こんにちはフーディソンの広報です。
弊社はスタートアップとして日々『世界の食をもっと楽しく』することを目指しています。今回は、仕入れチームで水産品(特種・養殖魚)のバイヤーをメインで担当している萩野那由太さんに日々の業務についてお話を伺いました。
編集部:萩野さんは海洋大学ご出身だと伺いました。大学ではどのようなことを学ばれたのでしょうか?
萩野さん:東京海洋大学では海洋政策文化学科を専攻していました。漁業経済や漁業法、魚の流通など、漁業という商いを持続的な経済圏にするためにはどうしたらよいか、といった勉強をしていました。学部の卒論では、『ECでの鮮魚の販売』というテーマで研究をしており、まさに今のフーディソンでやっていることなんですよね(笑)。大学院では『水産物の直売』をテーマに卒論を書きました。
編集部:卒論のテーマ、本当に今なさっていることそのままなのですね(笑)。なぜ海洋大学で漁業について学ぼうと思われたのですか?
萩野さん:小学生のころ近所のおじさんに釣りを教えてもらったのがきっかけで、釣りや魚にドはまりしたんです。荒川でハゼや鯉、うなぎを釣ったり、中学生のころにはブラックバス釣りに夢中になったりしていました。釣った魚を美味しく食べるためにと、当時から料理も趣味に。中学時代に海洋大のオープンキャンパスで1泊2日の乗船体験があり、それに行ってからもう海洋大に行く気でいました(笑)。
編集部:学ぶべくして漁業について学ばれたのですね。卒業後はどのような進路を歩まれたのでしょうか?
萩野さん:大学院卒業後は、マルハニチロ株式会社という水産系の商社メーカーに就職しました。そこで養殖事業に携わり、資材や養殖魚の餌の買い付け、養殖場ごとの収支確認などを担当していました。新入社員からの3年間だったので、教えてもらうことばかりであまり会社に貢献はできませんでしたが、今の業務に活きていることは沢山あります。
ただ、当時から“ECで鮮魚を売る”ことへの興味が捨てきれずにいました。そんなとき転勤先となった愛媛の宇和島で出会った町の魚屋さんに「東京に魚を卸したい、販路を広げてみたい」という相談をもらったんです。魚屋の社長さんは東京のどこかの飲食店に宅急便で直送するイメージだったそうなのですが、それだと梱包発送、物流管理の手間が多く業務が煩雑になってしまうため、卸売業者を間に入れた方がよいのではと提案しようと思いました。そこで紹介したのが、以前から知っていたフーディソンです。
編集部:そこでフーディソンとの関わりが生まれたのですね!
萩野さん:そうですね。人づてに存在は知っていたのですが、当時からベンチャーらしいスピード感が魅力的だと感じていました。くわえて自分がやりたかったECでの鮮魚販売を事業にしているのは、大変興味深かかったです。ご縁もあって、2015年にフーディソンに入社することに。
編集部:フーディソン入社後はずっと今の部署にいらっしゃるのですか?具体的にどのような業務をなさっているのでしょうか?
萩野さん:はい、入社後から養殖魚や牡蠣、ウニ、冷凍加工品などの仕入れを担当しています。
大田区にある大田市場に出社する日は、だいたい朝6時に出社し、翌日以降の売り物となる魚やウニをセリ場で買い付けしています。6時半ごろからは大田市場内にある魚ポチの店頭で、大田市場に直接買い付けにきた魚屋さんやスーパーの方たちに、前日までに買い付けたものを直接販売しています。
9時~12時は、翌日の仕入れ対応のため市場の荷受さんとのやりとりに追われています。(取材中もひっきりなしにかかってくる電話に「牡蠣Sが12ケース…」とご対応される萩野さん)
その後は15時半の魚ポチサイトオープンに向けて、買い付けた魚たちの商品データを作成します。目利きしたものを正確かつ魅力的にお客様に伝えることもバイヤーの大切な業務の1つですね。その他は新しい取引業者さんの登録やメールの返信、カスタマーサポートに入ったクレームの対応、請求関連のやりとりも行っています。早い日は17時ごろに帰宅しますね。
編集部:新しい取引業者さんも萩野さんが探してこられるのですか?
萩野さん:もちろんです。スーパーマーケットトレードショーやシーフードショーなどの展示会へ足を運んだり、業界紙などはチェックしたりして常にアンテナを張るようにしています。新しい仕入先を開拓しないとお客様の多様なニーズにお応えできませんからね。魚ポチ内の検索ワードで上位にあがっているものや、市場を回っていていいなと思ったものはチェックするようにしていますし、お客様から直接いただく「コレがほしい!」という細かいオーダーにも対応できるようにしています。
くわえて、フーディソンはまだ小さな会社なので、こちらが「お取引したい!」と思っても、すぐに商品を売ってくれるわけでもないんです。信用がゼロの状態から、フーディソンにできることやECで取引きすることの将来性を真摯に伝え、いかに関係性を構築するか、情熱を通わせることの難しさと楽しさがありますね。
編集部:萩野さんがバイヤーをされる中で大切にされていることを教えてください。
萩野さん:なにを仕入れるにしても、安全かどうか、そしてコンプライアンスを遵守しているかは徹底的に確認しています。どんなに美味しいものであっても、この2つは絶対に守らないといけないことです。異物が混入する可能性はあるか、それはどのようなもので、目視で確認できるのか、食品表示法がしっかり守られているか、それらを確認し満たしたうえでさらに検品を大切にしています。食品バイヤーはお客様の命を預かっていますからね。
あとは季節によって魚の状態が異なるので、売れ口を読みながら魚ポチの商品コメントを細かく変えるようにしています。例えば、最近北海道のニシンの刺身に感動したのですが、ニシンは数の子で取引きされることが多く産卵時期が旬といわれています。でも実は、6~7月頃のニシンは産卵の後に餌を荒食いして栄養を蓄え本当に美味しい状態なんです。ただそのニシンは時期が短く市場に流通するのはわずかな期間です。それをお客様にどう伝えるかを販売チームやサカナバッカと話し合い、通年でも販売ができるように冷凍品を開発依頼し、安定的な流通を実現できるように工夫しました。そういった商品開発のようなことも、私たちの仕事なんです。
現在、海の中の様々な要因が影響してニシンの資源量が増えてきているのですが、小骨が多いイメージが強いことや、刺身で食べられることを知らない人が多いことが要因で需要が増えない状況になっています。せっかく美味しいのに、利用率が下がってもったいないことになっているんです。変動していく資源を柔軟に活用することが大事なので、ニシンの美味しい食べ方や調理法を開発提案し、PR活動にも力を入れていきたいなと思っています。結果的に魚という資源を無駄にすることなく、取引き量が増えることで漁師さんたちもより多くの利益を生むことができ、持続的な漁業に近づけると実感しています。地域創生のような一面もあり、社会的な意義も感じますし、この仕事の面白さでもありますね。
編集部:大学のころに学ばれていたことを実行し実現なさっているのですね。辛いことや大変なことはどんなことでしょうか?
萩野さん:すべての仕事においていえることかもしれませんが、モチベーションのコントロールは苦労する部分かもしれません。バイヤーは自分が仕入れたものがお客様の手元に届き、その商品、ひいては取引きに対して評価をいただく仕事です。ダイレクトに反応が返ってくるので、手触り感がある一方、しっかり反省するべき場面もあります。ただ、生鮮を扱っている以上、自然など読めない要素が多くあるのも事実であり、100%良いトレードができるわけではありません。反省はするべきなのですが、後悔はしないように、何かあったときに次どう取り返すかを考えようと日々の仕事に取り組んでいます。
編集部:萩野さんが、そこまで前向きに頑張れる源泉を教えてください。
萩野さん:前提として、魚や海が好きで、とにかく水産業界を良くしたいという気持ちが根底にあります。大学でも勉強していたように、漁業という産業を持続的なものにしたい。漁師さんが自分の息子や後継者に継いで欲しい、継ぎたい、と思ってもらえる仕組みに近づけていくことを目指しています。
持続的に海の資源を担保するには、獲りすぎなくても儲かる仕組みが大事です。いまある資源を無駄なく有効活用し、未来を見据えて経済を回していく。この業界を良くしていくことにしっかり貢献できているという実感を持てているから些細なことは気にならないのかもしれません。
フーディソンはベンチャー企業ですが、仕入れチームでは34歳の私がほぼ最年少です。業界歴が長く様々なキャリアを築いてきたベテランが多いので、一緒に働くととても勉強になると思います。最近は畜産や野菜の取り扱いもでてきたので、水産業界をふくめ、食の業界を変えたいと思っている方、フーディソンに入って損はないと思います。やりたいことを一緒に叶えましょう!
フーディソンでは現在、各ポジションで積極的に採用を進めています。少しでもご興味お持ちの方はお気軽にお話しを聞きに来てください!オンライン面談もおこなっています。
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