Gincoで働く人々のストーリーを掘り下げるインタビュー、今回はGincoの創業期にインターンとしてジョインし、現在は複数チームをまたいでGincoの開発をリードする南条さんにお話を伺いました。
一人のエンジニアとして、Gincoでの仕事にどんな面白さを見出したのか、業務の魅力とメンバーの魅力を掘り下げています。
南条宏貴(Ginco バックエンドエンジニア)
大学在学中の2018年1月にGincoの長期インターンにエンジニアとして参加。ブロックチェーンプロトコルのR&Dを主に担当した後、2020年4月にバックエンドエンジニアとしてGincoに新卒入社。現在はR&Dで培ったブロックチェーンの知見を活かして、SREチームと新規開発チームを兼務する。
創業期からR&Dを担い、現在はGincoの主力エンジニアとして活躍
Q.南条さんのこれまでの経歴について簡単に教えていただけますか?
電気通信大学の学生としてエンジニアリングを学ぶ中で、当時注目を集めていたビットコインとブロックチェーンに興味を持ちました。
興味を持った背景には、自営業の父方祖父と証券投資に造詣の深かった母方祖父から受けた影響もあったかもしれません。
またどちらの祖父もモノづくりや今でいうDIYなどを日常的に行なっていたのを幼少期に見て育ったので、エンジニアというモノづくりの職に興味を持ったきっかけも二人の祖父の影響が大きいと思います。
当初は投資対象としての興味でしたが、大学で情報系の学部を専攻していたこともあり、せっかくならエンジニアとしてブロックチェーンと関わりたいと考え、創業初期のGincoへインターンとしてジョインしています。
インターン時代は技術サイドのリサーチとMVP開発、社内ツール開発などを通じてエンジニアチーム全体のサポートを行ってきました。特にブロックチェーンプロトコルの基礎調査やプロトタイプとなるノードの構築などを中心にR&Dに注力しました。
その後、2020年4月にGincoへ正式に入社し、現在はバックエンドエンジニアとして開発に取り組んでいます。
Q.CTOから「Gincoの主力エンジニアの1人」と伺っているのですが、現在のポジションや業務について教えていただけますか?
主に主幹事業である業務用暗号資産ウォレット「Ginco Enterprise Wallet」の新規通貨対応とインフラ全般に関わるSRE開発を兼務し、それぞれの橋渡しの役割を担っています。
Gincoの開発体制はプロダクトごとの新規開発を担うチームと、各プロダクトに共通するシステム基盤の運用を担うSREチームとに分かれています。
プロダクト開発では、お客様とのやり取りの中で機能追加や通貨対応の期限が設定されます。これに対して、SREがいつまでに何をしなければならないのか、両チームのどこにリソースが足りていないのかを連携し対応する必要があります。
Gincoの創業初期からR&Dの立場で関わってきたことや、そこで培ったブロックチェーンの知見を生かし、リソースが必要なセクションへ参加する遊撃部隊的な立ち位置にいます。
やりたいことにオーナーシップを持って取り組むから成長できる
Q.複数のチームにまたがって担当されているんですね。それはどういった理由からですか?
シンプルに僕がどちらもやりたかったからです(笑)
新卒入社の際に、CTOとSRE部長とお話をして、「どちらも興味がある、どちらか一方には決められない」ということを正直に伝えたところ、「じゃあ、どっちもやろう!」と今の立場を提案してくれました。
チームごとの動き方はSREと新規開発でかなり異なっていて、同じGinco内でも開発の体感速度が違います。具体的には新規開発はスプリント期間ごとのアジャイルな開発、SREは四半期単位で運用効率改善を目指す開発、といったイメージです。
ただ、Gincoの開発部門全体でカルチャーが一貫しているため、チームをまたいでもやりにくさを感じることはありませんでした。
先ほどの自分のポジションについても「エンジニアが面白いと思うこと、モチベーションを持てることをやろう」というカルチャーの現れだと思っています。
技術選定においても、「新しく優れているもの、みんなが触ってみたいものを選ぶ」とCTOの森下さんも公言しています。
そもそもブロックチェーン技術自体が未成熟でチャレンジングですし、扱う開発言語や技術スタックも新しいものを次々採用しています。
自分のやりたいことを素直に伝えられる、そしてそれを実現できるのはエンジニアにとって魅力的な一面ですね。
Q.Gincoでの仕事にはどんなやりがいがありますか?
きちんとオーナーシップを持って仕事ができることが一番のやりがいです。
そもそもスタートアップ企業ですから一人ひとりの裁量は大手企業に比べれば大きいですし、エンジニアの「やりたい」という気持ちを尊重するカルチャーもあって、自分から手を上げれば大抵のことに関われます。
ただ、やりたいと手を上げた人に全てが丸投げされたり、逆に自分が任されたと言って独りよがりに開発しては、いいプロダクトを産み出すことはできません。
Gincoでは、責任を押し付けるのではなく「当事者意識を持って胸を張れるプロダクトを作ろう、そのために自分から動こう」という意味でオーナーシップという言葉が使われます。
例えば、新しい機能に対応する場合、Gincoでは基本的にはマイクロサービス単位の開発が行われます。そのときに「この部分は南条くんに任せる!」と言って1〜2つのマイクロサービスがエンジニア一人ひとりの対応スコープとして割り振られます。
「ここの良し悪しは南条くんにかかってるぞ!色んな人に助けてもらいながら良いもん作ってくれよ!」と、マイクロサービスが自分の創るべき成果物として割り振られるわけです。
この「自分の成果物」という意識があるからこそ、困った時は周りに助けを求め、レビューが欲しい時はポイントを明確にしてプルリクを出そう、と皆が取り組むことができます。
また、皆がそういう意識を持っていると、他メンバーからの依頼も疎かにはできないです。良いものを開発しようという気持ちがよく理解できますし、きちんと応えることで自分が困ったときに助けてもらえる訳ですから。
全員が互いのオーナーシップを尊重し、持ちつ持たれつだからこそ「ちょっといいですか?」と言えばすぐにhuddleで相談に乗ってもらえて、議論が盛り上がればみんなが興味を持って参加することもしばしばです。
自分はまだまだ駆け出しで、周囲から学ぶことばかりですが、オーナーシップが持てることはエンジニアが成長するために重要な要素だと身を持って感じています。
高頻度で定期的に0→1フェーズを体験できる稀有な環境
Q.Gincoの開発現場にはどういった特徴がありますか?オーナーシップはどのように育まれているのでしょうか?
Gincoの開発現場の最たる特徴は、0→1フェーズが極めて短いスパンで定期的にやってくることだと思います。例えば、既にプロダクトとして高いシェアを誇り、多くの導入企業から信頼されるGEWは、社内でも最高頻度で0→1を繰り返す製品でもあります。
これは、Gincoの提供するインフラが国内で最も多くのブロックチェーンに対応していることが背景にあります。
通常のサービス開発であれば、最初期にシステムが構築されたら、それ以降は上方向に積み木を積んでいくような作業が続きます。追加機能を組み込んだページの実装や、ABテストによるUI/UX改善がこれにあたります。
一方、Gincoの開発現場では、定期的かつ高頻度で新しいブロックチェーンに対応する必要が生じます。その際には、これまで扱ったことのないブロックチェーンプロトコルを理解し、そのプロトコルに準拠したシステム基盤を0から構築しなくてはなりません。
見た目上は通貨を1つ追加するだけであっても、開発は新規ブロックチェーン用のウォレットアプリを0→1で作って、それを既存のプロダクトにインテグレーションするような内容になります。
要するにGEWというプロダクト一つだけで、現在までに20近いブロックチェーンウォレットを0→1で開発してきた、ということですね。
自分の個人的な意見ではありますが、エンジニアにとって一番刺激的で学びを深められるのは0→1フェーズだと思います。
また、0→1の開発を日常的に繰り返すGincoの開発現場では、必然的にオーナーシップが身につきますし、オーナーシップがないと力を発揮することができません。
さらに、Gincoが扱うのはブロックチェーンという最先端領域です。ここでは、ドキュメンテーションもベストエフォートも未整備ですから、まだ誰も解いていない課題が山積しています。これらを自分の手で解決する面白さが残っているんです。
ブロックチェーンという最先端領域で0→1フェーズを日常的に高頻度で体験できるのはGincoの一番の魅力だと思います。
よくわからない技術は使えない、メカニズムを理解して使いたい、という共通感覚を持ったチーム
Q.開発の面白さがよく分かりました。では、Gincoのエンジニアはどういった人たちでしょうか?人柄などに共通点はありますか?
人間的にもエンジニアとしてもみんな「根が真面目」だと思います(笑)
真剣に自分の仕事に向き合っており、それぞれのやりたいことと得意なことを活かしている職場なので、お互いの長所を見ながら学びを深められる環境だと思います。
また、エンジニアとして真面目だなと感じる理由は、ほぼ全員が「自分が使う技術をよく分からないまま使いたくない」という感覚を共有しているからです。
ブロックチェーンは世間一般から見たらまだまだ「よくわからない技術」ですが、実際にはAPIやOSSをそのまま利用するだけでブラックボックスのまま使えてしまう技術でもあります。
例えば、プロトコルのことを何も知らなくてもビットコインを送付することはできますし、NFTはOpenSeaで誰でも発行できます。また、無料のAPIを利用すればノードを自分で建てずにブロックチェーンへアクセスできます。OSSをコピーすれば独自のブロックチェーンを開発することも、先行サービスに類似したDappsを開発することも簡単です。
それは通常のサービス開発、サービス利用において間違いではありません。ただ、Gincoのエンジニアには「なんかモヤモヤする」と感じる人が多いんです。
「その技術がどういう仕組みで動いているのか、分解してメカニズムを理解してから使いたい」というカルチャーが浸透しているように思います。
Gincoがノードやウォレットといったブロックチェーンのエッセンシャルな機能を一切外部化せず内製で開発してきたのは、この感覚ゆえかもしれません。
自分が使う技術とそのメカニズムについて説明責任を果たそう、という考えは、先程のオーナーシップの話にも繋がっている気がします。
世界中の天才エンジニアが創る未知数な技術を読み解く面白さ
Q.いまブロックチェーン業界に飛び込むことと、Gincoという選択肢についてどうお考えですか?
自分がインターンとしてGincoに入った当時は、ブロックチェーンが「よく分からないけどすごそう」と話題になっていたころでした。
それから実際にGincoで働くなかで身を持って知ったのは、世界中の天才エンジニアたちがブロックチェーンの領域で力を発揮していることです。
ブロックチェーンのR&Dをすればするほど、技術的にヤバい発想力で生み出されたものと出会うんですよね。
また、AIやVRといった技術はSFの世界などで語り尽くされていて、これから何が生み出されるかがある程度予想がつきますが、ブロックチェーンはそれすら未知数です。
今、この時代において、誰も使い方が分からない、正解を知らない技術って珍しいんですよ。そんな技術が目の前にあるんですから、エンジニアとしては好奇心をくすぐられますよね。
そんなエキサイティングな技術に対しGincoでは、バズワード的な関わり方ではなく、エンジニアとして自分の手で分解し、自分の頭で理解して、自分の言葉でチームと議論し、自分の手で0→1開発を繰り返しています。
自分がGincoを選んだのはエンジニアとして一番面白い場所だと感じたからで、この面白さをもっと多くの人に知ってもらいたいです。
株式会社Gincoについて
Gincoは「経済のめぐりを変えていく」というビジョンのもとで、価値ある情報の流通を円滑化するブロックチェーン技術の社会実装に取り組んでおります。
提供するクラウド型ブロックチェーンインフラのシェア及び活用領域の拡大に伴い、エンジニアを始めとするあらゆる職種で採用活動を強化しています。
ブロックチェーンノードやウォレットといった、ブロックチェーンサービスに不可欠な領域に直接触れ、ブロックチェーンエンジニアとしてのキャリアを形成できるGincoでの働き方にご興味をお持ちの方は以下より、下記の会社概要資料とHPをぜひご覧ください!