( インタビュー・編集 : 2021年度内定者 山岡 颯汰 )
<プロフィール>
代表取締役 富樫 康博(とがし やすひろ)
株式会社フィッツコーポレーション代表取締役社長。1952年生まれ、北海道・室蘭出身。1991年に株式会社フィッツコーポレーションを設立。海外ブランド香水/化粧品の輸入事業、オリジナル香水/化粧品/雑貨等の製造・販売など、「香り」を中心とした企画開発を通じて、豊かなライフスタイルの創造を目指しています。
独立前の社会人経験に対するアンチテーゼが「明日も行きたくなる会社」の起源だった
私が富樫さんとじっくり話すのは半年以上も前の最終面接以来だった。少し緊張していたが内定式やインターンで登壇した時のように今日の対談も「富樫ジョーク」から始まり、リモートではあるが和やかな雰囲気で幕を開けた。
ーー会社のカルチャーである「明日も行きたくなる会社」これを掲げるようになったきっかけはどういったものだったのでしょうか?
これは私が独立前の社会人生活で経験した「明日も会社に行かなくてはならない」そんな嘆きに対するアンチテーゼがきっかけなんだよね。
元々、独立前は私も普通に大学を出て社会人として大きな組織で働いていたんだよ。大きな組織に行くと会社の真ん中である層が40歳くらいでなかなか若い人にチャンスが回ってこないよね。他の色んな業界に就職した大学時代の友人と集まっても、覚悟して社会人になったはずなのに「面白くはないけど、上から言われた仕事をしに明日も会社に行かなくちゃな…」「自分の上司は全然話が通じないんだよね…」こんなことを嘆きながら終電に乗ってうなだれている姿を見て「多くの時間を会社で過ごすのにその時間は本当の自分でいられないのか。こんなもったいないことないんじゃないか」そう思ったのがきっかけでした。
だからこそ・明日、自分で責任をもって選択した仕事ができる・明日、一緒に働きたい仲間・先輩がいるこの2つを社会人で両方手に入れるのは難しいけど、こんなことを本気で実現していける会社を創ろうと決心しました。
コロナウイルスの前後で会社はどう変わっていくのか?
フィッツコーポレーションでは3月から本格的なリモートワーク が始まり、12月現在も週一度の出社でリモートワークメインの働き方となっている。そんなFITSの今後の働き方はどうなっていくのかを尋ねてみた。
ーー今年はコロナウイルスの流行で大きく社会が変化していったと思います。ご自身がこの変化で気づいたことと今後FITSではどんな働き方になっていくのかお聞きしたいです。
気づいたことを一言で言うと「出社しなくても仕事はできる」ということ。これを社会全体もFITSも経験しました。
では、「会社に行く意味はないのか?」と言ったらそんなことはないよね。「会う」というコミュニケーションが会社に行く重要な一つの意味だってことに気付かされました。学校でもそうでしょ?勉強するためだけに学校には行かないよね?「会社にいっては行けない」「密になってはいけない」って環境だからこそ今まで「密になってコミュニケーションをとっていた大切さ」というものを改めて実感しました。だからといって今後この状況が落ち着いたとしても出社率が100%になるかというとそうはならないと思います。会社の方が効率の良いことと自宅の方が効率の良いことがハッキリしてきたよね。
そこで今後は「働き方の多様性」に挑戦したいと思っています。「いつでもどこでも誰もが働ける体制」にしていきたい。 「若い人の一人暮らし」と「お子さんを抱えたお母さん」との立場ではリスク管理が異なってくるのは当然だし、全員に同じ働き方を求める必要はなくなったよね。そして今後も大きな社会問題として介護の問題があげられると思うんだけど「介護があるからFITSで働けない」「育児があるからFITSで働けない」こんな組織ではなくて社員のITリテラシーを高めていくことで「いつでもどこでも誰もが働ける体制」を整えていけるようにしたいね。
もし、もう一度就職活動をしたらどんな会社を選びますか?
ーー最後に、もし富樫さんが昔に戻ってもう一度就職活動をするとしたらどんな会社を選びますか?
もう私は社会人を経験してしまっているからね…(笑)。そんな経験をもとにお話しさせていただきますね。簡単に言うと・「一緒に会社を創り上げていこうね」というスタンスをもった会社・何か「クリエイション」に携われる会社この2つをもった会社だね。「会社に入社させていただく」みたいなスタンスは会社と社員の関係がフェアじゃないよね。「会社のために」という従属的な意識ではなくて、「自分のために」という意識のもとで「一緒に会社を創り上げていこう」というスタンスでなければ「自分らしさ」が損なわれてしまい、働いてて楽しくない。それと現在、「知的労働者」と言われてる職業も技術の進歩でどんどん代替されていく可能性があるよね。そうなってくると人間に残された最後の砦って「クリエイション」の範囲になってくると思うんだよ。そういった意味でこの2つに携われる会社を選んでいくかな。
インタビューを終えて
終始穏やかな雰囲気のインタビューでしたが、現在のFITSがどのように成り立ってきたかを表すような代表自身の熱い想いや哲学が垣間見えた瞬間でした。この記事を読んでいただいた方にとっての「明日も行きたくなる会社」が見つかると幸いです。ちなみに「フィッツコーポレーション」の名前はアメリカの小説家である「F・スコット・フィッツジェラルド」に由来しており、そこから「世の中にフィットする会社」という願いを込めて「フィッツコーポレーション」と名づけられました。