Gincoで働く社員のストーリーを掘り下げるインタビュー、今回はGincoの主力プロダクトである業務用暗号資産ウォレット「Ginco Enterprise Wallet」のバックエンド開発を担当する高妻さんとフロントエンド開発を担当する吉井さんへお話を伺いました。
エンジニアから見たGEWの強み、Gincoエンジニアチームが考える開発方針や一緒に働きたい人物像を率直に聞いてみました。
高妻 智一(Ginco Enterprise Wallet テックリード)
大学卒業後、都内IT企業に入社しエンジニアとして働くかたわら、個人でもブロックチェーンに関する調査や発信をスタート。2018年3月に株式会社Gincoへ入社し、モバイルウォレット開発に従事。2019年1月からはGEWのバックエンドエンジニアとして構想段階から携わる。現在は主にGEWのテックリードとしてプロダクトの設計と開発統括を担当。
吉井 竜太(Ginco Enterprise Wallet フロントエンドエンジニア)
大学卒業後、都内IT企業に入社し、SaaS事業部にてフロントエンド開発に従事。2019年1月より株式会社Gincoへ入社し、GEWのフロントエンドエンジニアとして構想段階から携わる。現在はGEWのPMと新規機能のフロントへの組み込みを担当。
Gincoでブロックチェーンエンジニアリングに触れ、主幹事業の開発をリード
お二人は、いつごろどのような経緯でGincoへ入社されたのでしょうか?
高妻:
Gincoに入社したのは創業から間もない事業立ち上げのタイミングでした。他社でエンジニアとして働く傍ら、個人的にブロックチェーンや暗号資産に興味を持ち、ブログやSNSで発信を行っていた頃のことです。
房安さん(※Ginco 副社長)や森下さん(※Ginco 最高技術責任者)から、当時開発していたモバイルウォレットアプリについて話を伺い、チームや事業についても魅力を感じたことから、事業立ち上げのタイミングでジョインしました。
吉井:
自分の入社は高妻さんより後の2019年のことです。当時、Gincoは創業プロダクトであるモバイルウォレットアプリで培った技術を活かし、B2B領域へ進出しようとするタイミングでした。
大学の同級生だった森下とたまたま再会したことをきっかけに、Gincoの事業フェーズやチームの魅力、任される仕事の面白さに惹かれジョインしています。
お二人はどのような立場でGincoの開発に取り組んでいらっしゃいますか?
高妻:
Gincoの開発部門はブロックチェーンのインフラ構築に軸足を置くSREチームと、エンタープライズサービスと呼ばれるB2Bプロダクトの開発に取り組む複数のチームから構成されています。
その中で私たち2人は、Gincoの主力事業である暗号資産交換業者向けエンタープライズサービス「Ginco Enterprise Wallet(GEW)」のプロダクト開発に取り組んでいます。
吉井:
私はフロントエンド全般に対応し、高妻さんはバックエンドを中心に全ての開発領域に対応しています。
高妻:
吉井さんは物腰も柔らかく、ブロックチェーン業界の動向にも敏感なこともあり、フロントエンドの開発だけでなくお客様へのヒアリングや要望のくみ取り、サービス改善に関わる交渉など広義のフロント領域をカバーしてくれています。
現在はプロダクトのシェア拡大にともない、より早く、より魅力的な機能をお客様にお届け出来るよう、開発チームの規模を拡大中でエンジニアがどんどん増えています。
顧客の事業成長に直結する業務用ウォレットを少数精鋭で開発してきた
お二人が開発に取り組むGEWとはどういったサービスなのでしょうか?
高妻:
GEWは主に暗号資産交換業者など暗号資産を扱う金融機関向けの業務用ウォレットサービスです。暗号資産の入出庫管理や、操作アカウントの権限管理、ダッシュボードでの在庫状況確認や監査や税務に対応したデータのエクスポートなど、事業者が必要とする用途をカバーしたシステムパッケージになっています。
このサービスの最も分かりやすい提供価値は暗号資産交換業者などが扱える通貨数をすぐに増やせることです。いまの市場環境において、取り扱う暗号資産(仮想通貨)の豊富さは各交換業者を差別化し事業の成長を左右するポイントとなっています。
GEWは豊富なブロックチェーンに対応し、スピーディに必要な通貨を追加することが可能なため、導入することで競合大手との距離を一気に縮めることや、新規のユーザーを獲得することが可能になります。手前味噌ではありますが、お客様をエンパワーするプロダクトだと思っています。
吉井:
ウォレットと聞くとセキュリティシステムとしての側面が重要視されますが、この点も高い信頼を得ています。マルチシグを前提にコールドウォレット/ホットウォレットを柔軟に組み合わせることで、堅牢ながら使い勝手のいいシステムを実現しています。
高妻:
他にも、GEWの強みとしてはサードパーティを利用せず自社で秘密鍵の管理機能を提供していることです。これによりお客様は少ない鍵管理端末で、何十万のアドレスを扱うことができるため、人為的なミスが起きにくく安心してご利用いただけるサービスになっています。ただ、このインパクトは取引所の中でも数人しか実感することはないニッチな部分ですね(笑)
吉井:
UIをできる限り使い回せる形で作っていることにより、どんな通貨でも同じような流れで送金できるようにし、ブロックチェーンを知らなくても使えます。
いかに安心して使いやすいものを作れるか、プロダクト開発における思想と技術に一貫性を持ってこれまで開発してきた結果、国内市場においてトップの導入実績を作ることができました。
お二人のお話からプロダクトへのこだわりと情熱が伝わってきます。プロダクトの開発スタイルで重視していることはありますか?
高妻:
プロダクトに求められる機能、果たすべき役割について、選択と集中を繰り返してきたことだと思います。
3年前の立ち上げ時は海外の類似サービスを参考にしつつ、より望ましいかたちを模索してセキュリティとユーザビリティが両立するシステムを設計しました。当時の基本設計は今も変わっていませんが、現在はお客様とのコミュニケーションをより重視して、事業成長に直結する機能を優先的に自分達のサービスへ取り入れています。
もちろん、お客様の意見1つひとつ全てを鵜呑みにしているのではなく、使いやすいウォレットとは何か、本当に必要な機能が何かを見極めて提供するように心がけています。
モバイルウォレットの開発をおこなってきた経験から、どうしたら使いやすいウォレットになるのかを熟知しているからこそ、お客様の意見を汲み取りながらよりよいサービス体験を追求することができました。
吉井:
海外他社には当社よりも多くのエンジニアを抱え、非常にリッチなサービスもありますが、全ての機能が使われているかと言われればそうではないです。
一般論としてSaaSサービスの機能をユーザーが全て使いこなすことは困難で、大半の機能が実際には利用されていないとされています。
そのため本当に使われる、求められる機能をきちんと作り込むことが大切です。最初の設計段階からシステム設計を大幅に変更することなく、一貫したプロダクトとしてスケールしてこれたのは、ウォレットとして「在るべき姿」を常に考え続けてきたからなのかもしれません。
高妻:
また、最近のサービス導入に繋がっているポイントとして、営業チームとの連携も欠かせない要素です。特に、お客様が取り扱いたい通貨の情報をいち早く入手してスピーディに対応するアジリティのあるチームだと思います。
現在GEWの取り扱い先は主に取引所ですが、今後規制や税制が見直され、企業や銀行などのユースケースも増えていくと考えています。その未来へ備え、日々組織体制も進化させながら開発へ取り組んでいます。
複数のブロックチェーンを1つのプロダクト内で扱うことは難しい。だからこそ達成感があり提供価値が実感できる。
Gincoの開発現場において苦労した点はありますか?
高妻:
そもそも、沢山のブロックチェーンを横断的に扱い共通のUI・UXに落とし込む、というのはそれ自体がかなり歯ごたえのあるチャレンジです
ブロックチェーンノードの実装は数週間単位で更新されますし、ビットコインとETH以外は公式ドキュメントも整っておらず、コードレベルで確認しないと把握できないものも多数あります。
GEWでは13のブロックチェーンに、R&Dを含めると20近いブロックチェーンへ対応していますが、そこで日々更新される内容へ追従していくのは大変なところです。
もちろん、国内でこれだけ沢山のブロックチェーンに触れられる環境はエンジニア冥利に尽きるので、やりがいの裏返しと言ってもいいかもしれません(笑)
その他にやりがいや達成感を感じる瞬間はどんな時ですか?
高妻:
単純ですが、新規通貨対応として実装後のテストで送金が上手く行った時は嬉しいです。
ブロックチェーンによってはビットコインやイーサリアムとは大きく異なるプロトコルもあり、それをいかに直感的でシンプルなプロダクトの利用体験に落とし込むかを考えながら開発に取り組みます。そのため、思っていた通りの挙動が実現できたときには大きな達成感があります。
吉井:
お客様からサービスに対しポジティブなフィードバックをいただいた時は嬉しいです。特にウォレットのUI・UXに関しては、他と比べ優れており使いやすい、というお声をよくいただいています。
有難いことに、お客様以外からも「GincoのウォレットはUI・UXが特にいい」という評価を業界の知り合い経由で伺うこともあり、大きなモチベーションになっています。
従来のUI・UXと一貫性をもたせにくいプロトコルに対応した際には、その使い方を説明するために専用ドキュメントを作成し、お客様へお渡しすることもありました。そうした1つ1つの気配りがきちんと評価されると嬉しいですね。
エンジニアとしてGincoで働く魅力は何だと思いますか?
吉井:
提供サービスがお客様の業績やIRに直結しているように感じられるところは面白いと思います。導入企業様がIR発表などで「対応通貨を増やし売上拡大・利益向上に繋がった」という結果を公表してくださったときはすごくモチベーションが上がりました。
国内で存在する多くのSaaSはコストを抑えることを目的としたサービスですから、会社利益のトップラインを上げることを目的としたサービスは少ないですよね。
その点、Gincoのサービスはブロックチェーン市場で戦う上での武器として新規対応通貨等をお客様に提供するものですから、事業実績へのダイレクトな影響を実感することができます。
高妻:
世界で戦えるSaaS開発だと心から信じて取り組めることも魅力と考えています業務改善系のSaaSは提供価値がドメスティックになりがちですが、GEWはブロックチェーンを活用する上で必要不可欠な機能を備えたプロダクトですし、後発でも海外事業者を押しのけてシェアを伸ばしてきました。
今後も、日本に閉じることなく海外進出を狙えるサービスとして、まだまだ技術的に困難を抱えている世界中の事業者へ向け、展開していきたいと考えています。
今後、Gincoでどんな人と働きたいと思われますか?
高妻:
Gincoの目指す世界に共感できる方と一緒に働きたいです。個人的にはブロックチェーンの開発経験の有無は一切問いません。
実際、元々ブロックチェーンを用いた開発経験がある中で入社されている方は少なく、現段階のフェーズにおけるハードルは限りなく低いと思います。これからの世の中でブロックチェーン技術がより大きな価値を持つようになると感じる方であれば是非仲間になっていただき、一緒にGincoのプレゼンスを高めていければと思います。
吉井:
自分達のビジネスは黒子っぽい、比較的地に足のついた領域ですが、チームメンバーが見ているもの、やろうとしていることは大きく、根底には常にビジョナリーな考え方を持っていると思います。
だからこそ、目指す世界へ向かう過程でワクワクを共有しながらともに歩める方と働きたいです。
株式会社Gincoについて
Gincoは「経済のめぐりを変えていく」というビジョンのもとで、価値ある情報の流通を円滑化するブロックチェーン技術の社会実装に取り組んでおります。
提供するクラウド型ブロックチェーンインフラのシェア及び活用領域の拡大に伴い、エンジニアを始めとするあらゆる職種で採用活動を強化しています。
ブロックチェーンノードやウォレットといった、ブロックチェーンサービスに不可欠な領域に直接触れ、ブロックチェーンエンジニアとしてのキャリアを形成できるGincoでの働き方にご興味をお持ちの方は、以下より弊社概要とWebサイトをぜひご覧ください!