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Chatwork副社長が教えるサービスのグロースとHARD THINGSの話【Tech Trend Talk vol.21】

今回は、先日開催されたChatwork副社長が語るサービスのグロースとHARD THINGS【TTT.21】のイベントレポートをお届けします!

講師を勤めていただいたのは、クリエイターやエンジニアにとって身近なコミュニケーションツールとなっている『Chatwork』を運営する、Chatwork株式会社の取締役副社長 COOの山口さんです。

当日は、 国内No.1のシェアを誇るサービスを確率させた背景には、どのような施策やハードシングスがあったのか、また、そこから得た気づきなどをお話しいただきました。

山口 勝幸(やまぐち まさゆき) Chatwork株式会社 取締役副社長 COO。電機メーカー向けシステム開発会社でのPM職を経て、2003年よりITサービス提供企業にて商品開発部長を務め、事業会社におけるサービスと組織のプロデュース&マネージメント業に従事。 2008年よりChatwork社にジョインし成長期における組織づくりに従事。

Chatworkを通して幸せな働き方、生き方を普及させることを自身のミッションとする。事業開発からマーケティング、セールス、顧客サポートにいたるまでの部門を統括するCOO(Chief Operating Officer)として全事業の運営責任を担う。Business IT推進協会(BIPA)の理事を務めるなど、士業をはじめIT系以外の多業種事業者に対するコミュニケーションも積極的に行い同社における外交を担当している。

Chatworkは「働き方を変える」会社

ITで働き方を改革することを理念として掲げるChatwork。いかに企業の生産性を向上させ、働き方を改革できるのかお話いただきました。生産性向上のためにChatworkが可能にしたことは以下の2点だそうです。

  • 時短
  • 離職防止

山口さん:「仕事におけるコミュニケーションは時間がかかりますが、コミュニケーションは目的ではなくて仕事をするための手段です。冗長なメール作成を始め、"やらないこと”を増やすことで、時短ができます」

山口さん:「お客さんに対して1対1で向き合うサービス業は、スタッフ同士のコミュニケーション不足しがちです。そしてスタッフ同士の人間関係が原因で離職が多くなってしまいます」

山口さん:「チャットを導入することでコミュニケーションの量と頻度を増やし、業務の“見える化”を可能にしました。結果として、コミュニケーションの活性化が実現し、スタッフ同士の関係性が改善されるので離職防止に繋がります」

私は冗長なメール文章でのやりとりで、なかなか連絡や情報共有がスムーズに進まずもどかしい思いをすることがあります。チャットを導入することでよりスピーディに、手軽にやりとりができるようになりますね。

23万社以上に導入された国内No.1シェアを可能にしたグロースの裏側

次に、海外列強チャットサービスを追い抜き、国内No.1シェアの座を勝ち取ったサービスのグロースについてお話いただきました。

山口さん:「競合のチャットサービスは、ITリテラシーが高い人層に向けたサービスです。一方で、Chatworkは日本のマジョリティである非IT系の中小企業をターゲットにし、既存のチャットサービスとは市場を棲み分けて展開しました。それが可能だった背景には、メイドインジャパンであることや、Chatworkは自体が中小企業である特徴を活かしたことが挙げられます。またユーザーがユーザーを呼ぶ、ネットワーク効果も成長のキードライバーになりました」
サービスを展開するなかで直面した困難についてもお話いただきました。

山口さん:「様々な分野でマーケティングを得意とする人を採用し、手当たり次第に施策を行いました。しかし、初期は何をやっても成果が出ませんでした」

山口さん:「そのような状況を脱却したきっかけは、セールスモデルの変更にあります。BtoB SaaSなので、人が直接売りに行けばそれなりには売れます。一方で、SaaSという単価が低いサービスを人が売りに行く施策は効率が悪いとためらう点もありました。しかし『特別なことをやろうと思わないで、ひとつずつちゃんと積み上げなくてはいけない』と言われたことをきっかけに一つひとつ愚直に積み上げた結果、業績が回復しました」

ChatworkでIT格差をなくす

山口さん:「コミュニケーションに限らず、仕事には多くの業務があります。それに、業務効率化ツールはたくさんあっても、いろいろなツールを使いこなすのは大変です。そして、それらのツールを使える企業・使えない企業の間にIT格差が生まれることも」

山口さん:「でもいろいろなツールを使いこなす必要はありませんよね。IT格差を無くしたいと考えているので、今後はメール、Web解析ツールなどをすべて統合して、Chatwork上ですべてが完結する世界を作りたいです」

技術のおかげで便利になったようにみえる反面、実際には「不便になったな」と私も思うことがあります。煩雑な操作や多すぎるツールの導入で、より作業は面倒に。ツールを使える人・使えない人で作業進捗に差が出てしまうなど、本末転倒な結果になることもあるでしょう。そのようなIT格差の状況を解決しようと試みるChatworkのビジョンに、私はとても共感しました。

懇談会

勉強会が終わったあとは、お酒と美味しいお寿司を片手に懇談会です!ワイワイと盛り上がった懇談会では、参加者同士が交流を楽しむ有意義なものになりました。

勉強会を終えて

労働人口減少や働き方改革のトレンドからも、大量に人材を投入したり過度な業務を1人に押し付けたりして業務効率化を図る施策は、日本社会においては今後難しくなるでしょう。

そのような背景からも、チャットを導入することで“やらないこと”を増やして、時短をしたり労働力を確保したりする施策は、あらゆる業界で通じる生産性向上のための打開策ではないでしょうか。

また今後グローバル社会になることを踏まえても、コミュニケーションのハードルはより低くなるのが理想的な未来だと思いました。

チャットを上手に活用して“やらないこと”を増やし、どんどん業務効率を上げていきたいです!

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