この記事はグリー新卒採用サイトからの転載です
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第2の事業の柱としてグリーが注力しているメディア事業。それを牽引するのが2017年2月にグリーグループの一員となった株式会社3ミニッツ(以下、3ミニッツ)です。今回はその存在意義や戦略、今後についてを3ミニッツ代表取締役社長 松田昌賢氏にうかがいました!
松田 昌賢
東京大学工学部卒業後、A.T.カーニーを経て、2012年グリー株式会社へ入社。2015年4月より執行役員、経営企画部長としてグリーグループ全体の戦略統括。2017年2月より株式会社3ミニッツの代表取締役社長に就任。
“グリーがメディア事業に注力する理由”
ーーはじめにグリーのメディア事業について、そして今グリーがこの事業に取り組む理由について教えてください。
松田
グリーではゲームに続く、第2のビジネスの柱をつくるべくいくつかの新規事業を立ち上げ、試行錯誤してきました。そうした状況のなか、グリーの強みを生かせる領域であり、「インターネットを通じて、世界をより良くする。」というコーポレート・ミッションに合致したといえるのがメディア事業です。衣食住にまつわるジャンルに特化して、良質な情報を届けるメディアを作り、広告やECでマネタイズをしていく──。そうした戦略のもと、メディア事業をグリーの第2の柱と位置付け、注力してきました。
ーー3ミニッツは2017年2月からグリーグループに仲間入りしました。その経緯はどのようなものですか?
松田
メディア事業にフォーカスを定めようと決めた頃に出会ったのが、3ミニッツという会社です。3ミニッツには、グリーにはない動画制作実績とナショナルクライアントからの広告受注実績を数多く持っていました。また、女性を中心とした若手が多い会社で、時代の流れを先取りするようなカルチャーがありました。これらの要素を含め、様々なことを総合的に検討し、グループ化を決定しました。
“情報を正しく届けるためのこだわりと複数メディアを持つからこその強み”
ーー3ミニッツの事業について教えてください。
松田
ファッション動画マガジン「MINE(マイン)」という自社メディアの運用、コマースとして「eimy istoire(エイミーイストワール)」と「ETRE TOKYO(エトレトウキョウ)」のオリジナルブランドの展開、そして広告事業という3つのサービスを行っています。
ーー「MINE」は大きな支持を集めていますね!その理由は何でしょうか。
松田
世の中に情報があふれているなか、ユーザーが本物の情報を見分けていかなければならない時代です。ファッションの分野では雑誌から情報を仕入れることが主流でしたが、SNSの普及によりそれだけではなくなっています。そんななか、「MINE」はメディア事業としてクオリティにこだわった本物の情報をつくっているということを、ユーザーの方に徐々にわかってもらえたことが大きいと思っています。
ーー3ミニッツがグリーのグループに加わったことで変化はありましたか?
松田
グリーは「MINE」の他に、おでかけメディア「aumo」、美容メディアの「ARINE」、住まい・暮らしのメディア「LIMIA」等、複数のメディアを運営しています。これらに3ミニッツのリソースやノウハウを取り込むことができたことは大きいと思っています。各メディア間で、積極的にノウハウを共有・還元し、グリーの強みをいかすことを常に考えています。
グリーの強みとは、コンテンツやUI/UXの改善のためのPCDAを回す力、そしてそれを支えるKPI管理です。たとえば、ベンチャー1社が単独のメディアを運用した場合、細かいKPIレベルでベストプラクティスがわからず、すなわち明確なゴールを数字で設定することができないことがあります。グリーは複数のメディアを展開しているので、それぞれの情報を活用し、改善のスピードをどんどん上げることができます。実際、各メディアでそれぞれの知見を活用しながらPCDAを回すことによって、1社単独でやるよりもはるかに早いスピードで成長しています。
“多彩な人材と才能が集まり、究極のゴールをみんなで目指すことのおもしろさ”
ーー3ミニッツの代表に着任して、苦労されたことはありますか。
松田
山ほどありますね。自分たちにはないカルチャーや素晴らしい人材、能力を持つ会社と一緒にやっていこうとすると、当然、文化の衝突が起きたり、ルールを変えなければいけない部分が出てきます。3ミニッツはグリーとは異なる素地で育ってきた会社です。それまでのベンチャーの空気から、グリーの資本力や人事基盤を活用して、より永続的にサービスを大きくしていくために、組織としての戦略をきちんと立てていかなくてはならない。組織マネジメントや文化を融合させていくという部分では、想像以上に苦労しましたね。
ーー大きなギャップを感じられたんですね。
松田
はい。いい意味での驚きもありました。もっともギャップを感じたのは、メンバーのやる気や未来に対するモチベーションの違いです。一人ひとりが高い問題意識を持ち、「自分はこういうサービスをつくりたい」、「業界をこう変えていきたい」、「こういうものづくりがしたい」、という強い思いがあって、「3ミニッツならばそれが実現できそうだ」と門を叩いた人が多いからだと思います。グリーにも自社サービスやものづくりに熱い思いを持った人は数多くいますが、3ミニッツで感じたのは、スタートアップならではの熱気なようなものでした。
ーー勢いのある方がたくさんいらっしゃるんですね!今後、3ミニッツをどのように成長させていきたいと考えていますか。
松田
3ミニッツには、素晴らしいエンジンを持っていて、「ほかの会社ではできない、新しいことができる」と信じている人が多いです。同時に人材の多様性がものすごい。出版社から転職した人、アパレル業界、コスメショップ、テレビの制作会社で働いていた人など、ふつうの会社なら一緒に仕事をしないような人たちがひとつ屋根の下で働いています。これだけ多様な人材がそろっている会社はなかなかなく、それらをうまく融合した組織やカルチャーを創れたら最強になるだろうと感じています。
一方で、バックグラウンドがまったく違うため、“こうあるべき”の“こう”が異なっていて摩擦も少なくありません。簡単にいうと、“共通言語”がない。文化の摩擦や衝突のなかから新しいものが生まれますが、若い会社だとそれをやっても非効率になるケースが多くなってしまいます。そこで、今年1月に会社のミッションを新しく「Make Your Style」と設定し直しました。これを共通の価値観とし、それぞれ目指すことは違うかもしれないけれど、最終的には究極のゴールに向かって協力し合える環境をしっかりつくりたいと考えています。
“ミッションが腹落ちしていれば仕事に夢中になれる”
ーー松田さんは経営企画部長としてグリーグループ全体の統括を行ったり、コーポレートガバナンスの整備、グループ各社の取締役を務めるなどさまざまなお仕事をされてきました。現在の仕事だからこその面白さはありますか。
松田
それはもう間違いなく、「会社づくりをしている」ということです。3ミニッツが継続的に新しいものを生みだし続けられる状態まで持っていくこと、ユーザーやクライアントに信頼されるに足る成熟した会社になっていくこと。それを目指し、今未来に向かって邁進しています。
きっと、この会社フェーズはグリーが上場前にたくさんの仲間たちと苦労しながら通過してきたフェーズと同様なんだと思います。それをもう一度、より上手にやり遂げようという挑戦だと思って取り組んでいます。3ミニッツの社員は当初の80人弱から2倍強に、売上も大きく伸びました。まさに会社をつくっていると実感していますね。
ーーまさに今、夢中で仕事をされていますね。
松田
そうですね。グリー社内でたくさんの仕事をし、いろいろなメンバーと関わってきて思うことは、みんな「ユーザーを喜ばせるんだ」、「サービスを世界中に届けるんだ」、「グリーを成長させるんだ」、という自分なりの責任感やミッションがあって、それがブレないということです。会社のミッション・ビジョンと、個人の仕事の目的・意義を結びつけて納得していれば、あらゆる仕事は楽しく、夢中に取り組めると思っています。
さらに、今はグリーの資産を活かして、3ミニッツに大きく投資させてもらっています。ほかでは絶対に体験できない挑戦だと思っています。想定外のことも多く、だからこそ、会社経営は面白いなと思います。ほかでもない自分が、毎日、ワクワク、ドキドキしながら仕事をしていますね。
ーー最後にグリーに興味を持っている学生の方にメッセージをお願いします。
松田
個人的な意見ですが、新卒で就職するときに考えた方がいいのは、業界やマーケットを間違えないこと、その上で一緒に働く人たちを間違えないことです。「これをやりたい」という人もいますが、やることは会社としても変わっていくし、配属場所も変わるので、むしろそこは広く考えた方がいいと思います。一方で、伸びないマーケットで戦うことは苦しいことです。日本のなかで伸びているマーケットはそう多くはありませんが、インターネットやデジタル分野、ほかにも顕著にテーマを持って伸びている領域もありますから、そこを選ぶこと。あとは、一緒に苦労を分かち合うことができる仲間がいる会社であれば何とかなります。3ミニッツではグリーから来た社員も、本社にはない環境で仕事が出来ていて、生き生きとしています。グリーは幅広いキャリアを描ける可能性を持った会社だと思います。