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【一緒に働く仲間たち】第1回(後編):ITと、アイデアと、コミュニケーションの力で地方を盛り上げたい

前編でご紹介したとおり、イノベーションプラスではITの力でスポーツをサポートし、盛り上げていく新規事業をスタートさせました。ですが、新しいチャレンジはこれだけではありません。

ワーケーションを推進する先に小坂が実現したい世界とはどんなものなのでしょうか?ワクワクするアイデアと壮大なストーリーをお楽しみください!

前編はこちら


◆イノベーションプラスについて
2007年設立。企業や地域の新規事業をサポートする事業を展開。ユーザーエクスペリエンス、ITプラットフォーム、アプリ開発、コンサルティングなど、ITの分野を中心に多岐にわたる支援ができることが強み。
Be Innovation(イノベーションを生み出せ)をミッションに掲げ、「ひとりでもすごい、集まったらもっとすごい、そんな仲間と共に世界をイノベーションする」ために常に期待を超え続ける存在になることを目指している。

会社ホームページ:https://www.innovationplus.jp/


アイスブレイクだけで10分!?「社長」と呼ばれたくないワケ

――社内のメンバーをはじめ、取引先、アスリート、家族…と、年齢も、立場もさまざまな方と関わっていると思いますが、コミュニケーションで心がけていることはありますか? 小坂さんの周りは、いつも笑いに包まれているのが不思議でして…。

会社のコンセプトの中にOUR VALUEというのがあって、そこにも書いているのですが、「視座・視野・視点」を大事にしています。

視座というのは「縦」ですね。ユーザー目線とか上から目線とか、相手がどういう人でどういうふうに話す必要があるのかということですね。視野は「横」。視野を広げるといろんなことが見えるようになります。「視点」というのはどこに着目するのかということ。この3つが揃うとコミュニケーションが上手くいくんです。

好き勝手にしゃべるのではなく、どんな立場で話そうかとか、相手は今日なにを聞きたいんだろう? とか、こんな話をすれば理解してもらえるんじゃないか、とか。相手につねにアンテナを立てて話すイメージですね。


――そうなると、呼び方とかも変わってきますか?

もちろん、そうですね。たとえば弁護士やお医者さんはふだんから「先生」と呼ばれるのに慣れています。そういう方々には「〇〇さん」ではなく、やっぱり「〇〇先生」と呼び掛けなくてはダメなんです。





―― 一方で小坂さんは「社長」とは呼ばれたくないんですよね?

そうですね、呼ばれたくないです。だって役職名も「社長」になってないじゃないですか(笑)。


――たしかにCEO兼 Innovation Producerと書いてあります。

まあ冗談はともかくとして。さきほどお話ししたSports Base Xで名刺をつくっていて、全員にニックネームをつけているんですが、僕がなんて呼ばれてるか知ってますか?

「ピーさん」って呼ばれてるんです。一緒にやるメンバーが、プロデューサーさん、みたいな意味でつけてくれたんですが、僕自身は「パパさん」というイメージの方が近いんですよね。みんなから「ピーさん」「ピーさん」と言われていると、鳥かよ!ツッコミたくなってしまったりすることもあります(笑)。

こんなふうに初対面でも「なんですか、ピーさんって?」というところから話がはじまって、10分くらいアイスブレイクできちゃうんです。


――全員がニックネームの由来を話したら、それだけで1時間の商談が終わってしまいそうです。

話のネタがあるというのはいいことですよ。あとは僕、子どもたちに空手を教えているんですが、そこの子たちからは「TK(ティーケー)」って呼ばれてて(TKは小坂さんのイニシャルです)。「こらー!」っていうと「あ、TKがきた!逃げろ!!」って叫んで走り出すんです。こんな感じだから、僕は社長の器じゃないんです。だから「社長」って呼ばれたくないんです。


地方に「行って」仕事をするのではなく、地方の人と「つながって」仕事をするのがワーケーション

――話は変わりますが、スポーツのほかにも新しいことにチャレンジされているんですよね?

ワーケーション・コンソーシアム・ジャパン(以下、WCJ)ですね。去年(2019年)の6月に設立しました。


*WCJのホームページ:https://workationcons.jp/


――ワーケーションというと、菅首相の発言でも話題になりましたよね。

ただし彼が言ったワーケーションは、僕たちがやろうとしていることとは、ちょっと違うんです。地方に行ってホテルの部屋に籠もって仕事をしているだけであれば、ただのテレワークですから。

そうではなくて、地元の人とコミュニケーションをとって、仕事をつくって、働いて、対価もいただく。NPOではないですから、価値を提供したら対価をもらうのは当然です。一方でバケーションとして、温泉に入ったり、地元のおいしいものを食べたりというのがあります。

つまり働く人にとっては、ワークとバケーション2つの軸で地元に価値を提供し、対価を得られる仕組みというわけです。

この働く人と地元と地元の人をつなげるのが、WCJの役割です。



資料:WCJホームページより


――「つなげる」というと具体的にはどんなことをしているのでしょうか?

イノベーションプラスとしてはITプラットフォームを提供していますが、まあ、いろいろです。

会社をつくるなら登記しなきゃいけないよね、会社名を考えなきゃいけないよね、ドメイン取ってホームページ作って、ECサイトも作って、TwitterとFacebookも必要で、社員を採用したら勤怠があって、給与があって…といった話もします。

どこの地域でも「地元を盛り上げたい」と思っている若者は大勢いるので、そういう若者を支援することで地方創生につなげていけたらと思っています。


――すごくおもしろい取り組みですね!

地元の人たちは、できることも、やる気もたくさんある。でも、アイデアがなかったり、ツールがなかったり。あとは方法を知らなかったりするだけなんです。そこでいうとWCJのほかにスマートプレイスをつくる活動もしていて。


――スマートシティではなくスマートプレイス、ですか?

そう、プレイス=場所ですね。たとえば廃校をコワーキングスペースにしたり、空いてるスペースを農園にしたり。スポーツと絡めるのであれば、クラウドファンディングで芝生を購入してもらって、それでグラウンドを作ってオーナーになってもらうというやり方も考えられる。

故郷がない都会の人に「第2の故郷」をつくるというアイデアもあります。いつ帰っても泊まる場所があって、友達もできて、子どもだけでも故郷に帰れるとか。こうやって人がちゃんと集まれる場所を地方につくりたいんです。


――壮大な構想ですね!これもワーケーションと同じく、小坂さんはあくまでも支援、サポートという立場なのでしょうか?

そうですね。僕がやってもいいんですけど、地元に事業主を立てて地域活性化につなげることができるのが一番だと思うので。地元の人同士のほうが助け合いしやすいというメリットもありますし。


お金もアイデアも必要だけど…仕事や人生で成功するにはやっぱりコミュニケーションが大事

――ITをベースにスポーツ、地方創生と、どんどん新しい事業をつくっているのはどうしてなのでしょうか?

もっとおもしろいことをやりたい、というのがひとつ。会社をつくってからずっとITをやってきたので他のことにもチャレンジしたくなったんです。

もうひとつは、ある種の危機感みたいなもの。今はおかげさまでITで利益が出ているけど、これがこの先もずっと続くとは限らない。だから、すぐにカタチにならないけど次のタイミングに利益が出せそうなものを常に探して、種まきをしておかなくてはいけないということですね。

その種まきで大事なのが、「誰とやるか」という部分なんです。今までご縁があった人とうまくコミュニケーションが取れていれば、新しいことをやろうとするときに誘いやすいし、逆に相手も「小坂さんだったらやってくれそう(できそう)」と思い出してくれる。


――結局は、人と人とのつながりが大事なんですね。

ほんとにそう。長期的なコミュニケーションを取り続けられるかどうかがポイントなんです。(後編の)最初の質問に戻ると、コミュニケーションで心がけるべきなのは、究極的にはここなんじゃないかと思ってます。

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