意義だったひとつめの点です。実際にBibroやBibro Media、またインヴァスト証券のマイメイトなど具体的なプロダクト・サービスを作れる体制がやっと整った1年でした。

これまで鶴見常務取締役が主導して進めてきましたが、よりスピードアップしていくため、12月16日に発表した通り新規事業開発を中心とする事業子会社として株式会社アルカドを設立したところです。

子会社設立に関するお知らせ

インヴァスト株式会社の新規事業開発部門とデータサイエンス部門を分社化して、新規事業開発に特化したグループ会社として立ち上げた形ですね。新会社では金融商品取引業者とは異なる新規事業サービスとして、資産形成に向けたコンサルティングやアドバイスへの対応準備を進めています。

2022年はこれまで温めてきた新規事業開発が形となり、新しい商品・サービスを作り出せる部隊を独立させて新会社にできるほど体制が整備されたという点が意義深かったと感じています。

-インヴァスト証券では強化学習型AI(人工知能)で取引できるFX取引サービスのマイメイトが2022年1月に正式サービスを開始しました。

インヴァスト証券のAIトレードであるマイメイトについては1月に正式リリースし、その後も継続的な機能改善を繰り返してきました。エンジニアやデータサイエンティストの頑張りで、それこそ1週間単位で新しい機能をリリースしたり内部の改善を重ねてきたんです。

2022年は相場が大きく動き、1米ドル=150円前後まで円安が進んだほか、クリプトや株式も暴落するなど荒れた1年でしたよね。そうした環境の中で、おそらく当社だけが提供しているだろうAIによる自動売買が資産運用の選択肢としてあり得るとお客様に対して示すことができたのではないかと考えています。

新しいAIも次々に生まれており、お客様が自ら新しいAIを作っていくという流れもできましたので、これからはより多くの皆様に知っていただき、使っていただくことでマイメイトはさらに発展していけるという感触を得ています。


海外はロンドンへの進出で24時間体制のグローバル展開へ進展

-海外事業に関してはいかがですか?

Invast Financial Services(IFS)が飛躍的に成長したと感じています。これがふたつめに有意義だった点です。私たちはIFSをInvast Globalと呼んでいますが、10月25日に発表したGMO-Z.com Trade UK Limitedの子会社化を含め大きく発展させることができました。

当社子会社によるGMO-Z.com Trade UK Limitedの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

今や営業利益ベースではIFSの貢献が半分以上を占めており、ロンドンのGMO-Z.com Trade UK Limitedを買収し地理的拡大も図ることができています。

金融の世界では24時間を8時間ずつの3つに分割してグローバル展開する形が一般的なんです。アジア・オセアニア地区、北米地区そして欧州地区ですね。

従ってグローバル展開を見据えた場合、それぞれの地区にひとつずつ拠点を持つのが絶対条件と言えます。アジア・オセアニアの金融ハブ的な存在感のある都市としては東京や北京、上海のほか、IFSがあるシドニーもアジア・オセアニア時間です。

現在のIFSは欧州においてキプロスに拠点を作っていますが、欧州地区で最も存在感のある都市はロンドンですから、今回の買収でアジア・オセアニアと欧州については十分にカバーできるようになったわけです。そして次は北米地域にさらなる拠点を築ければ、24時間のグローバル展開が実現します。

ロンドンの金融企業買収は欧州地区への進出という点において大変重要でした。なぜなら、キプロスと比べても人や企業の数、それに伴って動くお金の量が段違いですので、ロンドンに拠点を構えることでInvast Global(IFS)による海外金融事業が大きく発展していくと考えられるからです。

採用においても、ロンドンにはキプロス以上に優秀で経験豊富な人材が多くいますから、プロフェッショナルに入社していただけるようになると期待しています。

経営計画STAGE2は順調に進捗、ビジョンに向けた歩みは着実に

-2023年は経営計画が切り替わる年でもありますね。2022年までのSTAGE2について振り返りをお願いします。

STAGE2については紆余曲折ありながらも「2025年までに全世界で1,000万人の利用者を持つ金融ソリューションを生み出す」という我々のビジョンに向けた歩みを着実に進めることができたのではないかと思っています。

新会社が展開していく投資助言・代理業は、1,000万人を具体的に目指せる新サービスになっていく可能性があるんですね。それを生み出すことができたのはSTAGE2の経営戦略で示した、2020年の持株会社体制への移行によって新規事業開発体制をインヴァスト証券から切り離したからだと考えています。

イノベーションのジレンマとしても言われますが、しっかりとした本業がある会社におけるイノベーションってどうしても本業に引っ張られてしまったり、文化が違いすぎるのでうまくいかなかったりするんです。インヴァストの場合は持株会社の設立によって新規事業開発機能を事業会社から切り離し、イノベーションのジレンマを回避できたのが決定的な一手だったと感じています。

インヴァスト証券は持続的・堅実な経営を行って、確実に成長していくのが大事ですけれども、ゼロからイチを生み出す新規事業開発は失敗を許容して楽しめる文化でなければうまくいきません。その意味で今回の新会社設立はまさに、STAGE2で掲げた「新規事業開始等の戦略実行にあたり、柔軟かつスピード感のある機動的な体制の構築」にあたります。

またSTAGE2では「事業ポートフォリオの分散」も目標に掲げていましたが、新会社では「投資助言」を含めており投資助言・代理業に進出しますので、順調に進捗していると考えています。

さらに「グローバルベースでのシナジーの発揮」では、Invast Global(IFS)の法人向け金融サービスをインヴァスト証券が日本国内で顧客開拓に協力するなど、進展しているんですね。以前は資金を融通しあうという限定的な形でのシナジーでしたが、STAGE2を経て、本業における顧客開拓でシナジーを生み始めていると言ってよいでしょう。

「M&Aの活用」についてはGMO-Z.com Trade UK Limitedの買収を行いました。最も意義があったのは新規事業開発を生み出す体制を構築し、1,000万人ユーザーを目指せるサービスをやっと目指せるようになった点で、STAGE2の目標は概ね達成できたと考えています。

-2023年からのSTAGE3について、展望をお聞かせください。

これから向かうSTAGE3では「全世界で1,000万人の利用者を持つグローバル企業へ」を掲げています。グローバル展開は流れに乗っていますので人材採用も活発になっていくでしょうし、ロンドンの拠点も優秀な人材の獲得に寄与するでしょう。

STAGE3は1,000万人ユーザーの獲得をめざすフェーズなので、失敗を楽しんで許容できる文化を推し進めながら、新たに立ち上げた会社におけるサービスを展開していきます。

一方、国内金融事業も発展させていく必要があります。インヴァスト証券で堅実な利益成長を遂げながら、マイメイトなどをより多くのお客様に使っていただくことで連結営業収益や利益を向上させ、時価総額や株価を高めていきたい。

1,000万人ユーザーは巨大な数字ではありますけれども、新会社が展開するサービスはニッチではない領域になりますから、当社のサービスを認知していただけるようリーチできていけば、企業ブランドも向上していくと考えています。


インヴァストはワークライフバランスを充実させつつ成功を目指せる環境

-求職者の皆様にメッセージをお願いします。

インヴァストではこれまで、新規事業開発を推進していくためにデータサイエンティストや新規事業開発スタッフを採用し組織化してきました。その結果としてBibroやBibro Mediaが生まれ、今度はさらに新しい事業の卵が見つかったので、事業化していくための新会社として株式会社アルカドを設立しました。

インヴァストで新規事業開発に携わったスタッフは今度はスタートアップの新会社で事業化に取り組めますから、さらにおもしろくてやりがいのある仕事ができると確信しています。

また、当社は非常に働きやすい環境だと思います。一定以上のスキルがあるプロフェッショナルであれば、ほとんどリモートワークという方もいます。制度がとても柔軟ですから、ワークライフバランスを充実させることができる。

例えば意欲と能力のある女性が、会社の制度が厳しくて働きづらい、困っているというケースがよくありますよね。でもインヴァストならお子さんを幼稚園に送迎したり、必要に応じて自宅で勤務するなどの選択ができます。

ご家庭の事情も汲めるので、ワークライフバランスを充実させながら仕事でも成功を目指せると思います。すでにInvast Global(IFS)では管理職の半分を女性が占めています。

優秀だけど、(何かしらの事情があって)現職では活躍を諦めている方など、ぜひインヴァストに入社していただきたいと考えています。多様性の時代でもありますから、その結果として女性の比率が増えれば、女性向けの新サービスなど新たな事業展開も可能になってくるかもしれませんね。

もちろん男性も歓迎していますが、インヴァストの働きやすさを女性にも注目していただけたら、と思います。インヴァストでは優秀なデータサイエンティストやエンジニア、プロジェクトマネージャーの方々からのエントリーを常に歓迎しています。

グループ全体では金融関連の新規事業を開発している以外にも、グループ会社にインヴァスト証券という金融商品取引会社があり、海外でもIFSがInvast Globalとして金融サービスを提供していますので、興味のある方にはぜひ、インヴァストの募集ページからエントリーしてください。

(取材日:2022年12月19日 聞き手:垣本陸)

【追記】2023年3月22日 「当社子会社によるGMO-Z.com Trade UK Limitedの株式の取得(子会社化)の取り止めに関するお知らせ」を発表いたしました。詳しくはこちらをご覧ください 

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