皆さん、こんにちは。谷崎です。
今回は、住宅設計の魅力、という切り口から書いていきたいと思います。
前回のコラムでお伝えしたように、私は実需向けの住宅設計だけでなく、事業用の収益物件や店舗設計にも携わっていました。
どちらも経験した上で、やっぱり個人のお客様に向けての住宅設計は面白い、やっていてよかったと思います。
その理由の一つは、自分では気づけなかった新しい感性を見つけることが出来るからです。
私はもともとモノトーンやミニマムなデザインがとても好きで、一時期そのようなデザインばかりをしていたことがありました。
しかし、住宅設計は自分の好きなデザインではなく、お客様の好みを大切にする必要があります。
あるとき、お客様の要望に合わせて、今までの自分では絶対にやらないような思い切った色を使ったデザインをしたことがありました。
完成した空間は違和感があるかと思いきや、これが意外とまとまりのある仕上がりになっていたのです。
自分は、こんな色の使い方が出来たのか、という新しい発見でした。
さらに、そのような気づきがあったうえで改めてモノトーンの空間に入って感じたのは、どことなく緊張感が漂うということ。
統一感がある、ということはデザインにおいてはもちろん大事な要素です。
ただそれだけではなく、その統一感をいい意味で乱すような、アクセントとなる要素を入れることで、逆に空間に流動性が生まれ居心地がよくなると私は考えるようになりました。
美術館のように整然とした綺麗な空間も良いけれど、住宅にはどこか住み慣れた実家のような落ち着きが生まれる空間づくりが必要なんだと。
このように居心地について考えることが出来るようになったのも、住宅設計をやっていたからこそだと感じています。
他にも、住宅設計から学んだことや、気づけたことは多くあります。
これから住宅設計の世界に入っていくという方は、新しい発見や成長の機会が沢山待っていると思うので、存分に楽しんでもらえたらと思います。