【代表インタビュー】楽天でMVPを5度手にして選んだ新たな道。“正しいEC”を追求して食品ECのトップランナーへ
Gastroduce Japan株式会社は、食品×インターネットに特化した総合支援企業です。大手企業様へのサポートをはじめ、中小企業様のECもトップ店舗に導いた実績を数多く持ち、「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」といった国内を代表するECモールでの受賞歴もあります。
社内すべての部門が“食品ジャンル日本一”を目指して研鑽を重ねる当社は、第2創業期を迎えました。日本が誇る“GASTRONOMY(美食文化)”を世界に広める事業にも着手するなか、さらなるスケールを目指す当社の創業ストーリーや、ミッション・ビジョン・バリューに込められた思いを代表の若松に聞きます。
若松 友貴 / 代表取締役社長・代表ECコンサルタント
福岡県生まれ。一橋大学商学部を卒業後、2014年に楽天株式会社に入社し楽天市場のECコンサルタントを担う。同社在籍中には楽天賞を2回、楽天市場MVPを3回受賞。累積担当社数は1000社を超え、数多くの食品業者を中心にEC事業の拡大に寄与した。2017年には同社を退社し、「マーケティングは実行を伴って初めて意味をなす」との想いから食品ECに特化した実行型コンサルティング企業・Gastroduce Japan株式会社を設立。
ECにとことんハマった楽天時代。学びと実践の繰り返しでヒット商品を生み出した
ーー若松さんは、新卒入社した楽天で数々の実績を残しました。まずは、楽天を志望した理由を教えてください。
ひとつは、三木谷さんの書籍『成功のコンセプト』に心から共感を覚えたこと。大学時代に将来の起業を志すようになった私にとって、本に書かれていた「没頭することこそがプロフェッショナル」というワークアズライフ的な発想は大きなモチベーションになりました。
もうひとつは、楽天市場がマーケットそのものでビジネスの最終的な結果が出る場所であること。何をどうすれば売れるのか、どれだけの利益をもたらすのか。そんなビジネスの“軸”を具体的な数字や事例から学べると感じました。
その上で、将来の起業を踏まえると営業力は最も大切なスキルだと考えていて。インターネット業界での起業を考えるなか、専門スキルを持たない私にとって営業力は1人で生きていくために最も重要な能力です。その点、成長フェーズで場数を多く踏める楽天は絶好の環境でした。
ーー楽天時代には、どのような業務を担当されていたんですか?
入社後は奈良・和歌山の拠点で2年間、その後は東京拠点で2年間コンサルティングを担当しました。和歌山ではファッション、グルメ、インテリアなどさまざまなジャンルを担当していたのですが、食品への興味が非常に高くて。
食品を扱う店舗群のコンサルティングを得意にしていたため、東京ではフード・ドリンク部門が中心でしたね。気付いたら食品だらけになっていました(笑)。
ーー当初から食品に興味を持っていたんですね!
食品は暮らしに必要不可欠で、常に求められる産業です。そして単に栄養を摂取するだけでなく、楽しい空間や時間を味わうものでもあります。
何千年という歴史のなかに食は常に存在し、世界中でさまざまな先人が美味を追求して現在に至ります。江戸時代から親しまれている『江戸前寿司』もその1つですよね。私は“食”を人生をかけて取り組める仕事だと思っています。
ーー「楽天市場」という国内ECの屈指のフィールドで、ECの可能性を感じましたか?
もう、正直ハマる要素がたくさんありましたね。自分が考えた施策を提案し、売上が大幅に上昇してランクインした際には楽しかったです。たとえば、父の日の商戦では2月に商材を扱う数十社に提案していましたし、勤務時間や休日を問わずに勉強しました。売れている商品から共通するセールスポイントを見つけ出し、どの店舗にも提案できるレポートは今でも楽天に残っています。
勉強して、仕掛けて、結果を通じて得た知見をまとめて結果を出す。そのプロセスを繰り返しながら、さまざまなヒット商品を生み出せるECは本当に楽しいですね。ひとつの成果として、約3年の在職期間に大きな社内賞を5回、約1万人の社員から20~30名に送られる楽天賞を2回いただくこともできました。
“正しい戦略”と“一切妥協しない当事者”の存在により、ECの可能性を広げていく
ーーECでの確かな知見と輝かしい成果を手にしても、起業への思いは揺るがなかったんですか?
入社3年目に入る頃にはすでに決意していました。楽天市場には“売れる”ポテンシャルを持つ店舗がたくさんあります。しかし、売れる方法を知らないECコンサル業者による間違った方法が横行している状況で、費用対効果を上げる施策やリピーターの育成をせず、いたずらに広告投資を重ねてしまう事例が多々ありました。
当たり前のことですが、店舗や商品により費用対効果はまったく異なります。正しい戦略で適切に意思決定し、売上と費用対効果を最大化することが最も重要です。たとえ同じ広告を使ったとしても、最適なサポートにより、広告投資はしっかりと回収でき、売上や利益は飛躍的に改善します。
私は楽天市場という広大なフィールドで豊富なデータに触れ、誰よりも学び実践しノウハウを蓄積していました。入社からわずか2年ではありましたが、同じように取り組む方はほかに見当たりませんでした。今思えば自信過剰でしたが「食品ECは誰にも負けない」とさえ思っていました。「正しい戦略のもとで“食品EC”というビジネスの可能性を広げたい」と考え、結果的には楽天での3年半のキャリアを経て起業を決意しました。
ーーGastroduce Japanを立ち上げた経緯には、そんな原体験もあったんですね。
EC店舗は入れ替わりが激しく、本来高いポテンシャルをもつ店舗が退店してしまう事例が多々あります。私はせっかくの可能性を潰してしまう存在が許せないんです。正しい方法を実践すれば、小さな規模の店舗でも成功できます。実際に当社で支援した、ある町の道の駅の店舗が「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー」に選ばれ、大きく経営状況が好転しました。
正しい戦略によるコンサルティングはもちろん、しっかりと売上を伸ばしたいと思うスタッフが正しい知識を持って取り組むことがECで成功する道です。私は、ECの力で企業様の運命を大きく変えられると確信しています。可能性を秘めた企業様に向けてGastroduce Japanが貢献することで、大手はもちろん中小企業の可能性を広げられる。それは、大きな意義があると思っています。
ーーありがとうございます。ちなみに、なぜ福岡に拠点を構えたのでしょうか?
私を育ててくれたこの福岡や九州の発展に向け、少しでも役に立ちたい思いがありました。当社のお客様は全国的に事業を展開する企業様が多く、ギフトとお土産の両面で親しまれている企業様も支援しています。
各地には著名なお土産が点在していますが、ギフトとして認知はされていない商品が多くあります。それは福岡も同様です。当社はそうしたお土産に新たな価値を付加して、ギフトとしてECや百貨店で広く販売できるショップを創り出したい思いがあります。
「食品ECといえば、Gastroduce Japanに」とイメージされるように、信頼を集めていく
ーーGastroduce Japanが掲げるミッション「マーケティング徹底力で食品の未来を創る」には、どのような思いがこめられていますか?
当社が最も重視している点は、商品を最大限に売れるように“マーケティング戦略からお客様が目にするクリエイティブの制作まで徹底して取り組む”ことです。その強みを指して「マーケティング徹底力」としています。
戦略の上流部分を担うコンサルティング会社は多いと思いますが、当社は「お客様に訴求できる商品のファーストビュー」や「魅力的なライティング」といったクリエイティブの制作まで担うので、企業様には「ここまでやるんだ」と驚かれることもしばしばありますね。
ーーミッションとともに掲げるビジョン「常に食品EC業界のトップランナーである」は、いかがですか?
ビジョンを実現する要素として、あわせて「圧倒的なノウハウ、どこよりも「売上」「賞」にこだわる」「日本一の食品特化ECコンサルタント」「日本一の食品特化EC運用」「日本一の食品特化制作ノウハウ」と4つの要素も掲げています。
ミッションに掲げるとおり、当社はマーケティング徹底力が強みです。ビジョンは、未来を創る前段階の中期的な目標として掲げています。コンサルタント、ディレクター、制作それぞれが食品マーケティング領域で日本一のレベルに達することで「食品ECはGastroduce Japanに任せたら安心だよね」と信頼される存在に進化できるように取り組んでいる最中です。
ーー多くの企業様から信頼を集めるために、今何が必要だと考えていますか?
当然ですが、まずは実績をしっかりと出すこと。既存の企業様に満足してもらえるよう、競合他社さんよりも高い基準を追求して実績を積んでいくことが大切ですね。当社が支援して3ヶ月目で売上1億円を達成した事例もあります。結果を出し続ければECモールから賞をいただくことも可能で、より周囲から信頼される存在になれると思います。
Gastroduce Japanは、これから新規顧客を開拓していく時期に入ります。これまでは営業活動をしなくとも紹介などでご縁をいただいてきました。現在はGastroduce Japanのアピールポイントを発信するLP(ランディングページ)などで、当社の実績を広く伝える取り組みをはじめています。
LPでは当社が大手企業様を数多く支援している実績や、大手クライアントのひとつである松屋フーズ様に伴走してECでの売上を1億円から48億円まで伸ばした事例も紹介しています。松屋フーズ様とは協業にも取り組んでおり、これからも自社のノウハウを活かした“攻めの事業”を仕掛けていく方針です。
ーービジョンの実現には、社内人材の育成も必要不可欠ですね。
人材が育ちやすい環境の整備やノウハウを蓄積できる組織体制の構築が重要ですね。たとえば、コンサルタントは週1回の状況共有や勉強会をはじめ、マネージャーによる改善アクションの提案を通じて業務レベルの向上に取り組んでいますし、ディレクターも週1回実務的なノウハウを共有する「ディレクターレクチャー」を実施しています。
ちなみに、広告運用のポイントや訴求できるバナー作成などをテーマにしたディレクターレクチャーは動画に残して全社でノウハウを共有しています。ほかにも、NotePM内に業務マニュアルを設けたり、マネージャーがコンサルタントやディレクターをチェックする項目を定めて業務品質を担保したりと、業務レベルの維持・向上に注力していることも特徴です。
日本が誇る“GASTRONOMY(美食文化)”を世界に広めたい
ーー若松さんが、Gastroduce Japanのコンサルタントやディレクターに求めていることを教えてください。
「企業様の役員になったつもりで業務に取り組みましょう」と伝えています。企業様と一緒に並走し、売上を伸ばして可能性を広げていくことが最優先です。企業様の広告予算が厳しい際には、当社で投資して対応する場合もときにあります。一緒に売上を伸ばしていけば投資は回収できますし、未来を一緒に見つめて取り組んでいくことが大切です。
社内には組織で動いていく姿勢を求めていますね。具体的には、ルールの遵守や報連相を徹底しています。それは、企業様に確かな価値を提供するためです。コンサルティングやディレクションにおいて、経験の少ないメンバーとマネージャー層など経験豊富なメンバーの間には、スキル面で差があります。報連相を通じて知識やスキルを持つメンバーにフィードバックを受けながら、企業様に価値を提供できることが組織の強みです。組織としてメンバーが連動することは譲れないポイントですね。
裏を返せば、入社当初からスキルは求めていません。徐々に成長していただければよいですし、成長をサポートすることが上司の役割です。
ーー経営者としては、どのような課題を感じていますか?
採用や人材育成を通じた組織づくりですね。事業成長にともなう組織づくりに注力してから半年が経ち、評価制度をはじめ徐々に体制は整いつつあります。一方では、複数のポジションを兼任しているメンバーが多い状態です。私も取締役の堀江も兼任しています。
会社としての成長を目指すには、売上戦略やKPIの管理、採用といったマネジメント業務の強化は経営面での大きな課題です。管理職候補として活躍いただけるメンバーの育成や採用は、今期中に必ずやり遂げます。少しずつ業務を引き継ぎながら育てていく方針ですし、今のタイミングはメンバーにとって大きなチャンスともいえますね。
ーー今後の事業展開について、イメージされていることを教えてください。
まずは自社のリソースをフルに使い、常に100%で今の事業を伸ばしていきます。時代やニーズの変化により、新たな可能性が生まれます。たとえば、食品ECにフィットするLINEやInstagramの最適な運用方法を探ることもそのひとつですね。Gastroduce Japanが率先して、食品業界の可能性を広げる施策を提案していきたいと強く思っています。
また、ECを起点にして食品業界にナショナルブランドを開発したい思いもあります。日本を含め世界には100年、200年を経て今もなお愛される美食が数多くあります。食は利便性だけでなく、不変の歴史や伝統が尊重される領域なんですね。ITが発展する今、当社は将来的にECから食の発展に寄与する事業にも力を注ぎたいと考えています。
日本の豊かな食文化が生み出した傑出した技術により創り出される“味”は世界に広がりを見せていて、盛り上がりを見せる越境ECにも親和性が高いといえるでしょう。当社の名に含まれる“Gastro”は“美食”を意味します。日本が誇る“GASTRONOMY(美食文化)”を世界に広めていくために、今は地力を付けている段階ですね。
ーー最後に、若松さんはこれからどのような仲間を迎えたいと願っていますか?
当社は食品ECに特化した事業を展開しているので、0から学ぶつもりで来てほしいですね。Gastroduce Japanは「プロフェッショナリズムの徹底」「当事者意識の醸成」「スピード!スピード!スピード!」と3つのバリュー(行動指針)を掲げています。
お伝えできるノウハウや学べる環境は多分にあります。前のめりにチャレンジし続けることにより成長スピードが早まりますし、仕事で感じられるやりがいは大きくなるでしょう。企業様の決裁者は、社長や部長など裁量権のある方が大半です。決断のスピードが速く“Gastroduce Japanの看板”として存分に活躍できる環境です。
ぜひ、入社後は“等身大の自分”で仕事に臨んでください。ときには周囲に頼りながら着実に成長し、力を発揮していただけたらうれしいですね。