インティメート・マージャーって、何やってる会社?-Part.2-【アドテクとは】
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アドテクとは?
Ad technology (アドテク)事業から始まった会社
アドテクとは、直訳するとAdvertising(広告の)Technology(技術)という意味ですが、「インターネット広告をより効果的に実践するためのITテクノロジー」の全般のことを指しています。
当社はもともと、2010年に創業した株式会社フリークアウトの連結子会社。
株式会社GREEを退社後、フリークアウト社で働いていた簗島(やなしま)が、2013年にDMP専業会社としてインティメート・マージャーを創業しました。(2020年11月18日時点で、今後独立性を強化していくべく、非連結子会社となっています)
株式会社フリークアウトは、RTB(Real-Time Bidding(リアルタイム入札))という、2010年頃アメリカで生まれたオンライン広告の仕組みを、日本で初めて開発し導入した会社。
そのため、当社もアドテク事業からスタートしています。
アドテクの歴史
ここで少し、アドテクの歴史を振り返ってみたいと思います。
日本でインターネットが普及し始めたのは、90年代後半から。
95年にWindows95が登場し、一般家庭にもパソコンが普及し始めた頃です。
(当時のパソコン。でかすぎて草)
1996年にYahoo!JAPANがインターネット広告を配信した当初は、アドテクという言葉はまだ存在すらしていませんでした。
ちなみに、世界初のバナー広告は1994年にアメリカで登場。米国最大手の電話会社であるAT&Tがオンライン雑誌に掲載したのが初だそう。
当時のバナーがこちら。
訳:ここをクリックしたことがある?じゃあクリックしてごらん。(すごい誘惑してくる)
(参考URL:https://mashable.com/2013/08/09/first-banner-ad/#acI4F1nOziq9)
今なら色々リスクを知っているので留まりますが、当時だったら物珍しくて思わずクリックしてしまいそう。
実際、この広告のクリック率は44%だったそう。現在ではクリック率1%でも上等と言われている基準からすると、とんでもない数字ですね。
当時、パソコンが一般家庭に普及し始めたとはいえ、まだまだネットユーザーは少なかったので、広告といえば、テレビやラジオなどのメディア、もしくは街中の看板、新聞・チラシなどの紙媒体が一般的。
(確かに当時はアルバイトを探すのにネットではなく、週2回発行されるアルバイト情報誌のフロム・エー等を見ていた方も多いと思います。かーかきんきんのCMが懐かしいですね(?))
それから光回線などの様々な回線が誕生し、その通信に用いる機械や技術の進歩により大きく普及が進み、インターネットを使った広告掲載が注目されはじめ、より効果的な広告を表現するために次々と新しい技術や手法が開発されていきました。それがいわゆるアドテクです。
アドテクの進化を時系列で見ていくとこんな感じ。
【1996年~2000年頃:広告をメディア毎に直接入稿していた時代】
インターネット初期には、各広告枠に対して固定で広告が出稿されていたそう。
媒体ごとに入稿規定が異なるので、広告主(商品を売りたい会社、例えば化粧品メーカーさん等)は制作の手間・コストがかかるし、媒体側(WEBサイトを運営しているメディア等)は入稿や配信、レポーティングを各広告毎に行わなければならず、双方とても手間がかかっていたとか。
【2000年~2001年頃:アドサーバー時代】
そこで登場したのが「アドサーバー」。
媒体側がサーバーで広告の一括管理を行い、アクセスごとに表示を切り替えるのではなく、掲載コンテンツやユーザーのニーズなどに応じた広告の出し分けを可能にしました。広告をタイマーで管理する仕組みや、同時期に複数の案件を管理することが簡単にできるようになり、案件の優先順位をつけることもできるように。また、インプレッション(どれだけ表示されたか)とクリックを広告案件ごとに出せるようになり、広告主は、自分が出した広告がどれだけの効果があったかを数字で把握できるようになりました。
この頃、自社の商品やサービスに興味のある人を絞り込んで広告配信ができる、『リスティング広告』も誕生。
【2002年~2005年頃:アドネットワーク時代】
次にネット広告を進化させたのが「アドネットワーク」の登場。
バラバラだった入稿規定は統一化され、広告主は制作工数の削減、媒体は入稿やレポーティング、在庫管理などの手間が軽減。またこれによって細かなターゲティング、そして遥かに広い範囲の広告枠に対する掲載が可能になりました。個人サイトやブログに広告を掲載できる「アフィリエイト広告」などが出現したのもこの時期だそう。
【2006年~2010年頃:アドエクスチェンジ時代】
さらに「アドエクスチェンジ」の登場が、本格的なアドテク時代を進めたといわれています。
アドエクスチェンジとは、広告枠をインプレッション単位(どれだけ表示されたか)で取引する市場のことです。アドエクスチェンジでは、インプレッションごとに競争入札を行い、もっとも高い金額をつけた購入者の広告を表示する「リアルタイム入札(RTB)」方式が用いられています。
そう。
このRTB(リアルタイム入札技術)をアメリカからもってきて、日本に初めて導入したのが、インティメートマージャーの親元であるフリークアウト社なのです。
広告主と媒体側双方のニーズを叶える技術
RTBは、広告主と媒体の利害を一致するべく開発されました。
広告主は「広告費を安く抑えて大量トラフィックを確保したい、広告効果を最大化したい」と考える一方、媒体は「広告枠を高く売りたい」と考えています。
フリークアウト社は、双方のニーズを解決する方法として、2つの仕組を用意。
一つは、DSP(デマンドサイドプラットフォーム)。
「より安く。効果的な広告配信を行いたい」という広告主側のニーズを叶えるため、複数のアドエクスチェンジ、アドネットワークに対して広告配信ができる仕組み。
もう一つは、SSP(サプライサイドプラットフォーム)。
「なるべく高く、枠が余らないように」という媒体側のニーズを叶えるため、複数のアドネットワーク、アドエクスチェンジを一括で管理し、枠の最適化を行う仕組み。
RTBはこのDSPとSSPを結び、リアルタイムに取引を行うためのシステムなのです。現在では国内外問わず、すべてのDSPに実装されているそう。
フリークアウト社が日本初の DSP を開発・提供し、また SSP 事業者と連携することで、日本の RTB マーケットが立ち上がりました。
広告は、『枠』から『人』へ
2011年以降もインターネットの普及は進み、顧客の購買・行動データといった、これまでは得られなかった膨大な顧客に関する情報が得られるように。
そこで2013年に誕生したのがDMP(データマネジメントプラットフォーム)を専業として開発・運用・提供する当社、インティメートマージャーです。
膨大なオーディエンスデータを収集し、AIや機械学習アルゴリズムを用いた新技術で多くの情報を処理・分析することで、顧客や同じセグメントに最適化したOne to Oneのマーケティングを可能にしました。
当社が提供するアドテクサービスとは
膨大なオーディエンスデータと分析技術を持つDMPを使い、各クライアントに適したソリューションを提供しています。
【広告主・代理店さま向け】
・WEB広告の獲得単価の改善
見込み客ではないことが明らかなユーザーを除外(フィルタリング)し、広告費を削減
・ブランディング広告の評価
広告ごとに適した評価指標を定め、消費者の意識と行動変容をデータから読み解き、フィードバック
・アクセス解析の高度化
アクセス分析の解像度を上げ、本来のターゲットに対しての広告施策が正しく行えているかの効果測定 を実施
【媒体(メディア)さま向け】
・広告在庫(販売できる広告枠)を増やす
当社のDMPを介し、他媒体の広告枠も販売を可能に
・ターゲティング方法を増やす
自社媒体で得られる情報だけではなく、オーディエンスデータを掛け合わせることで自由度の高いセグメントを作成し、広告のターゲティングに活用するデータと仕組みを提供
・広告販売以外の収益方法を構築
オーディエンスデータから逆算し、メディアの改善や商品開発を提案
【ITベンダーさま向け】
・データラインナップの拡充
クライアントからの要望に即したデータ活用を提案・促進
・セグメントの拡充
性別や年齢等、一般的なセグメントではなく多様なセグメントを活用したデータ分析・活用方法を提案、提供
・オーディエンスデータ活用の仕組みを構築
自社以外の3rd party Dataの活用実績がない企業に対し、連携仕様をゼロから構築できる様支援
ざっくりですが、なんとなくイメージつきますでしょうか?
アドテク事業といっても、それぞれの立場(広告主、媒体側、ITベンダー側)で課題は大きく異なるため、クライアントニーズに合わせたソリューションを提案・提供しています。
ネット広告の市場は約2.8兆円まで拡大
矢野経済研究所の調査によると、アドテク(ネット広告)業界の市場規模は2021年から2023年にかけ約20%増加すると予測されています。2023年には約2.8兆円になる見込み。
ソーシャルメディア広告や動画広告などの運用型広告の更なる拡大に加え、アプリ広告や屋外デジタル広告なども広まるとみられることから、インターネット広告国内市場全体が拡大傾向にあるとされています。
当社もアカウント数が昨年対比78%増、2021年9月時点で3,891社と順調に推移。
データ活用で企業の課題解決ができるよう促進するべく、今後も取り組んでまいります。