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第二回 AIの活用を考え始める

プロダクトマネージャーとして、モスレは考えた。

「各ユーザーに特化したプロモーションができれば、コンバージョンが改善できるのではないか? 売上がもっと上がるのではない2017年当時、まだAIの活用は一般化していなかった。時折投資家がAIに飛びつく程度であった。2011年から2012年にかけてと、2014年から2015年にかけて、ちょっとしたAIブームがあった。しかし、本気で顧客に向き合ってパーソナライゼーションを実現できている企業は、超大手のAmazonやFacebookぐらいしかなかった。

モスレの勤める会社も規模は大きく、従業員は5,000人以上、アメリカだけでも6拠点、パリにもオフィスがある。しかし、社内にAIに特化したチームがなかった。もっと調べてみると、AIの開発体制が整っていないのは自分の勤める会社だけの課題ではなく、どこの会社にも起こりうることが分かった。

一方、セールスフォースドットコムのレポートによるとコンシューマーのうち半分は何らかのパーソナライゼーションを求めていることが分かった。AIソリューションは人の助けになる良いオポチュニティーになるという確信を深めるに至った。

「よし、AIに関する事業を作ろう」

モスレは決意した。「デジタルプロダクトに対するAIソリューション」という新しい事業を開始するには、以下の3つのステップをクリアすることが大切ではないかと考えた。

STEP1.どんな課題を解決できるかを明らかにする             

STEP2.売上も作れてビジネスとして成り立つかというところにチェックマークが入るか。従業員5,000人の会社でもAIソリューションのチームがないくらいだから、需要はありそうだ。

STEP.3として、課題の解決策は、既存の解決策とは別なスタイルで差別化できて、優位性(Superiority)を確立できるか。

当時、今もある意味そうだが、AIによるソリューションを提供するのはソフトウェアコンサルティングファームしかなかった。リサーチの結果得られた彼らの特徴はこうだ。

・最小限のソリューションが完成まで平均で1年くらいかかる。

・結構高い。9ヶ月から1年のプロジェクトで2千万円から1億円ぐらいかかる。よって、そのようなAIソリューションには、売上100億円を超えるような規模の企業でないと中々飛びつけない。

・更に言うと、中小企業や成長性のある企業のような、AIによるソリューションを最も必要としているところには、彼らはフォーカスしていない。IT系や技術中心ではない企業は、AIソリューションへの大きな投資において、リターンが明確にできないと、それはリスクのある投資になる。そのような成功の保証がないハイリスクの投資は、中小企業はもちろん技術系ではない大企業にも難しいである。

第三回に続く

株式会社Gigalogy CEO モスレ・ウッディンによる、教えてAI(人工知能)!
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