代表取締役社長 CEO 川上 真人(かわかみ まさと)
コンシューマソフトウェアの企画開発会社でIT・プロダクト開発の経験を積んだ後、M&Aを機にFXを中心とした証券・金融会社の経営にキャリアチェンジ。トレイダーズ証券株式会社副社長、暗号資産会社の社長などを経て2019年6月にインヴァスト証券入社。2021年6月、代表取締役社長就任。
川上真人は20代の頃から企業経営に携わり、業界を問わずすべての会社を成長させてきました。また、ソフトウェア開発会社時代は、あの有名な北斗の拳のタイピングソフトなど年間200本以上のタイトルを5、6人のチームでつくるという驚異の推進力を発揮。卓越した経営手腕に加え、開発会社時代から変わらない、一度決めたことを「やり切る力」に、インヴァスト証券のメンバーは皆、全幅の信頼を寄せています。取締役副社長の鶴見豪は、川上をこう評します。「デザイナー出身で複雑な課題もシンプルに整理。いつも本質的に物事を捉えようとするので、やるべき方針がブレず、迷うことがありません。そのクレバーな考え方や人を惹きつけるキャラクターで、たくさんの人が川上を慕ってきます。心から尊敬できる経営者です」
そんな皆から愛され、尊敬される経営者、川上に話を聞きました。
インヴァストのミッション・ビジョンに可能性を感じて参画を決意
インヴァスト証券との出会いは2016年。前職でアメリカの西海岸にあるフィンテックの企業の視察に行き、そこでたまたま、当時の社長の川路(現 当社取締役会長)と知り合いました。競合会社でしたが、なぜか意気投合。その後、私が前職を辞め、1年ほどどこにも所属していなかったときに話をする機会があり、ジョインすることになりました。当時、FXにはもう長く携わってきたので、そろそろ違うことをしようと考えていたのですが、川路の人柄やインヴァストグループの掲げるミッション・ビジョンに可能性を感じて、決断しました。
インヴァスト証券の完全親会社(持株会社)であるインヴァスト株式会社が掲げるミッションは「世界をもっと、良い場所にする」。世界中の人々の金融面における課題を解決するソリューションを提供し、人々の幸せを実現することで、世界を「もっと良い場所」にしようとしています。そして、このソリューションとは取引の場を提供するだけでなく、しっかりと利益を出し、資産形成、資産運用に資するものを目指しています。インヴァスト証券では、このミッションを受け「デリバティブとテクノロジーで、資産運用の未来をつくる。」という独自のミッションを掲げています。
当社は証拠金取引専業の会社ですが、同業他社と違う点は売買方法で、自動売買により、用意されたプログラムを選んで安全に取引ができることです。この業界は、とかく安いコストで取引の場を提供することで勝負をしようとしますが、我々はそうではありません。FXは元来、ハイリスク・ハイリターンの取引ですが、我々はテクノロジーの力でできるだけリスクは低く、できればミドルリターンを狙える取引を実現しようとしています。
このように、当社のプロダクトは、難しい証拠金取引をテクノロジーでしっかりサポートしている点に優位性があります。業界の中ではニッチな存在ですが、その秀逸な手法により、ニッチななかにあってかなりいいポジションを築いています。中長期的に運用し、そこで得た利益が、人生の様々な課題を解決するサポートになることを願っています。
ミッション実現に資する新サービス『マイメイト』。長くお客様に寄り添う会社へ
その願いを一つの形にしたものが、新サービスの『マイメイト』です。AIを使って自動学習し、それぞれの志向に合った取引をすることに加え、AIがキャラクターの姿をしているという、いい意味で金融取引らしからぬ発想を取り入れました。ミレニアム世代以下の若い層を意識しており、業界としてこれまでリーチできなかった層を取り込みたいと考えています。それが可能なプロダクトだと思います。
FX取引はインターネット証券各社が得意とし、他社も含めて早い段階からDXが進んでいます。各社とも、マーケティングもオペレーションも含めてすべてをシステムで完結する形にしていますが、対お客様の部分では、それほど斬新な取組があるわけではありません。そのなかで我々のアプローチは極めてユニークです。これからも独自に進化を続け、その積み重ねでより多様な層へのアプローチを可能とし、顧客層を広げていきたいと考えています。
その上で課題の一つがブランディング。マーケット内においてプロダクトは浸透しつつありますが、インヴァスト証券という社名のブランド力は、まだ弱いのが現状です。ここを強化するには、実績を上げて信頼を得ることに加え、金融会社としての誠実性や会社のカルチャーも重要です。軽々にテレビCMなどをたくさん打てばいいというものではなく、社内の文化、にじみ出るよさがあって初めてインヴァストという社名への信頼につながるので、社員一人ひとりの会社に対する気持ちをしっかり育てながら、確固とした会社の土台をつくる必要があります。そこは、気持ちを新たに取り組んでいきたいと思っています。
マーケット全体としては、すでに一度、爆発的な盛り上がりがあり、今は成熟期にあたります。規制もかかって投資環境も整備されてきました。金融の一つの資産クラスとしての認知もだいぶ進み、マーケットは持続的な成長を続けるフェーズにあります。そのなかで我々も成長するためには、新しい顧客層を取り込んでいく取組と同時に、今あるプロダクトを成熟させ、ひとたびユーザーになったお客様に長く取引してもらうことも重要です。「お客様と長くつきあう」とは、まるで信用金庫のようですが、目指す姿はまさにそれです。オンラインではありますが、お客様にとって身近で、常に寄り添う会社でありたいと思っています。
社員には「正解を選ぶ」よりも、「選んだことを正解にする力」を持ってほしい
インヴァストグループは、「2025年までに全世界で1000万人の利用者を持つ金融ソリューションを創る」という壮大なビジョンを掲げていますが、これは当社が単体で実現する話ではありません。親会社(インヴァスト株式会社)をはじめとするグループ全体のビジョンであり、ホールディングスの一員としてインヴァスト証券では、プロダクトの質を高め、一人ひとりのお客様とより長く取引できる環境を提供することで、ビジョンの実現に貢献していく考えです。長く取引するとは、証拠金取引でなるべく利益を出すということ。これからますますテクノロジーの力が重要になります。
そのようななかで私は、社員に対しては、選択という行動について「正解を選ぶ」よりも、「選んだことを正解にする力」を持ってほしいと思っています。インヴァスト証券という会社を選んで入ってきたからには、自分でその選択を正解にできるように動いてほしい。その行動を、会社は全力でサポートします。どんなに些細なことでも、常に正解をつくるようにしてほしいと思います。
働く環境としては、会社は柔軟に対応していきますので、自分の個の力をしっかり伸ばしてほしいです。希望や野望があればどんどん言ってほしい。言ってくれれば、どうすればそれを実現できるか、一緒に考えます。現マネジメント層は、会長の川路と私は40代後半、あとは40代前半なので、これからは20代、30代の人がどんどん前に出て来てくれると嬉しいですね。ビジネスには定型の方法がありますが、それを壊して「こうしたい」「ああしたい」と、若い世代には声を上げてほしい。イノベーションを起こすのは、若い人たちのほうが得意なはず。私たちが押し出されるくらいの力を期待しています。
これから仲間になる方は、金融ということで少し敷居が高く感じられるかもしれません。私もITの開発から、いきなり金融に来ました。チャレンジでしたが、領域が変わろうが、ITの土台ということでは一緒なので、あまり抵抗はありませんでした。金融取引の部分をどうキャッチアップすればいいか、それだけです。ITに関しては、皆さんが持っている強みをそのまま生かしてくれれば大丈夫です。技術的にも常に新しいものを取り入れている会社です。ためらうことなく挑戦してほしいと思います。新しい仲間との出会いを楽しみにしています。