皆さん、こんにちは。谷崎です。
今回は、家づくりをする上でのお客様の「ニーズ」をテーマに書いていきたいと思います。
お客様のニーズを探るということ
住まいを提供する場合に限らず、お客様に何かを提供するときは、「お客様は何を求めているのか?」ということ、つまりは「ニーズを探る」ことが大切になるでしょう。
ニーズを探る上でまず知っておきたいのが、顕在ニーズと潜在ニーズの違いです。
お客様が「こうしたい」「これが欲しい」と口に出すことは、顕在ニーズであることがほとんどです。
一方で、お客様自身もまだ認識できていない、課題が表面化していないものは潜在ニーズといえます。
潜在ニーズは明確に表現されないからこそ、提供する側もお客様と対話し、一緒になって考えることが重要になります。
そして顕在化していないニーズを読み解き、それを解決する手段を提案して、お客様にフィードバックをもらう、という流れが必要になるのです。
特に、一つの形あるものではなく、理想の暮らしという目に見えないものを提供する場合は、なおさら潜在ニーズに着目しなければなりません。
しかし、経験されている方はお分かりかもしれないですが、この潜在ニーズを探るということは、意外と難しい作業なのです。
家づくりは誰もが初めての体験
注文住宅として理想の家をつくりたいと求めてくるお客様なのだから、自身のニーズをきちんと理解しているのではないかと思うかもしれません。
ですが、理想の家づくりをしようとする場面だからこそ、潜在ニーズの把握と整理が最も重要だと考えます。
なぜなら家づくりを何度も経験している人は少なく、ほとんどの人にとって初めての体験だからです。
何かに初めて取り組む際に、自分の考えや希望を正確に把握し言葉に出来ることの方が少ないのではないでしょうか。
また今の希望を暮らしに反映させようとしても、それが今後長く続く暮らし全体を見たときに納得のいくものになるとは限らない、という考え方も出来ます。
高校生のころ、これは絶対にお金を出して買うべき、一生物の買い物だ!と思った服や小物を、今でも飽きずに持っていることは少ないはずです。
現在のライフスタイルやライフステージを考慮することはもちろん、それらの根底にある、変化の少ない「価値観」から生まれる潜在ニーズをどれだけ掴めるかが重要になるのです。
潜在ニーズを探るには?
このように、理想の暮らしを提供する場合に欠かせない、潜在ニーズを読み解くにはどうすればいいのでしょうか。
前提として、設計者の知識と経験が必要です。
家づくりが初めてのお客様にとって、設計者の知見は大きな支えとなります。
加えて重要なのが、潜在ニーズを読み解くための力、つまりヒアリングや、さらに高度なラダリングの能力です。
ここで詳しくお話しようとすると長く、複雑になってしまうので、機会があれば別のコラムやイベントなどでお話できればと思います。
今回は、この「ラダリング」というスキルがお客様のニーズの把握には不可欠である、ということが伝わっていれば嬉しく思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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