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なにをやっているのか

男性だけでなく、女性もたくさん活躍しています。
「good food, good life.」がコンセプト。
八面六臂株式会社は、1都3県(東京、埼玉、神奈川、千葉)の飲食店向けにEC事業を展開し、水産物や青果、精肉、酒類などを販売しております。2011年4月、何もないところからひとつずつ事業を立ち上げ、数々の困難の中、お陰様でたくさんのお客様にご愛顧いただく事業となってまいりました。 まだまだ日本全体の流通規模からすると小さな事業ではありますが、これまでの事業者が不得手としながらも、世の中としては大いにニーズがあった「少量多品種の生鮮食品」のマーケットに軸足をしっかり置き、様々なテクノロジーを開発&応用することで、確実に業績を伸ばしていっております。 当社のお客様は、チェーン店よりは、そのほとんどが中小規模の個店になり、そういったお客様へのラストワンマイル物流も自社物流網を構築することで、規模の大小にかかわらず、様々なお客様にご利用いただけるようになりました。そして、こういった様々なお客様層を抱えることで、これまでの既存流通が苦手だった様々な食材を全国各地から取り揃えることができるようになり、また様々な商品開発なども少しずつ行えるようになってきました。

なぜやるのか

<市場ニーズ、市場環境・規模の動向> 外食業界は、一見、飽和化し、成熟した市場のように見られるが、少子高齢化などの影響を受けた「本来の食文化への回帰」ブームにより、低価格路線の外食から高品質路線の外食へ現在大きく変貌しようとしています。 その中で、生鮮品を中心とした商品へのニーズが高まってきていますが、大手を中心とした既存卸売業者は、このニーズになかなか対応ができておりません。理由の1つとして、これら既存卸売業者は、チェーン店舗やスーパーなどの大手小売店への納品を中心としてきたことで、主に保存性のある冷凍品や安定入荷の多量少品種の冷蔵品をメイン取り扱い商材となっており、即座に少量多品種の生鮮品ニーズに対応できないことがあります。また、彼らの既存の情報処理システムが生鮮品の処理を行いづらく、顧客や仕入先との連携ができないことで、大手である強みを生かし切れない状態も理由の1つです。特に入荷が不安定な商品や少量多品種の商品をもっとも苦手としています。 一方で、インターネットの普及や一般宅配便の整備によって、産地からの直接販売といった6次産業化も叫ばれていますが、現時点、なかなかうまくいっておりません。まず産地直送だからといって、「中抜き」による価格メリットを享受するためには、購買者側、すなわち飲食店側に一定量以上の購買が必要になり、この購買量を安定的に実現できる飲食店が多くありません。また「多対多」の小口低温配送となるため、配送コストが安くなく、結果、価格メリットが生かされないことも大きいです。 そのため、例えば水産物は、従来どおりの産地市場〜中央卸売市場を経由した多段階流通構造を通り、漁師層から1兆円で始まった流通が店舗層に届く段階で3兆円に膨れ上がる構造が維持されています。この中間流通における2兆円のうち、約50%が人件費などと言われており、またコストだけでなく、生鮮品でもっとも大事と言われる「時間」も浪費され、品質を下げる原因となっております。他の青果や精肉、酒類なども、規模の大小はあれど、飲食店への流通のあり方はさほど変わらず、変化が求められて、久しくなります。 <競争環境(競合他社)の動向> 既存大手卸売業者は数十年来、小売店層から生鮮品のニーズを受けているにも関わらず、機動力に欠き、未だに対応できておりません。また、例えば楽天やAmazon.comといった個人向けeコマースの大企業など、他業界からの参入者も見えますが、既存ビジネスで蓄積された強みが生かされず、参入しきれていないのが現状です。ただ、Amazon.comについては、米国内にてAmazonFreshといった取組を試験的に行うなど、参入意欲は衰えていないので、予断は許さない状況ではあります。一方、築地市場や産地市場の仲卸など、既存中小事業者は、後継者不足などの理由で統廃合が進んでいます。

どうやっているのか

さまざまなサービスも開発しています。
流通業ゆえ、本社は質素なオフィスにしています。
<製品・サービスの内容> 生鮮食品を中心とした料理人向け商品をPCやタブレット端末、スマートフォンなどの情報端末を通して購入できるようにしております。 <新規性や革新性> 電話やFAXといったアナログなITを用いる既存事業者に対して、当社は、2011年以降のPCやタブレット端末、スマートフォンなどの情報端末の進化を踏まえて、それらを活用したサプライチェーンシステムを川上から川下にわたって構築し、既存事業者が不得手とした少量多品種の生鮮食品の販売を可能にしました。 <独自性、競合他社との差別化のポイント> 不安定な入荷状態のため、買い手都合ではなく売り手都合になりがちな既存事業者に対して、いかに「顧客の購買体験」を改善できるかを総合的に検討してきました。これらの結果、顧客指向の価格、品質、品揃えが実現されました。 そしてそれを可能にしているのが、テクノロジー指向に基づく独自開発のITインフラと自社フルフィルメントセンターにおけるロジスティックオペレーションです。まだまだ未完成ですが、テクノロジーの力を各所に活かし、例えばこれまで10人でやっていた業務を3人へ、2人へ、そして0人でできるように、日々、業務の改善を行っております。また経験や勘に基づく業務判断を、データの蓄積やクラウドを利用した情報共有ツールによって、平準化し、単純労働に変化させることで再現性を持たせ、結果として費用を落とす仕組みを構築していってます。 ただし、既存大手流通業者と比較してまだまだ流通量は小さいので、当社が不得意とする商材、例えば冷凍品や常温保存品については価格競争力が持ちづらいです。また事業拡大に伴って、フルフィルメントセンターの拡充をする必要があり、そのためには一定の資金調達を今後もやり続けないといけません。 このように、いろいろな不足状態の中、数々の困難を乗り越えて、本当に食の流通事業を変革していきたいと思うメンバーが残り、事業の基盤をしっかりと創り上げてまいりました。まだまだ大変なこともたくさんありますが、これまでの基盤を生かして、さらなる高みを目指して事業を国内だけでなく、海外に向けて大きくしていこうと考えています。