こんにちは! GIG広報担当の宮﨑です。
GIGでは毎月さまざまなテーマで勉強会を開催しており、現在はコロナウイルス感染拡大防止のためオンラインにて実施しています。
今回は、Workship Appの開発に尽力したエンジニアの一ノ瀬さんから「Workship Appリリースまでの道のり」について、マーケターの早河さんから「手段の目的化」についてお話いただきました!
Workship Appリリースまでの軌跡
スマートフォンアプリ版『Workship』が2021年12月3日にリリースされました!
今回はアプリリリースまでの軌跡を、各段階で発生した課題や問題を踏まえながらお話いただきました。
■登壇者プロフィール
一ノ瀬 雄太(いちのせ ゆうた)
フロントエンドエンジニア。東京理科大学工学部で情報工学を学び、2020年に新卒としてGIGに入社。現在はSkillShare事業本部にて、お仕事マッチングサービス『Workship』の開発や、所属チームの開発フロー改善などに取り組んでいる。
俺たちの戦い:開発編
一ノ瀬:
じつはWebエンジニアがモバイルアプリを開発するのは、とても大変なんです。
というのも、アプリ開発ではWebにはない機能をキャッチアップする必要があり、作業工数を正確に見積もることができません。
また今回が社内で初のiOS/Androidアプリ開発だったことも重なり、度々作業遅延が発生し、結果的に当初9月だったリリース予定が12月までずれ込んでしまいました。
普段の業務でも言えることですが、とくに今回のような長期案件では、事前に工数が大きくなりそうなポイントを把握した上でスケジュールを組むことが重要です。
俺たちの戦い:品質向上編
一ノ瀬:
アプリはリリースがゴールではなく、その後の品質向上が必要不可欠です。
【品質向上が大切な理由】
モバイルアプリには「使いやすさ」が求められる
ストアで悪いレビューを書かれるリスクがある
モバイルアプリの使い勝手がWebサービスと同レベルであれば、ユーザーはわざわざアプリを利用してくれません。
仮に利用してくれたとしても満足してもらえなければ、レビューできついお言葉をもらうことも。そして悪いレビューが多数つけば新規ユーザーがさらに呼び込めなくなるという悪循環が発生してしまいます。
実際にWorkship Appのβ版をリリースしたとき、こんなレビューがついてしまいました……。
これを繰り返さないため、製品版ではユーザーテストを徹底的に行い、品質の担保、向上に努めました。
結果として現在では4.1との評価をいただいています!
俺たちの戦い:リリース審査編
一ノ瀬:
アプリのリリースには面倒なことがたくさんあります。
今回のリリースでは、この面倒な審査をスムーズに進めるために余裕を持って審査依頼を出しました。
しかしとあるミスが原因で、予定日より早くリリースされてしまうという事態が発生。
この原因は単純で、AppleStoreのリリース設定が「自動でリリースする」になっていたこと。この設定のことは把握していたんですが、「新しいビルドファイルをアップロードすると管理画面がデフォルトの設定にリセットされる」という仕様を見落としていたことで今回のトラブルが発生してしまいました。
すぐに配信停止の手続きをしたのでことなきを得ましたが、確認作業の重要性が身に染みた出来事でした。
「手段の目的化」はなぜ起きるのか
「課題解決のために動いていたつもりなのに、いつの間にか作業自体が目的になってしまっていた」なんて経験はありませんか?
この「手段の目的化」の原因や対策ノウハウを、早河さんにマーケター目線から共有いただきました。
■登壇者プロフィール
早河 太貴(はやかわ ひろたか)
アドテクノロジー企業、SNSマーケティングの支援会社など数社を経て2021年9月に株式会社GIGに入社。現在は、フリーランス・副業人材と企業のマッチングサービス『Workship』にてマーケティング戦略の設計から施策実施までを一気通貫して担当。
「手段の目的化」が発生する原因
早河:
手段の目的化が起きる原因には、
見る箇所によって手段と目的の関係性が相対的に変化する
具体化された手段を「本来の目的」だと錯覚している
こちらの2点が挙げられます。
まず、目的に対する手段は1つではなく複数存在しています。そしてその複数の手段の下には、さらに手段が連なっている状態です。
本来手段はどこまでいっても手段なのですが、手段とされていた部分に焦点を当ててしまうと、目的であるかのように見えてしまいます。
これが「手段の目的化」を引き起こす1つの原因です。
次に具体化された手段についてです。
じつはそれまで目的としていた内容も、階層を1つ挙げるとより根本的な目標の手段の1つあることが大半です。
そのため常に見ている目的に対して「この目的は本当に目的なのか」と疑うことが大切です。
これに似た話として「ドリルを売るには穴を売れ」という話があります。この話は「ドリルを買いに来るお客さんが求めているのはドリルではなく穴である」と要約することができます。
つまり「穴を掘る」という目的の手段として「ドリル」があるだけであって、ドリルを買うことが目的ではありません。
さらに深掘りすると、この上に隠れている「穴を掘る目的」が見えてきます。この本来の目的が分かることで、より適した他の手段が見つかることも。
しかしこの本来の目的は、「お客さん」に聞かなければわかりません。
目的の深掘りが不十分で本来の目的を聞き出せていない状態だと、具体化されている「穴を掘る」という手段を目的だと誤認識してしまいます。
これが「手段の目的化」を引き起こす2つ目の原因です。
手段の目的化を防ぐために
手段の目的化を防ぐためには「抽象化」と「具体化」を行い、見る場所を意図的に変化させることが有効です。
まずは抽象化です。先ほども話したとおり、本来の目的は基本的に隠れています。
そのため現在の目的を疑い、本来の目的を見つけ出すことが重要です。
【抽象化を行うための手法】
知っている人に聞いてみる
「なぜ?」を繰り返し考える
本来の目的は自分で考えて見つけるのは難しいので、チーム内のリーダーやお客さんに確認してみましょう。
次に具体化です。
目的を抽象化することで見つかった本来の目的を具体化し、有効かつ明確な手段を決めましょう。
【具体化を行うための手法】
手法をインプットし経験する
言語化し、目に見える形にする
その目的を達成するためにどんな手法があるのかをインプットし、それを使いこなすために経験を積みましょう。またロジックツリーなどを活用し現状を見える化することで、目的達成のために現状の手段が十分であるかどうかがより明確になります。
そしてこの抽象化と具体化を常に繰り返すようにしましょう。
業務に生かすためには、相互努力のコミュニケーション
早河:
本日の内容を実際の業務に生かすためは、「伝える側」と「受け取る側」のそれぞれが意識を持ってコミュニケーションを取ることが必要です。
【伝える側】
「本来の目的」を伝え続ける
「手段」と「目的」を分けて伝える
別の「手段」をを考える余白を作る
【受け取る側】
「本来の目的」を確認する
常に「抽象」と「具体」で考える
伝えられた「手段」以外も検討する
どちらか一方だけでなく、お互いに努力し円滑なコミュニケーションを目指しましょう!
まとめ
早河さんのお話には思い当たる節が盛りだくさんでした…。これからは常に「本来の目的」を意識して仕事に取り組んでいきます!
そしてWorkship Appの開発秘話では、開発当事者ならではのお話がたくさん伺えました。
誤ってアプリをリリースしてしまったときの一ノ瀬さんの心境はどれほどだったのか、気になるところですね。
今後もアプリの品質向上に尽力していきますので、フリーランスにご興味がある方はぜひご利用ください!
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(この記事はGIG BLOGからの転載です)