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セールスとして入社して丸3ヵ月生産者に?ファームノート独自のオンボーディングとは?

ファームノートではセールスのオンボーディングに6ヵ月という長い時間をかけています。自社グループで運営する牧場での研修を含め、実践的で体系立てたプログラムで酪農・畜産のいろはを学びます。セールスの経験者を採用しながら、半年間もの研修期間を用意している理由や研修の具体的な内容について、オンボーディング制度の企画立案を行った東北セールスのマネージャー吉澤にインタビューしました。

セールスのプロだけど、酪農畜産はまったくの素人

――半年間のオンボーディングを始めた理由を教えてください。

大きな理由は、新入社員の立ち上がりに課題感を持っていたからです。ファームノートにセールスで入社される方は営業経験者がほとんどで、一般的なセールススキルは十分にあります。ですが、酪農畜産に関する知識を持っている人はほとんどいません。
営業の経験があっても酪農畜産の知識がまったくないまま生産者に対して営業するとなればやはり苦労します。生産者と深い会話ができず、一つの受注ができても取り引きの継続が難しいということになってしまいがちでした。

さらに難しいのが地域特性です。たとえば、九州は黒毛和牛が多いため、和牛に関する知識が必要です。一方、北海道では和牛よりも乳牛が多いため、和牛よりも酪農の知識が求められます。ベースとなる酪農畜産の知識を体系立てて学ぶ機会がこれまでは会社として用意できておらず、せっかく優秀なスキルを持つ方に入社してもらってもその能力をフルに発揮してもらえていない状態でした。入社した優秀な方がこの業界で能力を活かして活躍するためにオンボーディングを整備していく機運が高まっていきました。

【オンボーディングの流れ】
1~2ヵ月目:牧場研修
3~4ヵ月目:CS(カスタマーサクセス)研修
5ヵ月目 :牧場研修
6ヵ月目 :セールスOJT

――吉澤さんも業界未経験で入社されたんですか?

そうですね。私は不動産の営業を経験してからファームノートに入社したんですが、最初は酪農の知識は正直必要ないと思っていました。生産者に牛の知識では勝てないので、ファームノートが提供する製品・ITの知識さえあれば売れるだろうと甘く見ていました。たしかにモノを売るだけならそのスタンスである程度提案できるのですが、徐々にファームノートの営業は「製品を売る」→「経営支援(ソリューション提案)」に変化してきています。自社グループで牧場を経営して、牧場の生産性や収益性の向上に対してIT製品で改善できることはごく一部であるということに気づいたためです。

そうなると、生産者に提案する前に生産者の苦労している点を理解し共感できないとうまくいきません。相手のことを知らないと本当の意味で寄り添うことができないわけです。
私のこういった体験もあり、生産者と同じ目線で会話できる状態になることを目的としてオンボーディングを設計しました。

6ヵ月のオンボーディングの内容

【オンボーディングの流れ】 1~2ヵ月目:牧場研修 3~4ヵ月目:CS(カスタマーサクセス)研修 5ヵ月目  :牧場研修 6ヵ月目 :セールスOJT

――自社牧場での牧場研修からオンボーディングをスタートさせるんですね?

そうです。私たちは自社牧場を経営しているので、最初の2ヵ月は自社牧場で「牛を知り、人を知り、経営を知る」をコンセプトに研修を行います。

※ファームノートグループの自社牧場【次世代型牧場ファームノートデーリィプラットフォーム】
地球にやさしく、牛と牛舎で働く人の快適性や働きやすさに最大限配慮した牧場。
実証開発試験場であると同時に、商業的な成功を重視し、実際に生乳を生産出荷しています。

具体的には、1ヵ月目で業界や牛について(牧場作業の流れとその目的/乳牛の知識/飼養管理/業界構造など)の理解を深めます。2ヵ月目は牧場経営やその課題を理解し、自社プロダクトの活用方法を実践的に学んでいく場になります。

――2ヵ月間は完全に生産者になるわけですね。

はい。そこで生産者の苦労や大変さを実体験できていることが営業の場面で必ず生きてくるので、2ヵ月間の牧場研修はとても大切だと考えています。
3~4ヵ月目にはCS研修として顧客と関わり、顧客の課題を特定して、自社プロダクトを活用してソリューションを提示できる状態を目指します。

その後5ヵ月目に再び牧場に行って、これまで学んできたことを現場で整理したり、学びきれていないことを学びきる機会とします。生産者目線で物事を考えることを目指し、現場で起きている課題を実際に現場で解決します。そうして最後の6ヵ月目にセールスのOJTで実際に生産者に対面し、自分なりの明確な理由や根拠を持って提案活動を行っていきます。

現場で実際にファームノートのプロダクトを活用し、自社サービスへの理解も深める。

――セールスとして中途入社した人が6カ月間営業活動をしないでオンボーディングだけというのは、かなり思い切った経営判断ですよね。

そう思います。それだけ課題意識が強かったことの裏返しでもあり、実際にこのオンボーディングによって、ファームノートのセールスとして確実にレベルアップできます。セールス経験はあるけど、酪農畜産は素人という方も安心していただけるかなと思います。

オンボーディングを経験しての感想は…

――ちょうどオンボーディングを終えたばかりの三津谷さんに感想を聞きました。

三津谷さん(入社半年/通信業界にて約20年の営業経験と5年以上のマネジメント経験/酪農畜産業界未経験)

<1~2ヵ月目 牧場>
まったくの未経験で牧場で働くことに若干の不安がありました。実際に研修を始めた最初の1週間は、生活リズム、生活環境、作業内容、業務知識、体力面など、新しい体験ばかりで研修期間を通して一番辛かったです。
ただ、そこを乗り越えると、酪農畜産経営の知識と牧場作業が自分の中で結びつけられるようになり、やりがいが実感できるようになっていきました。
生産者も感じているであろう動物相手のビジネスの難しさや大変さと、しくみ化や改善活動の重要性を実感でき、非常に貴重な2ヵ月間でした。

<3~4ヵ月目 CS研修>
CS研修では当社の顧客が、どのように当社のプロダクトを活用しているのかを理解できた一方で、契約しているプロダクトを活用しきれていない顧客がいることも知りました。
厳しい事業環境の中で契約していただいている顧客に対して、成果が出るようにしっかりコミットする意識の重要性を学びました。

<5ヵ月目 牧場>
2回目の牧場研修ということで不安はほとんどなかったです。1回目とは異なる牧場で仕事をしてみて、設備や環境の違いでオペレーションが異なることを学びました。
設備も人も土地も気候も牛も、同じ牧場は世の中に1つもないのは当然で、その中でどのように経営を良くしていくかは、数字だけでは判断できず、現場を見て知ることの重要性をあらためて感じることができました。

――狙い通りの効果が出ていそうですね。

よかったです!ですが、まだまだ改善の余地はあるので、引き続きプログラムを進化させていきたいと思っています。ファームノートは事業の成長を通じて人間の成長に貢献することにコミットする、本当にいい会社だと感じているんです。その成長を支援する制度をもっと整えて、優秀な方にドンドン仲間になっていただけたらうれしいですね。

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