こんにちは、広報担当です。
いきなりですが、「物流2024年問題」という言葉をご存知でしょうか?
2024年問題とは、時間外労働の上限規制などを含んだ、働き方改革関連法の施行によって想定されるさまざまな問題のことです。中でもこれまで猶予されていた自動車運転業務が2024年4月から法適用されるため、物流会社にとっては非常に大きな影響を及ぼすとされています。
主に
①ドライバーの収入減、それに伴うドライバー不足
②会社の収益減少
③荷主の支払運賃の値上げ
などが問題として挙げられています。
この問題は物流会社だけの問題ではなく、物流に関わる全ての人に関する問題であり、青果物流は最も影響を受ける物流の領域となってきます。
しかしながら、物流2024年問題がどのような問題なのか、どのような影響が起きるのかを正確に把握できている人が少ないというのも現実です。
そこで、物流会社であり、この問題の当事者である私たちが主体となり、青果物に関わるすべての人が課題として認識・協力し、立ち向かうきっかけを作りたいという思いから、初めて「物流2024年問題」をテーマにしたセミナーを開催しました。
今回は、セミナーの運営担当・山際にセミナー当日の様子や参加者の反応などを伺ってみたいと思います!
―今回のセミナーについて、簡単に教えてください。
2023年3月15日、福岡市内の会場で「物流2024年問題の解決に向けた先進事例セミナー」を開催しました。同時にオンライン配信も行って、北海道から鹿児島まで全国各地の方々にご視聴いただき、合計368名の方にご参加いただきました。
参加者の業種としては、食関連の小売・卸業の方を中心に自治体、市場関係者、JA、農業生産者、非農業水産系会社、物流会社、マスメディアとさまざまな業界にわたっており、物流2024年問題への関心の高さが伺えました。
―当日はどのような講演があったのでしょうか?
まず福岡ソノリクの担当者が登壇し、弊社が持つ物流拠点機能や長期保管機能、品質管理機能を活用して、物流2024年問題の解決を目指す取り組みについてお話しました。
たとえば2024年以降はドライバーの拘束時間が厳しくなり、現在のような長時間の運転ができなくなります。そこで岡山県など西日本各地にある福岡ソノリクの物流拠点を遠隔地からの中継地点として活用することで、運行時間を削減して課題解決を目指す事例を紹介しました。
またホクレン農業協同組合連合会やJAごとう、鹿児島くみあい食品株式会社から5名のゲストスピーカーをお迎えし、各社の抱える物流課題とその対策について講演していただきました。
たとえば北海道の生産者支援などを行うホクレン農業協同組合連合会の藤塚弘樹氏は、「保管技術を活かした青果物流通の展開」と題して、消費地から遠い北海道ならではの課題とその解決策についてお話いただきました。
もともと北海道は物流に関しては難しさを伴う地域です。消費地までの運賃コストの高さや輸送日数が長いことによる品質保持への不安、 直送輸送業者の減少などの課題がありました。それに加えて物流2024年問題による労働力の減少・制限が起こると、物流課題はより深刻になっていく見込みがあるそうです。
そこで福岡ソノリクの物流拠点を利用することで、物流網の柔軟な調整が可能となった事例などをご紹介いただきました。
―福岡ソノリクが主催者として開催する意義とは?
物流2024年問題において最も影響を受ける領域である青果物流の当事者である私たちが、実際の取り組み事例や具体的な数字を語ることに意義があると思います。物流2024年問題の理解を深め、どう立ち向かうのかを関係者の皆さんと一緒に考えていきたいです。
―参加者の反応はいかがでしたか?
セミナー後に実施したアンケートでの満足度は高く、参加者からは「物流2024年問題の概論や具体的な課題がわかりやすかった」「非常に内容が濃く、とても勉強になった」「具体的な事例を聞けて良かった」というお声を多くいただきました。
―初めてのセミナー開催でしたが、反省点はありますか?
ご好評をいただいた一方で、「講演時間が長い」、「具体的な問題はわかったが、実際の解決策をもっと知りたい」「物流2024年問題についてもっと掘り下げてほしかった」などのご意見もいただいたので、次回以降に活かしていきたいです。
―最後に今後の展開について教えてください。
今後は関東方面の工場を活用した事例などを中心に講演できればと考えています。具体的な開催時期は未定ですが、弊社を上手く活用していただきながら、農業界全体が盛り上がるような取り組み、新たな物流の仕組みを発信し続けていきたいと思っています。